北の旅人

旅行や、ちょっといい話などを。そして、時には言いたいことを、ひとこと。

1956-「14歳の心象風景」<38>

2010-02-02 13:40:14 | Weblog

<作文> 
              
今年の元旦 
                      (S・M)

今年の元旦は、私にとっては今まで一番おもしろくない元旦でした。それは、去年の28日からカゼをひいて、のどを悪くしていたからです。元旦朝は、みんないっしょにテーブルにつきましたが、私は何を食べてもおいしくなく、のどに通りませんでした。

学校へ行かないかと思いましたが、妹が「元旦から学校を休んでいたら一年中休んでいなければならない」といいました。私は少しぐらい悪いのなら何でもないから学校へ行こうと思いました。

学校へ行くと大部分の人が来ていました。女の子は、みんなストーブのまわりにすわっていました。誰かが、急に思い出したように、「来年だね、早く行きたいね」というと、皆は「ほんとうに早く行きたいわ」といいました。そうしたら、誰かが又「アラ、修学旅行は来年ではない。今年だよ」と言うと、皆不しんな顔をして「アラ、そう言えば、今年だね」。皆はなんとなく笑いました。

そんな今年の空想をしていると、先生が来て皆な廊下に並びなさいと言いました。それから運動場に並んで行きましたが、運動場へ入ると一番先に目についたのは日の丸でした。国歌せいしょうなどが終って式が終わりました。

それから教室へ行って先生と新年のあいさつをして一年のいろいろなことについて話し合いました。それが終ってから、みんなは家へ帰りました。昼から、私は後藤さんの家へ行く約束をして来たのです。

家へ帰ってくると、どうも頭が痛いので、昼からは後藤さんの家へ行かないで、ぶらぶらしていました。母が出してくれるミカンもいつもならおいしいのだけれど、体が悪いと、とてもおいしくありませんでした。

その晩になり、晩ごはんになりましたが、私はごはんを食べませんでした。妹達が百人一首をしたいといっていました。私がいなかったら人数が足りませんので1回だけしました。それが終ってから私はすぐ寝ました。