GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

富士山を軽装で登るアホ

2019-05-27 05:45:45 | Talk is Cheap
人はなぜ山に登るのか。
いや、「そこに山があるからだ」って有名な言葉くらいは俺も知ってるよ。

山頂で清々しい空気が吸いたいとか、見晴らしのいい景色が見れるとか。自分へのチャレンジとかもはや修行のような人もいる。山で食う飯はうまいって人もいるだろう。まぁ、人それぞれだ。
俺はしんどい思いをして登っても、あとはどうせ下りなきゃいけないのになぜ登るって思ってしまうのだがね。まぁ、そんなこと言ったら、どうせ腹一杯食べても数時間後にはお腹がすくのになぜ食べるとか、人間いつかは死ぬのになぜ・・・なんてのと一緒で、頭で考えたらダメなんだろう。

老若男女、山登りはブームだ。といっても釣りやゴルフと一緒で、やる人はやるしやらん人はやらんコアな世界。まぁ趣味や道楽の世界はそういうものだ。
雪山や険しい山を制覇する本格的な“登山”をする人。トレッキングとかハイキングの延長の人。老人会や町内会などの娯楽登山。中には走って駆けずり回ってタイムを競うようなトレイルランなんて人もいる。アウトドアの一環で山で飯食ったりテント張ったりするのが好きなキャンパーもいる。



「家に帰るまでが遠足です」
俺たちのガキの頃の遠足では常套句のように言われてた言葉(おやつは300円以内=バナナはおやつに入りますか?)。
無事帰ってこなければいけない。つまり、行動は無理するな、そして家に帰るまで気を抜くなである。

「来た時よりも美しく」
旅の恥はかきすてなど論外。自分の出したゴミはもちろん気がついたゴミも一緒に持って帰る。
サッカーの国際試合などで日本人サポーターのゴミ拾いなどがクローズアップされ賞賛されたりするが、あれは学校教育の一環として行われる遠足という行事によって培われたものだ。

しかし、5月20日に富士山に登って、救助を要請しときながら、勝手に山を降りて捜索隊に連絡もしなかったって不届きものがいる。
この登山者が日本人であるのか観光客なのかはニュースではわからない。どこの報道も実名さえ出していないから。

20日午後4時頃に警察に救助を要請したのは20代男性。
「疲れて動けない」と通報してきたそうだ。

富士山は山開き前。富士山の夏山期間は3ルートとも例年7月上旬〜9月10日。この期間外でも登山はできるそうだが、環境省・静岡・山梨による協議会において発行されるガイドラインを守らなければいけない。
その中には「万全な準備をしない登山者の夏山期間以外の登山禁止」としっかり書かれている。この男は軽装だったらしい。まぁ読んじゃぁいないんだろう。
しかも登山予定日1週間前までの提出義務である「登山計画書」の提出もしていない。

最近のブームで、ルールを守れんやつ(知らないやつ・マイルールで動くやつ=山には不適合なやつ)や、山を舐めた格好(山ガールと呼ばれる人の方がよっぽど準備万端)のやつでも登山する。
自業自得と違うん?て思ってしまうけど、案の定こいつはそれで疲れただの動けないだの、助けを呼ンダみたいだ。

問題はここからだ。
救助要請を受けて山岳救助隊6名が午後9時半頃まで富士山8合目付近を捜索したが発見できず。天候不良もあってその日は捜索を打ち切ったそうだ。
捜索の間もその後も警察は10数回電話を入れたそうだが繋がらなかった。
しかし10時半頃に警察にようやく連絡が入り、なんとこいつは自分で下山して東京都内の自宅に戻っていたそうだ。なぜ連絡一つも入れん。お前のために危険を帰りミス救助隊が動いているというのに。

救急車をタクシー代わりと勘違いしたように簡単に使う奴が一時期問題になったが、それ以上にタチが悪い。
こいつは何様だ?
必死に捜索してくれてる救助隊の人たちのことなんか全く考えていない。軽装で登山計画も出さないで登ってるようなやつだから、もはやこんなことなど「なにそれ?」ってくらいモラル欠落してるやつなんだろうけどさ。



