面白いドラマが始まった。【妖怪シェアハウス】。
8月1日に始まったこの深夜ドラマは、まぁ、簡単に言えば、小芝風花が妖怪たちとシェアハウスするお話だ。
なんのこっちゃって感じだが、まぁ、観てくれ。面白いぞ。
小芝風花のハッチャケ演技がさらにパワーアップしてるぞ。
『特撮ガガガ』や『美食探偵』と、彼女はコメディドラマをやるたびに成長してるぞ。
彼女のようなコメディアンヌは希少だ。頑張ってほしい。
松本まりかや大倉孝二など共演者も好き勝手楽しそうにやってるぞ。
今、人気のシェアハウス。
海外では当たり前だけど、日本ではなんか寝付かない感じだ。あんて思ってないか。
昭和50年頃、田舎から出てきてた大学生(受験生)は下宿生活してたんだよ。大家がいて飯(まかない)付き。高橋留美子の『めぞん一刻』とかイメージしてくれたらいいかも。あれは今でいうシェアハウスみたいなもんだ。
ただ、今のシェアハウスはもっとオシャレで洗練されてるイメージだけどな。基本は間借りだ。
このドラマで小芝風花がシェアハウス(っていうかころがりこむんだけど)するのは、名バイブレーヤー6人とかではない。したがって、どこまでが現実でどこからかドラマなのかの境界線が曖昧な話ではなく、あくまでもフィクション、作り物、創作話である。
シェアハウスの住人はテレビ局が集めた若い男女でもない。したがって、洗濯もの諍いからの暴言でネットで誹謗中傷されることもないだろう。
小芝風花がシェアハウスするのは、お岩さん、ぬらりひょん、酒呑童子、座敷わらしだ。
はい、ここでお気付きの通り、このドラマ、タイトルに偽りあり。
ぬらりひょんは妖怪のボス(頭領)と呼ばれるくらいだから紛れもなく妖怪だが、座敷わらしは神様、酒呑童子は鬼、お岩さんは幽霊(おばけ)だ。3人(?)は妖怪ではない。これじゃ【もののけシェアハウス】だ。
じゃぁ、妖怪って定義は?なんて書き出したら、それこそ本が一冊どころか何冊もかけちゃうくらいだし、地方によっては呼び名も扱いも違ったりするし、それこそ水木しげる先生や小泉八雲さんに登場してもらわないといけなくなってくるから、まぁ【妖怪シェアハウス】でいいや。
さて、ここから先はいつものようにネタバレ含みますので、「じゃぁ観ようかな」と思ってる人、「録画してまとめて(週末に)観る」なんて人は読まないでね。
第1話冒頭、いきなり小芝風花がスーツケース(ピギーバッグ)持しながら、胡散臭そうな2人の男から走って逃げるシーンから始まったから、『MIU404』の第4話とデジャヴ感あったよ。
小芝風花はダメ男と付き合ってて、その男に言われるがまま貢ぐために借金までして、ついに家賃払えなくなり家を追い出され、借金取りに追われてるのだった。
で、その彼氏(柾木玲弥)の部屋まで行って助けを求めるが、部屋には別の女がいてあしらわれ追い返される。セカンドの都合のいい女、金ヅルとして利用されていただけだったことに気づかされる。もうボロボロだ。
失意のまま倒れてしまった小芝風花を四谷伊和(お岩さん/松本まりか)が助けて自分たちの住む家に連れて行き介抱してくれた。
そこでは管理人の和良部詩子(座敷わらし/池谷のぶえ)、オークション会社に勤める酒井涼(酒呑童子/毎熊克哉)、弁護士の沼田飛世(ぬらりひょん/大倉孝二)が一緒に住んでる。
夜中、今日はお泊まりさせることにした小芝風花が寝た頃、4人(?)は素の姿で「もしバレたらどうすんだよ」って言い合ってる。夜中に目が覚めた小芝風花が見てしまうが気絶。そりゃ、そうだわな。
松本まりか(お岩さん)は、小芝風花の話聞いて自分の境遇と重ね、親身になり、復讐してあげることにする。
お岩さんといえば、あの「四谷怪談」の悲劇のヒロイン。日本を代表するおばけだ。
愛する夫・伊右衛門(お茶じゃないぞ)に尽くしてたが、良縁談を持ちかけられた夫がお岩を邪険に扱い毒を飲ませて・・・って話は知ってるだろう。
だから、小芝風花をいいように騙して金を巻き上げて都合が悪くなったらポイする男(柾木玲弥)が許せないと思ったんだろう。
この復讐劇のドタバタは、松本まりかならではの出来。色っぽい&あざとさで男の心を落とす。さすがだ。俺でも落ちる。家までついていく。間違いない。
家に連れ込んで酒飲みながら話を聞くたびに柾木玲弥のクズっぷりが暴露され、ついには怒りのあまりに本性発揮。お岩さんの姿になった松本まりかに驚く小芝風花は憑依され、なぜか池谷のぶえの歌に合わせ、うらめしやのポーズで一緒に踊る。チューチュートレイン。もはやカオス。意味わからんが、わからなくていい。可愛いから許す。
ちなみに誰もが知ってるおばけ/幽霊の「うらめしや〜」って言葉は彼女(お岩さん)のセリフだ。
今回松本まりかは腫れた右目を隠すように眼帯をしているのだが、あれは『M』の田中みな実に続く気かな?
