GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

無敵のオタク 鉄男編

2014-08-16 05:02:00 | Talk is Cheap
盆は電車がガラガラ。
「こりゃ寝て行けるな」ってうたた寝してた。
次の駅で乳母車に男の子(推定1歳前後)を載せた若いお母さんと男が乗ってきた。
夫婦かな?って思ったけど、なんかよそよそしい。
俺の隣にそのお母さんと子供が座り、男はその横で立ってる。
ガラガラだから他の席なら並んで座れるのにね。
チラッと見たらお母さんはかなり可愛い人で、ファッションセンスもいい。
いいとこのお嬢さんって感じ。
男の方は、う~~~ん。冴えない。
よれよれの色褪せたTシャツに、ハーフパンツ(って言うかバミューダー。ユニクロ?)

まぁ関係ないなって思ってそのまま寝たかったんだけど、
なんか男の方が必死に話してるのが滑稽で、つい聞き耳立ててしまった。

会話から察するにどうも、その男のお兄さんのお嫁さん、義理の姉にあたる人みたいだ。
今は別の待ちで暮らしてるが、旦那の実家に盆できてて、今日はお出かけ。
で、義理の弟は駅迄送ってきてそのまま一緒に電車に乗ったか、偶然駅で一緒になったか、って感じ。
男の方は必死で会話を取り繕ってしてるんだけど、なんか空回りしてる。
別に聞く気はなかったんだけど、男の声がでかいから嫌でも耳に入る。

ちょっと興味が出てしまって、そのお母さんをチラっともう一度見たら、顔立ちの整った綺麗な人。
ははん、なるほど。
この義理の弟はこの義理の姉に惚れてるな。

子供は電車のシートで嬉しそうに飛び跳ねはしゃいでる。
普段なら鬱陶しいが(俺は子供が嫌いだ)、綺麗なお母さんに免じて許す。(俺は美人には寛大だ)
でも、子供は電車が好きだねぇ。
向かい側のホームの電車が発車するのを見て「うぇいわあ~」と訳わからない擬音で騒いでる。
そこでこの義理の弟君、会話の糸口を見つけた!って感じで、電車について語りだした。
阪急電車の車両の話から、ダイヤ、乗り換え、阪急電車の歴史迄。
声でかいって。
どうやら鉄男君だったみたいだ。

案の定、最初は愛想で相槌をうってた義理の姉も、だんだん「どうでもいいよそんな事」って返事になってきた。
何とか会話を終わらせたい雰囲気をかもしだしてるけど、興に入った鉄男君、全く空気が読めず話し続けてる。
義理の姉、すっかり会話に飽きてしまって、スマホをとりだしてみたり、子供に会話してみたり・・。
普通の遊びなれた男だったらこの時点で、
「あかん、この会話は外してる、違う会話に変えなきゃ」って修正するだろうが、でもダメ、
スイッチの入った鉄男君はおかまい無し鉄道を話し続ける。

よせばいいのに、なんか助けたくなってしまった。
勿論、空気読めてない鉄男君じゃないよ。
助けたいのは全く興味のない話を延々と聞かされてるこのお母さんだ。

目を開けて隣ではしゃいでる子供を見る。
あらまぁかわいらしい子。お母さんの血をひいたな(旦那は見てないけどこの男が義理の弟なら推測できる)
相変わらず奇声を発して電車でははしゃぐ子供も、俺の視線に気がついて一瞬動きが止まる。
子供って不思議だね。
敵にまわしたらいけないものを瞬時に嗅ぎ分ける能力を持ってるのか、今度は俺になんか話しかけてくる。
とはいっても「ウオイエアオウオワぁ」って言葉で全く理解不可能なんだが。

鉄男の弟の会話を途切れさす、いいチャンスと思ったのか、俺にお母さんが話しかけてきた。
「ご免なさいね、うるさくて」。
あなたみたいな綺麗な方に丁寧にそう言われて、「ガキを黙らせろ」って言える男が世の中に何人居る?
まぁこの女の人はそれをわかった上で言ってるんだろうけど、許す。(俺は美人に弱い)
「イエイエ大丈夫ですよ」なんて当たり障り無い返事をして、子供に対してニッコリ笑ってあげる。
普通なら「かわいらしいお子さんですね」とか「いまいくつですか?」とか「お名前は?」って
聞いてあげるんだろうけど、そこ迄俺は優しくないし、人妻に興味は無い。

そんな不毛な会話してるうちに、義理の弟は会話が途切れたので仕方なく違うシートに座ってた。
携帯(スマホ?)をいじくってる。
あぁ、何とか成功。ようやく静かになった。
これでようやく寝れる。

電車が淡路に着いた。
またもや気がついたら義理の弟君、又、お義姉さんの横にきて話しだしやがった。
どうやらただ携帯を触ってた訳じゃなくて、途切れる前の会話で言ってた特別列車「きょうとれいん」を調べてたみたいだ。
予約が取れるかどうかとか、シート構成がどうなってるとか、いつ走ってるとかを熱く語ってる。
お義姉さん、「またか」ってちょっとウンザリ風に返答してる。
凄いな、ここ迄空気が読めない、いや、空気を読まない人種だったのか、鉄男は。
オタクを侮ってたたわけじゃないが、ここ迄とは・・・。

御免ね。俺、役に立たなかったね。

鉄男君をはじめ歴女、オタク、マニア、阪神ファン等が熱く語るのにはやっぱり勝てないのだね。
ずっと長年蓄積してきたパソコンや資料、経験で集めた膨大な知識を、機械があればただ語りたいだけなんだね。

今回は俺の負け。
恐るべし鉄男&オタク。

でも、言っておく。君の淡い恋は絶対に成就しない。
だってフリテンリーチだもの。
絶対上がれないもん。
アニメか、AVにしか義理の姉との恋は無いって事に早く気がついてね。
君が扇町で先に電車降りて、電車が動く迄見送ってるのに観えてないフリされてた事に気がついてるか?
もし、気がついていながら、づっと手を振ってたのなら尊敬してしまいそうだ。

頑張れ。










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