GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

下町ロケット 徳重聡の怪演

2018-12-04 07:52:19 | MUSIC/TV/MOVIE
前回、いろんなドラマにまたがって出演してる俳優について書いた。
そんな中でひときわ異彩を放つ俳優がいる。
『下町ロケット』の徳重聡。

阿部寛社長の意思を慮り、何かと熱く一丸となって困難に立ち向かう佃製作所において、一人唯我独尊な軽部真樹男を演じる徳重。
『オロナミンC〜21世紀の石原裕次郎を探せ!〜』で5万人の中から選ばれた好青年とはとても思われないほどの怪演。
安田顕演じる技術開発部部長のもとで、竹内涼真や朝倉あきが「やるぞ〜」とか必死になっても「定時ですから帰りま〜す」とか「昼ごはんの時間だ」とかマイペース。ゆとり世代とかではない。労働基準法に忠実なのかシビアなのかわからないが、何を言われても馬耳東風。



今回の下町ロケット・ゴースト編で登場し、1,2回目と視聴者にインパクトを残した。
愛想なぞ全くない彼が、阿部寛や周りのみんなに感化され、そのうち熱い男に変わるのでは?なんて考えてたが、期待を裏切りしばらく出てこなかった。いや、正確には出てたのだが、あの強烈キャラは封印されてて、ただの従業員と一緒の扱いだった。

前回に引き続き、相手側の弁護士で執拗にいやなキャラのピーター(池畑慎之介)。裁判で負けて悔しがり髪をかきむしるシーンは圧巻。
援助を申し出てくれて裁判に勝てたのに古舘伊知郎にそそのかされ平気で佃製作所を裏切る尾上菊之助。
共同経営者であるはずの尾上菊之助にあっさり切り捨てられたイモトアヤコの設計を全否定する高橋努。
帝国重工の社長(杉良太郎)の座を狙う神田正輝。
神田正輝のご機嫌とりをし、吉川晃司を敵視する福澤朗。
森崎博之の技術を盗んで、さも自分が開発したように振る舞う甲本雅裕。
親の意思を継いで農業を営む立川談春が組合に参加しないからと、執拗に嫌がらせをする古川雄大。

毎回これでもかというくらい嫌な奴が次々と出てくるドラマだから、もう嫌味キャラ必要ないと思われたのかは知らないが徳重聡はしばらく影が薄かった。
特許侵害裁判のキーワードになる、イモトアヤコが昔参考にしたという論文を、大学の資料室で探す時も普通に参加してた。



「なぜ出ないの?」「もっと出して」「彼を見たい」という視聴者の声があったのかなかったのかわからないが、ヤタガラス編のここにきて復活。

どんなにみんなが熱くなっても定時で帰る、12時になると昼飯を優先するキャラ設定はそのまま。



だけど、ちょっといい奴になっている。
朝倉あきが立川談春の田んぼで採れた米で握ったおにぎりを持ってくると、それを食べたがる。物欲しそうに眺める。勧められると貪るように食べるその姿。なんだツンデレじゃんって感じで微笑ましい。

帝国重工と無人農耕機の開発で張り合い、古館・尾上・甲本たちがダーウィンプロジェクトとして「下町」をアピール。
これこそ悪者って感じで料亭で宴会してたりするのだが、過去の世良公則、小泉孝太郎などに比べると小物感が漂う。



「ダーウィン」お披露目会として開かれたような、農業機械の展示会『アグリジャパン』で帝国重工の無人農業ロボット「アルファ1」は完膚なきまでに敗北をするのだが、その会場にも徳重はちゃんと参加してた。



うーん、いいキャラだ。つい画面で彼がどこにいるのか、どんな表情をしてるのか探してしまう。
このドラマをそんな見方をしてるのは、多分俺だけじゃないだろう。いや、俺だけだったら嫌だな。
でもさ、こんな怪演ができる役者はそうそういないよ。佐野史郎や豊川悦司以来だな。

日曜日は徳重聡から目が離せない。





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