GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

ドラマは脚本次第だ

2018-03-17 04:38:54 | MUSIC/TV/MOVIE

家にテレビがない。
もともとテレビっ子じゃないから、もういらないかなって引越しの際に処分してしまった。
でも職業柄、話題のドラマや番組を見てないとお客様との会話に支障が出たり、今のトレンドの把握ができなかったりするという問題点が。

家にテレビが無いと人に言うと「不便じゃないの」と言われて半ば同情とか蔑みの目で見られたりするのだが、今の時代はパソコンでもスマホでも、ネットで見れるのだ。パソコンの画面やタブレットじゃ、もちろん大画面の迫力ある映像っていうわけにはいかないのだがね。
っていうわけですっかりTverとかのお世話になっている。NHKの受信料を払う必要もない。実際先日NHKの集金人が来たが「家にテレビがない」ということで見事に追い払えた。自慢することでもないが・・・。

今クールのドラマは4本をフルで観た。

一つはバイプレイヤーズ。

いやぁ面白かった。
以前もこのブログで書いたが、このドラマは大杉漣さんが亡くなられた際、まだ第4話が70%、最終第5話が半分くらいしか撮り終えていないということだったが、見事に完成させてた。現場、特に脚本家はてんてこまいだったと思うが、見事に違和感なくつなぎ完成させてたね。松居大悟さん、宮本武史さん。すごいなぁ。

バイプレイヤーズの面白さは登場人物が俳優実名そのままだったり、各局のドラマを実名で使ったりエピソードとかをセリフや効果に使ったりと好き勝手してるところだ。シン・ゴジラ、孤独のグルメ、相棒、蒲田行進曲、プロジェクトX、Chef〜三ツ星の給食〜・・・。
このテレビ東京ならではのドラマの影響が、最近じわじわと各民放のドラマにも反映(浸透)されているのを感じる。

アンナチュラル。

石原さとみ主演の法医学ドラマ。病院ものとかのドラマは結構苦手だから観なくていいかと思ってたのだが、とりあえず観てみようと。
そう思ったのはこのドラマの脚本が野木亜紀子さんだから。
野木さんは新垣結衣主演の空飛ぶ広報室や掟上今日子の備忘録、逃げるは恥だが役に立つなどの脚本を手がけた人。他にも黒木華主演の重版出来なども手がけてる。
上記のドラマはすべて漫画や小説が原作だが、今回のアンナチュラルはオリジナル脚本らしいからさぁどうなんだろうって期待半分で見たのだが、ただのヒューマンドラマや医療ドラマではなく、サスペンス要素も含まれていて面白い。専門用語医学用語薬物用語がめっちゃ多いけど、素人の俺がそんなこと関係なく、いや逆にまるで自分がUDIラボの一員になったかのように違和感なく見れた。見事なり。

井浦新、市川実日子、松重豊などのレギュラーメンバーに加え、竜星涼(すごい芸名だな)や北村有起哉、大倉孝二、大倉孝二、吹越満などのバイプレイヤーが脇を固める。薬師丸悦子が義母親役で出てるのも必見。
さらに特筆すべきは、シリアスなストーリーの中に遊びもかなり取り入れてること。これがバイプレイヤーズの影響かってくらいの小ネタ続出。
「これって科捜研が扱うのでは?」って窪田正孝のセリフに石原さとみが「沢口さんも忙しい」って科捜研の女ネタを入れてたり、他にも「相棒ってどっちが右京さん?」って相棒ネタを入れてありするところにニヤッとしてしまう。99.9のネタも取り入れてたりする。

99.9 -刑事専門弁護士-。
松本潤主演のドラマ第二シーズン。
相変わらず面白いのだが、第一シーズンに比べてちょっと空回り感が。
第一シリースではあまり気にならなかったのだが、ダジャレやコミカルな演技の部分がちょっとウザく感じてしまう。プロデューサーの瀬戸口克陽さんのせいか、演出の木村ひさしさんや岡本伸吾さんのオーバードライブか?それとも脚本の宇田学さんのせいか?
それにシーズン1に比べ、シーズン2はなんか急ぎすぎ。第一シーズンで曖昧なまま疑惑を持ち越した松本潤役の父親の冤罪をあっさりシーズン2の第1,2話で暴いて終わらせる。第一シリーズの最大の敵・奥田瑛二や第一シリーズで法廷で松本潤と争った青木崇高はこれで出番終了。あっけないの。

第一シリーズが弁護士VS検事だったのに対し、第二シリーズは弁護士VS裁判官。笑福亭鶴瓶の胡散臭さや甲本雅裕の実直さはいい味出してるし、弁護側の香川照之は相変わらず上手いし上司の岸部一徳も上手い。なんやかんやと松本潤に振り回される片桐仁も相変わらずで面白い。

