徳丸無明のブログ

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森永製菓 ザ・クレープ

2024-10-11 23:51:04 | 
今日は王道の小麦粉包みです。




いいか、これがクレープなんだ。クレープとは何かといったら、つまりはこれなんだ。だからこそザ・クレープなんだ。クレープ食いたきゃこれを食え。アイスかどうかは気にするな。
そう、アイス。アイスと言えば、アイス絡みでうっかり犯罪者になるところでしてね。
どーゆーことかと言うと、ちょっと前に近所のスーパーでハーゲンダッツを買ったんですね。ハーゲンダッツのミニカップ。ほかにも、ペットボトルの炭酸ジュースとか、お菓子とか買ったと思います。
セルフレジが導入されてるスーパーでして、そっちのほうが早いんで、セルフで会計しました。バーコードを読み込みながら、お箸とかストローとか、持ち帰りできる使い捨て食器の備え付けコーナーを見ました。
すると、ハーゲンダッツ用のスプーンがありませんでした。ハーゲンダッツには、専用の白いプラスチックスプーンがあるのです。
ほかの人が全部取ってしまったのかと思い、近くにいた店員さん(セルフレジの見張り役の人)に、スプーンはないかと尋ねました。
そしたら、「もうハーゲンダッツのスプーンは製造されてない」という答えが返ってきました。
なんということでしょう。SDGsなのか、時代の流れなのか、使い捨てのプラスプーンは廃止されてしまったのです。
僕はそのスプーンでハーゲンダッツを食べるのが好きだったので、けっこうガッカリしました。なんか、雰囲気ってあるじゃないですか。同じものを食べるにしても、雰囲気のある食べ方したほうがおいしく感じるっていうのが。
僕にとっては、ハーゲンダッツの白スプーンがまさにそれだったんですよね。だからなんか、楽しみがひとつ失われてしまった気がして。
でもまあそうか、そうなったのであれば、受け入れるよりほかしょうがないと、気持ちを切り替えました。
そして、アイスが溶けないよう早く帰ろうと、レジ袋を掴んで出入り口のほうを向きました。
すると先程の店員さんが、「お会計がまだです!」と呼び止めてきました。
とっさに意味がわからず、「え?」と訊き返すと、店員さんはセルフレジを指さしながら、「お会計が終わってません」とおっしゃいました。
そこで「あっ」と気がつきました。バーコード読み取りを終え、商品をレジ袋に詰めていましたが、最後の支払いだけ終えてなかったのです。ハーゲンダッツのスプーンについて店員さんと話をしているあいだに、なんとなく、もう支払いをし終えたつもりになっていたのです。
あわてて「ああすみません」と言いつつ入金しましたが、店員さんがすぐに気づいてくれて本当によかったと思いました。気づかれなかったら、万引きになっていましたからね。スプーンについて会話しておきながらの、堂々とした万引き。危ないところでした。
それはそれとして・・・ハーゲンダッツのプラスプーン、時代に逆行して復活してくれ!