救助の場合(どこらへんにいるかわかってる)は、見つかるまで捜索をする。遭難の場合(どこにいるかわからない)は、期間を決めて捜索する。行政の捜索には費用請求はされないそうだが、その後に民間の捜索隊が出動した場合は捜索費用の請求はされるそうだ。
山で遭難したり救助要請した時、
1-安全な場所(または分かりやすい場所)、2-そこから動かない、3-体温やエネルギー確保、4-指示に従う
こんなのは山登りの常識以前の問題だと思うのだが。そんな常識さえ持ち合わせてないなら、遭難しても救助など呼ぶなよ。

こいつは捜索費用・お金を払うのが嫌で勝手に降りたのか?よくわからん。
アルピニストの野口健さんも「アイゼンも持たず・・・。何考えてるんだ。救助要請をしておきながら・・・無神経な。罰金をとる手段はないがペナルティは必要」と語られてたが、ほんまそう思う。こんなやつは絶対実名報道しなあかんし、実費全て請求すべきだと思う。山岳救助隊に無償で動けって言ってるようなもんだもの。早急にルール変えないと、今後、こんな安易な考えの登山者(もどき)が後を絶たないがする。



富士山は日本を象徴する山だ。浮世絵をはじめ数々の絵画や写真に収められ、日本人ならまず富士山を知らない人はいないだろう。日本で現在一番高い山だ。戦時中までは台湾にある新高山(ニイタカヤマノボレの暗号で有名ね)の方が高かったが、3776メートルの壮大なる山だ。山梨県と静岡県にまたがってるが、突起(宝永噴火の跡)があるかないかでどちら側から見た景観なのかわかる。ちなみに山頂はどちらの県のものでもなく、浅間大社の私有地だ。

5月22日には山梨県富士市で、富士山登山者の安全祈願と遭難して亡くなられた方の慰霊の式典が開かれた。
記録によると1956年以降富士山で遭難して亡くなられた方は317人。今年の5月11日にも山開き前の富士山に登りスノーボードをしたバカ(群馬県の男性)が死んだらしい。318人目に無らんで済んだことをこいつはもっと感謝すべきだな。



静岡市では同じく5月22日に、富士山の麓に広がる三保松原の景観を守るために、今年初めて導入したドローンによる松林への農薬散布が行われた。マツノマダラカミキリという松枯れの原因となる害虫駆除。富士山と同じく世界遺産と認定された場所を守るためにいろいろやってはる。なのに一方では、世界遺産だからといって軽々しく富士山に軽装で登ろうとするアホもいる。

2013年に世界遺産に認定されたことで、以前にもまして観光(登山)客が増えてていろいろ問題になっている。登山道、山小屋、ゴミ問題、大挙押し寄せる登山客による様々な問題。ご来光前の頂上付近は渋滞が当たり前のようになっている。これはエベレストでも同じだけどさ。世界遺産だからと言って観光施設かななんかと間違えていないか。5月でも8合目あたりじゃまだまだ残雪もあるぞ。山男じゃない俺が言うのもなんだが「山をなめるな」。

こんな状態になっているのに山梨県はちょっと何考えてるかわからない。
同じく22日に「富士山登山鉄道」の勉強会を東京都内で開いた。富士山の鉄道登山構想は1920円頃から繰り返し打ち出され、その度に打ち消されてきた。はっきり言って誰も望んでない。今年1月に初当選した長崎幸太郎知事や観光団体は意欲的だそうだ。

現在年間400万人が訪れるという富士山は、富士五合目まで車で登れる。この富士スカイラインに鉄道を敷こうという計画。この計画はもともと「ハイヒールで日帰り登山」と、いかにも行政が思いつきで発案したような計画。
悪いことは言わん。やめとけ。
霊峰と呼ばれる富士山を、一時期の軽井沢みたいにしたいのか?今の京都や鎌倉みたいに訪日観光客で溢れさせたいのか。お前たちの狙いは金か?どっちにしてもろくなことにならんぞ。