でもね、第一シリーズで榮倉奈々の後継に選ばれた元裁判官の木村文乃の役所がちょとね。演技がどうのこうのではなくて演出がね。榮倉奈々は東京法学部卒だがプロレス好きって設定だったが、それなら第二シーズンでは同じ東京大学法学部卒(ちなみに香川照之も同学部卒の設定)の木村文乃がプロレスファンだったっていう設定にすりゃよかったのになぜか腹話術をやっていたという設定。プロレスファンはアジアンの馬場園梓に受け継がれてる。
それなのに松本潤のいとこを演じる池田貴史の小料理屋「いとこんち」にはオカダ・カズチカやBUSHI、内藤哲也、ヨシタツなど現役プロレスラーが毎回登場したりしてる。なんなのこれ?タイアップ?最終回で榮倉奈々が復活するという巷の噂だがそのための伏線か?

さらにこの店には松本零士が登場したりしてる。銀河鉄道999と99.9を引っ掛けてるんだろうけど、なんかなぁ。同じ漫画家の山田貴敏(Dr.コトー診療所など)もでてたりするけど、キャスティングや演出の意味がよくわからない。

他にもアキラ100%、塚地武雅、安達祐実、比嘉愛未、IZAM、ヒャダイン、アンミカ・・・。どういうキャステインングなのか演出なのかわからないもの多数。
ただ、第6話で竜雷太が犯行現場を見た時に「なんじゃこりゃぁ」って言ったのは笑えた。太陽にほえろの追跡のテーマとか流してくれたらもっと面白かったのに。バイプレイヤーズならきっとBGM流してただろうな。以前堺雅人・新垣結衣主演のリーガルハイで、里見浩太朗と伊吹吾郎さんが対面した際に水戸黄門のテーマ曲イントロが流れたのに比べたら、小ネタすぎるな。ちなみに里見浩太朗はバイプレイヤーズでお犬様って役を急遽演じることになってたが、これはソフトバンクCMの北大路欣也をパロッてるんだろうなぁ。

長くなってしまったが、最後はBG〜身辺警護人〜。
何をやっても何を演じてもキムタクと言われた木村拓哉の新境地。かっこいいキムタクではなく、おっさんを演じたキム他に最初は感動したのだがね。
このドラマも急ぎすぎ。

有名サッカー選手(満島 真之介)のボディガードに失敗した過去はあっさり第5話で明白になり完結する。この事件に伴いそれまで何かと木村拓哉と対立してた斎藤工は打ち解ける。うーん、安直な設定。
大臣役の石田ゆり子は引っ掻き回すだけのうざい中年女にしか見えない。

90年代後半ににキムタクと共にロン毛ブームを起こした立役者、今回のドラアマではSP役を演じる江口洋介は、最終話であぁやっぱりこれねって展開。
木村拓哉の元奥様役に山口智子。同じく90弁台を彩ったドラマ、ロングバケーションのパロディなのかよくわからない回想シーンが盛り込まれる。

さらに若者のすべてでキムタクと共演した萩原聖人が、民事等幹事長の収賄事件をひっかぶった役で登場。
脚本はキムタクの主演ドラマを数多く手がけけてきた井上由美子さんだからできる技か。
他にも伊武雅刀、大塚寧々、田中哲司、西村雅彦、中尾明、橋爪功など毎回豪華キャスト。最終話では矢沢永吉まで登場した。

視聴率は良かったみたいだがドラマの出来としてはどうなんだろう。
最終話2話前で上司の上川がキムタクをかばって太ももを撃たれ、救急車で搬送してる最中に急変して亡くなる。
なんで急変したのかなんてのはその後全く描かれず、この事件をもみ消そうとした政治家に対決を挑むって図式になってる。なんのこっちゃ。自分をかばって撃たれたことなんてキムタクは全く気にしちゃいねぇ。普通は自責の念にかられると思うのだが、そんなことは一切おくびにも出さず隠ぺいしようとしてる政治家=巨悪に向かっていくキムタク、かっこいい気宇宅はここで復活?正義を振りかざすのはいいけどちょっと無理がある設定だ。
井上由美子さんは白い巨塔(2003年版)や緊急取調室などの脚本を手がけた人だから、もっとおもしろいストーリーかける人だと思うのだけどなぁ。視聴率優先の制作サイドの責任かなぁ。
もし続編、シーズン2とかが出来たら見てしまうかもしれないが、劇場版って映画になったら絶対見ないと思う。

脚本次第でドラマの面白さは変わるということを痛感させられた今クール。
さぁ次のクールはどんなドラマがあるかな。



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