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井岡一翔のTatoo問題

2021-01-06 22:09:32 | Talk is Cheap

井岡一翔。

昨年の大晦日、田中恒成とのWBO世界スーパーフライ級王者決定戦を、8回TKOで制し2度目の防衛に成功した。

この試合が今、物議を醸しているそうだ。

 

この試合で井岡一翔の左腕のTATOOが露出していたことで、日本ボクショングコミッション(JBC)がルール違反として制裁を下すかもって話。

JBCの「日本ボクシングコミッションルール」には、第86条に「次の各号に該当するボクサーは試合に出場することができない」として、「刺青など観客に不快の念を与える風体の者」と定められている。

この試合で井岡の刺青はこれに該当するとして、現在JBCは対応を検討中。

 

「今時刺青がとか頭がかたいな」とか「時代錯誤だ」とかルールを疑問視する意見や、「ルールなんだから守るべき」とか「規定なんだから仕方がない」とJBCを擁護する意見などネットでは飛び交ってる。

まぁ、これはいつものことだ。そして双方に言い分があり、どちらも正しく、どちらも間違ってないからね。結論は出ないはず。

 

しかし、ここでちょっと困るのは有名人の意見がクローズアップされること。

そしてその有名人がアスリートではあるけれどジャンル違いの人だったりすること。なぜか、マスコミはこの手の人の意見を載せたがる。

今回の場合で言えば、元柔道家で現格闘家の石井とか、日本プロ野球界に復帰しようとして相手にされなかった新庄とかね。

 

石井は「アホちゃう?スーパー銭湯みたいな理由やな」「見てる人が不快というよりアラを探して吊るしあげようとしてるだけ」とSNSでつぶやいたそうだ。

マスコミがなぜこんな、見当違いのことを言ってる人の意見を(探してきて)わざわざ載せたのかわからない。

だって、格闘技だって陸上競技だって球技だって、ルールに則って行われる。だからこそ観客は楽しめる。そのルールが曖昧だと選手も困るし観客も困るのだよ。

ルールで言ってるのに、それを「アラ探し」とは、これまたスーパー飛躍思想だな。

 

そのルール(規定)で「TATOOが見えてる選手は試合に出られない」と書いてあるわけだから、石井の言ってることは全くの的外れ。スーパー銭湯でも「刺青お断り」がルールだが、それを「文化だ」「外国では」などと今言っても仕方がない。

そりゃあアイヌや一部部族のように伝統的な風習で入れてるTATOOもあるだろう。しかしTATOO/刺青=いかつい人/反社会的な人ってイメージはほとんどの人が持っているはずだもの。

 

刺青を見て「遠山の金さんだ」などと思う人もいるだろうけど、大概は「ヤクザ?」「ハングレ?」「ヤバイ人?」って思うんじゃないのかね。俺の身の回りにはTATOOを入れてる人も、和彫りの刺青を入れてる人もいるが、やっぱり見るとドキッとするもの。

俺がたまにゆっくり浸かりたいと利用する銭湯の入り口には「刺青・筋ものお断り」と堂々と掲げてあるが、湯船にも洗い場にも色とりどりの背中が並んでる。

横で頭洗ってても湯船で隣に来られてもあまり気にならないが、さすがにサウナに入ろうと思ってドアを開けたら中が刺青の人オンパレードだった時は、そのまま閉めちゃったことがあるよ。

 

 

新庄なんかもっとひどい。

「熱い戦いをしている時刺青が気になるか?」とか「なんだこの古臭い考えは。考え方をアップデートしていこうぜ」

インスタであげたこの意見は、一見もっともなことを言ってるようだが、完全な的外れ。

それを言うなら試合の前にルール変更や特例を申請すべきでしょう。「刺青見えても試合ができる」にしてくれと。それが通らない、却下されたと言うのなら別だがね。

新庄は「しかも試合後に?」と書いているが、これもちゃんとリテラシーしてから書くべきだな。

井岡は試合前にファンデーションでTATOOを隠してリングに上がったのだよ。でも、薄かったのか、いつものファンデと違ったのか、それとも汗で流れてしまったのか、ラウンドを重ねるごとにTATOOが浮き出てしまったのだよ。

つまり、試合前は問題なかったが、途中で出てしまって周知の目にさらされたからどうしようって話なのだ。アップデートもクソもないのだ。

 

ルールはルール。

プロ野球みたいにコロコロそのルールを変えると観客(ファンも)ついていけない。

延長とかコリジョンとかスライディングやラフプレーとか。読売球団のドンの一声やメジャーリーグに合わせてコロコロ変えるから、だんだんつまらなくなる。新庄の言うアップデートはわからなくもないが、その結果はいつも「つまらなくなった」だ。

特にボクシングは計量とか、ルールとか厳密だ。そうじゃないとただの殴り合いになってしまうからな。

 

TATOOや刺青がいいとか悪いとかが問題ではなく、今回井岡のTATOOが試合中に見えてしまった=ルールに抵触してる =処分検討しなきゃぁってことなだけだ。

ただ、それだけのことなのに、マスコミはなぜかいつもこんな時に有名アスリートの意見を載せたがる。

そのほとんどは「俺って理解あるでしょ」「私って時代に沿った考えしてるでしょ」って、ナルシストみたいな意見ばかり。LGBT問題とかで、理解ある意見を述べてるのばかり集めてくるのと一緒だ。

 

同じボクサーの井上尚弥(WBA・IBFパンタム級統一王者)は「TATOOや刺青がいいとか悪いとかではなく、JBCのルールに従って試合をするのが、今の日本で試合する上での決まりごと。このルールがある以上守らねばね」とメッセージ。

同じジャンルの、しかもチャンピオンクラスが言う方が重みがあるね。

そう思わん?

 

今回、ボクサーではない人では、武井壮が出したメッセージだけは、唯一ウンウンって納得できた。

「ルールは守るべき。異論があるならルールを変えてからやるべき。」

「TATOOを入れることは悪いことではない。でも日本には罪人への刑罰としての刺青の文化や、反社会勢力の方の多くが刺青をしていることから嫌悪感がまだあるのは仕方がないと思う。」

「警察官が全身刺青、大相撲の横綱がTATOOまみれ、裁判官が顔面タトゥー、アナウンサーが手首まで和彫り、(中略)とか色々想像してみたら違和感がある。」

 

もっと議論が必要ね。

 



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