そんなふうにギリギリで今日も生きているうっかり犯罪者未満の僕ですが、同じスーパーで、万引きの瞬間をリアルなフェイスで目撃したこともあります。
夜でしたかね、とある日の買い物中、ひとりのおじいさんの様子が、ふと目にとまりました。80くらいで小柄の、いかにも高齢男性といった服装のおじいさんです。つねにほがらかだけど、あまり学がないタイプのようでした。
おじいさんは、日本酒のワンカップを両手に1本ずつ持っていました。ワンカップの両手持ちで歩いていたのです。
それくらいなら、わりとあることです。なぜ僕はおじいさんのことが気になったのでしょうか。最初は自分でもよくわかりませんでした。
何気なく見ていると、おじいさんはおもむろに、2本のワンカップを上着のポケットに入れました。もちろん会計前です。
すぐそばにいた店員さんが近寄り、おじいさんに声をかけました。離れていて聞こえませんでしたが、「会計前の商品は外に出しておいてください」などと言ったはずです。
僕はおじいさんの行動から目が離せなくなりました。おじいさんは万引きをしようとしていたのか?それともうっかり天然老人なのか?
距離を取りながらおじいさんを尾行することにしました。気分は万引きGメンです。
よく見てみると、おじいさんから少し離れたところに、店員さんがピッタリ付いています。店員さんは仕事をするフリをしながら、おじいさんの動向をうかがっていました。
店員さんも万引きを疑っているのです。不謹慎ながら、がぜん盛り上がってきました。
おじいさんは相変わらずワンカップを2本持ちながら、お惣菜コーナーを物色したりしていました。途中でふと見失いそうになりましたが、おじいさんは出入り口のほう、レジ付近に近づいたようで、その辺にいた数人の店員さんの様子が、あわただしくなっています。ひとりの店員さんが、「行った行った」と言い、指さしたその出口に、ほかの店員さんが走り出しました。やはりおじいさんは、ワンカップを会計せずに店を出たのです。
僕もことの顛末を見届けるため、出口へと向かいました。すると、おじいさんを追いかけた男性店員さんが、すぐに戻ってきました。その手には、ワンカップを2本たずさえていました。
男性店員さんは、ほかの店員さんのもとへ戻っていき、一件落着といった雰囲気です。おじいさんを連れてこなかったということは、放免したのでしょう。
おじいさんは明らかに万引きをし、その現場を押さえたのに、商品を回収しただけで、捕まえはしなかったのです。
なぜそんな鷹揚な対応をするのか。一瞬不思議に思いましたが、すぐに答えが出ました。
おじいさんは、万引きの常習なのです。このスーパーで、何度も万引きをくり返しており、前々から店員さんに目を付けられていた。
警察に突き出したこともあったのでしょうが、微罪なので逮捕されることなく、すぐに戻ってくる。そして、性懲りもなく万引きをくり返す。
万引き犯を取り押さえると、店員さんは、その対応に時間をさかれます。事務室に万引き犯を拘束し、警察を呼ぶ。警察が来たら事情聴取もあります。そのあいだ、最低でもひとりくらいは、ずっと対応しなければならない。そのぶん仕事ができなくなってしまうのです。
ある程度人員にゆとりのあるお店だったらいいでしょう。ですが、そのようなゆとりもなく、忙しい時間帯に万引きが発生したらどうでしょうか。
「また警察呼ばなきゃいけないの?めっちゃ時間かかるしめんどくせー!」ってなるはずです。
だからおじいさんを捕まえず、警察を呼ぶこともなかったのです。万引き常習者が万引きするたびに警察呼んでたら、膨大な時間をムダにしてしまう。だから警察は呼ばず、そのつど盗まれた商品を回収するだけにとどめることにしたのです。それがそのスーパーの取り決めだったのです。
おじいさんは、何度警察に突き出そうと、何度犯行の瞬間を取り押さえようと、またやってきて万引きする。スーパーの弱みに付け込んでいるのか。特に深くは考えておらず、ただお酒が飲みたいだけなのか。
お酒を買うお金を、本当に持ちあわせていないのか。万引きがクセになってる、クレプトマニアのようなものなのか。
詳しいことはまったくわかりませんが、とにかくおじいさんはくり返し万引きに訪れるのです。だから、店側は警察を呼ばなくなってしまった。
考え込まずにはいられませんでした。スーパーが気の毒なのは言わずもがなです。数回に1回は取り逃がし、盗まれてしまっているのかもしれませんしね。
でもおじいさんだって、何かしら苦しんでいるのかもしれない。クレプトマニアじゃなければ、アル中で、お酒を飲まずにはいられないとかですね。極度の貧困状態に置かれている、ということもありえます。
おそらくおじいさんは独り身でしょう。世話をしてくれる人がひとりでもいれば、万引きしないよう、なんらかの対処をしてくれるはずですから。
おじいさんが人間関係をすべて失い、社会的に孤立しているというのも、万引き常習の一因なのです。
これも現代社会の暗部のひとつ。どうしたらいいのでしょうか。