世界遺産を認定するユネスコでの、富士山の登録継続には登山客の混雑解消も含んでる。
あの世界最高のエベレストでさえ、山頂付近での渋滞が問題視されてる。


(APF通信の報道画像を引用)

ユネスコに対し夏山期間の1日あたりの登山対象人数を、山梨県側吉田口では4000人以下、静岡県側富士宮口では2000人以下としている。
この計画は鉄道を敷いても守れるのか?来年の12月までには保全計画及び結果の報告もしなけりゃならないのに。ただの観光客に富士五合目からの景色を見せたいのか。

富士山嶺にはキャンプ場もある。朝霧高原や田貫湖あたりのキャンプ場とかね。東京ドーム5個分ほどある某キャンプ場では、似非キャンパー達が自然を感じ、バーベキューを楽しむのだそうだ。ネット予約もできるそうで、当日飛び込みだと対応できないくらいの客で溢れてるらしい。にわか登山者とにわかキャンパー。どちらも増えていってる。それを見込んで整備したりする富士市とか、ほんま大丈夫か?



韓国人が大挙押し寄せる対馬では、ついに「韓国人お断り」の張り紙が出た。ルールやモラルを守れない報日客が増えたり、地元のキャパを超えてしまうくらいの客が押し寄せるとどうなってしまうのか、各自治体は明日は我が身と勉強されたほうがいい。

年間5000万の観光客でごった返す京都では、すでに地元民がバスも乗れない状態。神社仏閣も老舗の街並みも風情もへったくれもなくなりつつある。看板や橋の欄干に落書きをして「これはアートだ」などというアホなオーストラリア人はやっぱり逮捕した。こいつはお茶屋街の店舗や民家にまでスプレーで落書きしてた。見せしめに禁固100年とか死刑でもいいかもしれない。



奈良では小鹿に不用意に触る観光客に注意啓蒙が出された。小鹿に不用意に触ると人間の匂いがつき、それを拒否して親鹿が子育てをしなくなるそうだ。奈良公園周辺にいる鹿は家畜ではない。あくまでも野生の動物だということを観光客はわからない。ちなみに奈良は2017年度の宿泊客は280万人。うち外国人韓国客は33万4千人。宿泊は国内の修学旅行生の方が圧倒的に多いのだろう。っていうか奈良にホテルが少なすぎるんだけどね。

滋賀県は2017年度53万人だった外国人観光客を、今後もっと増やすためにアレヤコレヤまだ考えてるらしい。

大阪ではインバウンド観光客に地元民はもう愛想が尽きてしまってる。心斎橋も難波も黒門市場はもはや誰も地元人はいかない場所になりつつある。

東京のアメ横も外国人だらけだそうだ。昔から外人は多かったが今や客は6割外国人らしい。それ以上に外国人経営の屋台や店などが増え、営業マナーなどでクレームだらけだそうだ。

鎌倉などでは、江ノ電の混雑時、住民優先乗車ができるように実験が始まった。ついに「小町通り」周辺では混雑したところでの飲食食べ歩きは禁止条例が出された。
京都の錦商店街でも同じく食べ歩き禁止の啓蒙がされ始めた。伏見稲荷の神幸道でも露店の出店制限がされ始めた。
食べ歩きによるトラブル。そこらで座って食う=邪魔。ゴミのポイ捨て。食べ物の匂い。昔の祭りの縁日では当たり前だった光景が大多数になってしまうとこうも問題になってしまう。

屋久島では天候不良でもツアーを敢行した300人以上が下山できなくて孤立した。
それでも箱根山の敢行関係者は、火山の噴火警戒レベルが上がるたびに「せっかくの稼ぎどきなのに」と嘆く。



さぁ、富士山。
どちらを選ぶ?
観光の収入をメインにするか、霊峰としてのプライドで存続させるか。








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