徳丸無明のブログ

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ブルボン チョコあ~んぱん

2021-05-01 23:27:11 | 
今回はアンパンではなくあ~んぱんです。




あんこが入ってるのかと誤解されがちでしょうが、「はい、あーん」の「あ~ん」であって、中身はチョコです。
外側がパン生地みたいにやわらか。洋酒がふわっと香ります。
「俗流若者論」というのがあります。よくご年配が「近頃の若者は」なんて説教垂れますよね。そんな、「今の若者は〇〇だ」っていう定言。たとえば、今の若者は冷たい・お金を使わない・常識がない・コミュニケーションが取れない・仕事をすぐ辞める、など。
それら若者論は、正しいものもありますが、正しくないものもある。なんの根拠もデータもなく、年配者本人のなんとなくの感覚だけで決めつけられている、誤った若者論のことを「俗流若者論」と呼ぶのです。
今回はそんな俗流若者論の話。
だいぶ前のことですけど、夕方にテレビを観ていたら、地元のニュースが流れていて、とある古本屋さんのドキュメンタリーみたいなコーナーがあったんですね。それは福岡市内にある、マンガは一切扱ってないタイプの、個人経営の小さな古本屋さんでした。長年夫婦で経営しており、年老いた白髪頭の主人がインタビューに答えていました。
途中で、「〇〇さんは、今の学生はほとんど本を買わないと言います」というナレーションが入りました(「〇〇さん」ってのはご主人の名前ね)。そこから店主の若者に対する批判が始まったのです。正確な言葉は覚えていませんが、「昔の学生はよく本を読んでいたものだが、今は本を買いに来る学生がいない」という意味の発言をしていました。
その古本屋は学生街にありました。すぐ近くに大学のキャンパスがあり、つねに大学生が付近を歩いている、という環境下の古本屋さんなのです。
ですから、昔と比べて本が売れなくなったのであれば、「今の学生は本を読まない」という意見は正しいように思えます。でも、そうじゃないんですね。
僕はその古本屋さんに行ったことがあるんですけど、とにかく品揃えが悪いのです。ずっと昔の古い本、しかも古いだけでほとんど価値のない本ばかりが置いてある。おそらく目利きやら仕入れやらを一切せず、持ち込まれた本を買い取って並べるだけ、を繰り返してきたのでしょう。
経営のことを考えるなら、古本市で仕入れを行ったり、売れそうにない本の買い取りは断ったり、長年売れない本を処分したりするものです。そこの主人は、そういう経営努力をせずにここまできたのでしょう。そうとしか思えない品揃えでした。
しかもその店は、本が整理も分類もされていなかったのです。普通は本をジャンルごとに分類し、著者名の50音順に並べるものです。しかしそこの店は、ジャンル分けもされておらず、50音順にもなっていなかった。すべての本棚がごちゃごちゃになっていました。しかも、平台や床の上に本がうず高く積み上げられていて、その積まれた本が本棚を隠していたのです。とにかく利用しづらいというか、本を捜しにくいことこの上ない店なのです。
そんな事情を知っていた僕は、「何が学生は本を読まないだ!てめーが経営努力を怠ってきたから客が離れていっただけだろうが!自分の店がダメなのを若者のせいにするんじゃねーよ!」と思ったのです。
何よりおかしいのは、「自分の店の本が売れない=学生は本を読まない」という安易な結び付けです。認識が狭くなりすぎたせいで、自分の店の本だけがすべての本だと思い込んでしまったのでしょうか。
その個人経営の古本屋の近くにはブックオフもありました。学生はそちらでなら活字の本を買っていたはずです。古本ではなく、新品の本を買う場合だってあったでしょう。
昔ながらの古本屋を称揚し、ブックオフを悪く言う人も世の中にはいます。たしかにブックオフにも問題はあるのかもしれませんが、使い勝手は抜群にいいのも事実。
くだんのニュース番組は、昔ながらの古本屋に肩入れしたいあまりに、お年寄り(店主)の間違った社会認識を無批判的にたれ流してしまっていたのです。
皆さんも俗流若者論には気をつけましょう。なんとなくの肌感覚ではなく、データを重んじることを忘れずに。


ここで新型コロナウイルス関連身辺ニュース、ではなく雑感。
何気に流行ってるコロナ関連用語「人流」。小池都知事発でしたっけ?
これまでのコロナ対応を振り返ってみてわかるのは、小池さんやら吉村さんやら、良くも悪くも空気を読まない人たちの力技によって事態が大きく進展してきた、ってこと。対照的なのは「旧い自民党的なるもの」に固執してる人たち。とにかくひたすら空気を読み続け、できるだけ変化を起こさないようにする。ことを起こすより起こさないこと、変えるより変えないことに執着する。それが旧い自民党的なるものです。
そんなマインドが今回のコロナ禍のような状況にあたっては不適当であるのは明らかです。変異種が発生したり、地域ごとに波が来たり、事態が日々変化する。しかもそのすべてが未知の出来事。
そんな状況において、すばやい変化をよしとしない政治では対応が追いつきません。ですから結局、旧い自民党とは相対する政治家がイニシアチブを握ることになる。
ただし、それが必ずしもすべて成功を収めるわけではありません。小池さんも吉村さんも、いくつか失敗しています。
しかし、その失策を補って余りある成果を上げている。彼らがコロナ対策を大きく動かしているのです。
コロナの鎮静化だけでなく、政治全体に影響を及ぼして、「旧い自民党的なるもの」を一掃してくれないかな、って思うんですけど、さすがにそこまでは期待できないでしょうね。