眼帯なのだが、それがどう見ても死装束で普通は頭につける三角の額烏帽子(頭布/神隠し)なのよね。また、それがオシャレな柄なの。第一話だけで4種類の使い分けしてた。手作りマスクじゃないんだからさ。
岩谷のぶえさんもいいよね。
今回は管理人役(座敷わらし)だけど、彼女の作る料理はいつも美味しそうだ。こんな座敷童子なら是非我が家にも来てほしい。いや、料理作らなくてもいいからさ、ただ居てくれたらいい。
そして彼女はエプロンが似合う。
小嶋陽菜(当時AKB48)主演の『めぐたんって魔法使えるの』でも下宿(シェアハウスだね)の管理人/大家のお嬢を演じてた。(福田雄一監督作品では「勇者ヨシヒコシリーズ」「今日から俺は !!」にも出てる)
『執事・西園寺の名推理』での、上川隆也と共にに奥様に仕えるメイド長も印象的だね。
エプロンがこれほど似合う現代人は池谷のぶえさん以外はそういないぞ。
酒呑童子の毎熊克哉さんや、ぬらりひょんの大倉孝二さんの出番はまたこれからいっぱいあるんだろう。
楽しみだ。
酒呑童子は御伽草子に出てくる鬼だ。安倍晴明とかも関わってくる。源頼光とか渡辺綱ってとか出てくるのだが、酒飲ませて寝込み襲ってって全然フェアじゃないの。
だからかな、桃太郎にしても金太郎にしても、鬼を成敗した話って昔からなんか嫌いなのよね。
ちなみにどうでもいいことだけど金太郎=坂田金時(坂田公時)は頼光四天王の一人だが、マサカリ持って熊にまたがってた馬鹿としか思ってないから。
この話はどう今回絡んでくるのかな。
ぬらりひょんを大倉孝二さんが演じるのは、いかにもって感じで適役だ。似合いすぎ。
あの飄々とした感じは、ぬらりひょんの「あれ?確かそこにいたような気が・・・」って感じと一緒だ。あったことないけど。
でもさ、なんでぬらりひょんって、妖怪の総大将なんだろう。つかみどころがないからか。
実はフリーザのように「私の妖力レベル(戦闘力)は53万です」とか、形態を変えたら強くなったりするのかな。
コロナ禍で、アマビエがブームになったが、日本は妖怪の国。
一反木綿、塗り壁、ろくろっ首、砂かけばばあ、こなき爺・・・、どうも『ゲゲゲの鬼太郎』のおかげいうか、せいというか、妖怪ってなんか人間の敵っていうより、仲間って感じだよね。
各地の河童とか天狗もそうだものね。
日本全国その土地土地で、神様とか仏様の話と同じくらい、鬼とか妖怪とか幽霊の話があるもんね。
そう考えたら『妖怪人間ベム』は、日本ぽくないのよね。なんか西洋の話っぽい。アニメの絵柄もそうだし、実写版でも亀梨(ベム)杏(ベラ)福くん(ベロ)も外国っぽい風体だものね。
ちなみに妖怪のことを知りたければ、『妖怪の飼育員』(藤栄道彦)という漫画がお勧めだ。
まぁ、『地獄先生ぬ〜べ〜』でも『うしおととら』でも『夏目友人帳』でもいいんだけどね。
次週はお岩さんと並ぶ日本で有名なおばけの一人、番町皿屋敷のお菊さんも登場するぞ。
何回数えても皿が足りなのかな。
悲しい話は嫌だなぁ。
途中は暗くてもいいけど、第1話みたいにスカッとしたエンディングにしてほしいな。
次週ももちろん観る。
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