猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

マイケル・サンデルの訴え「働くことの尊厳」「共通善への貢献」

2025-02-24 18:14:16 | 思想

ちょうど1カ月前の朝日新聞オピニオン&フォーラムに、政治哲学者マイケル・サンデルへのインタビュー記事が載っていた。

とても懐かしい名である。私は、15年前にNHKの「ハーバード白熱教室」で彼の討論型講義に、夢中になった一人である。

今回のテーマは「働く尊厳を取り戻す」である。私は、まったく同意見であるが、これはほかの人になかなか伝わりにくい。多くの人にとって、「働くのは働かないと生きていけないから」である。

サンデルは言う。

「エリートが自分たちを見下し、〔自分たちの〕日々の仕事に敬意を払っていないという労働者の憤りが、〔昨年の大統領選での〕トランプの成功の根本にあります」

「〔新自由主義者〕のメッセージはこうです。競争に勝ちたければ大学に行け。どれだけ稼げるかは、何を学ぶにかかっている」

サンデルは、新自由主義者が、職によって格差を設け、働く人びとを侮辱しているというのである。

職に貴賤があってはならない。社会は色々な職の人々によって維持されているのだ。働くということは、それによって、みんながみんなとつながっているのだ。

私はNPOで多くの若者と接してきたが、彼らは、働ける場が見つかったとき、喜びに満ち自信を回復する。働くことで仲間ができるのだ。そして、自分が社会を支えていると実感できる。

サンデルは言う。

「自らを生産者と位置づけるとき、……、私たちは共同体の『共通善』に貢献する役割を担っていると気づきます」

今の日本社会っは『共通善』という理想を忘れている。