青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-41

2021-03-18 14:51:04 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★3月17日の記事に、いいね!その他ありがとうございます。


読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

スーパー・マーケットの隅っこなどでWi-Fi拾い、インターネットの資料を調べたり、メールを送ったりしているわけですが、、、、。

『(マスクとワクチンを頼りに)新しい生活スタイルをめざして、皆で頑張りましょう!』
、、、みたいな場内放送が流れています。

「おもいやり」(集団的自己保身)と「科学文明」に則った、、、「新しい生活体系」の構築ですね。

あほらしくて、泣きそうになってきます

例えば、、、、ペットや園芸植物の存在。僕は否定はしません。それもありだと思います。しかし、肯定のみに終えるのも良くないことです。角度を変えて見れば、この上もなく残虐で、(個人や人類の)身勝手さの現れであるということも、また事実ですから。

常に同時に相反する事柄に対応しなければなりません。俯瞰的に、というのは、そう言う事であって、「コロナ」も「マスク」も、ある空気の次元においてのみ成り立っている現象です。別の大きな空気の次元から見れば、幻想あるいは洗脳の結果でしかありません。

我々が目指すのは、「(「マスク」や「ワクチン」に頼った)新しい生活」ではなく、“人類”としての、根源を今一度遡ってみること、ではないかと思うのです。

・・・・・・・・・・

少し前、中国武漢よりも先にヨーロッパかどこかで既に「コロナ」が発生してた、って記事ありましたね。
でも、その話題は、どこかに消えちゃったみたいです。

もとより、旧型コロナは昔からずっとあったし、新型の新型(異変株とか)も今後どんどんやってきます。
そんな当たり前の話が、皆なぜ分からないのだろう、、、。

頭が良いから分からないのか、頭が良いから分かりたくないのか。

そのほかにも消えてしまった注目記事。
➀「市販の緑茶にコロナ99%退治する成分」
②「そこいら中にウイルスうじゃうじゃいる(マスクしてたってほとんど意味ない)という指摘」

圧倒的に多く感染するのは若者です。昔も今もこれからも。
しかし若者はほとんど発症しない。
そして老人にうつす。
老人の死因(もとより若者より早く死ぬ)に手を貸す。
それだけです。
昔からの、自然の摂理です。

陰謀論と、取られてもいいんだけれど、「コロナ」騒動は、どうやら間違いなく、「香港デモの続き」(武漢ターゲットにして正義平和自由=取得権をアピール)ですね。「正義は勝つ」と。思ったよりも遥かに大ごとになったしまったわけですが。

言っとくけれど、中国の肩を持つわけじゃないです。中国が酷い国だってことは、誰よりもよく知ってるつもりです。でも、それとこれとは、話が別。

さっき、モニカにメール送りました(2人ともそれぞれミャンマーと関りがあるので)。僕は知能が低いので、こんなシンプルな事だけ想っています。

I am deeply saddened by the situation in Myanmar.
Justice is not one.
Even if they have different sensibilities and sense of values, I hope everyone to get along。。。

結局、日本という国は、
「趣味のルール」
「健康マニア」
とかの人々で成り立った、
(世界が羨む)美しい正義の国、という事なんでしょうね。

科学でウイルス退治する事なんて出来ません。出来ないことはないのでしょうが、その時は人間は人間ではなくなってしまっている。

・・・・・・・・・・・・・

付記

新しいネット情報。福井県議の人が「ワクチン接種は危険、陰謀である」という情報を発信しましたね。それについての僕の見解は、全く別に置いておくことにして。ネット民の反応は「一国の責任ある人間の非科学的な発言による扇動は許されないことである」という見解に収斂されているようです。では、「ワクチン」が「コロナ」から人類を救う、という“科学的な”方向性が、本当に「唯一の正しい選択肢」なのか? それもまた、ある意味“扇動(&洗脳)”ではないのか? と考えたことはないのでしょうか?





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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-40

2021-03-17 20:44:47 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★3月16日の記事に、いいね!その他ありがとうございました。

Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑱ [続] (四川省康定県~道孚県県境) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕







四川省甘孜藏族自治州康定県‐道孚県県境(塔公北方)alt.4100m付近 2009.7.24 (以下全て同じ)

おそらく、前回紹介した青花種と同じ、弯叶龙胆 Gentiana curviphylla=プライベート・ネーム「ベニヤクアオヒメリンドウ/紅葯青姫竜胆」)。

この2枚の写真を見る限りに於いては、前回に記した「雄蕊の葯と昆虫たちの関係」は、単なる偶然だったのかも知れない。ミヤマシロチョウ属の一種Aporia martineti、甲虫の一種(このあと花に辿り着いている)の来訪時とも、雄蕊の葯は紅色のまま残されている。ということは、前回(第38回/39回)の僕の「推察」は当たっていなかったことになる。まあ、不思議は不思議のまま残されていた方が良い。

Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑲ (四川省康定県~道孚県県境) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕
Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑳ (四川省康定県~道孚県県境) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕




今回の観察地の、康定県塔公(欧米人に人気のチベット集落の一つ)と道孚県八美との境の峠上草原では、前種(ベニヤクアオヒメリンドウ)を含め三種の小型リンドウを撮影した。

両種とも、萼片や茎葉の特徴から考察するに(コケリンドウと同一seriesに含まれる前種とは違って)少なく
ともコケリンドウの仲間(卵萼系Ser.Orbiclatae*)ではないが、前種と同じ場所での撮影ということで、ここで
紹介しておく(*注:第38回の冒頭部分の記述で『青=流苏系Ser. Fimbriatae/白=卵萼系Ser.Orbiclatae』
としたのは単純誤記、その逆が正しい)。

白花(プライベート・ネーム「ウデフトシロリンドウ」)は、藍白竜胆Gentiana leucomelaenaと同定して(後述のGentiana aperta开张龙胆のシノニムと考えることを別とすれば)まず間違いないだろう。

ピンクのほうは、(プライベート・ネーム「モモイロヒメリンドウ」)現時点でのチェック過程においては、外観の似ている匙叶龙胆 Gentiana spathulifoliaとしておくが、こちらは全く自信はない。

両者とも、全体的な形質は、最も一般的な小型リンドウ類の特徴を示していると言ってよい。茎は叢生。一茎に一花。目立つロゼット葉は無し。茎葉は小さく細く、立ち上がらずに茎に密着。萼裂片も反り返らない。

ということで、「中国植物志」では、「Gentiana leucomelaena(ウデフトシロリンドウに相当)」「Gentiana spathulifolia(モモイロヒメリンドウに相当?)」共に、ハルリンドウ(座生竜胆Gentiana thunbergii)やヒナリンドウ(水生竜胆Gentiana aquatica中国名は種小名の直訳で別に「水生」というわけではない)と同じ、「小龙胆组Sect. Chondrophylla」の「小龙胆系Ser. Humiles」に含まれている。

しかしながら、「ウデフトシロリンドウ」に関しては、“雄蕊の花糸の基半部が著しく太くなる”という他のどのリンドウも有していないと思われる極めて顕著な固有の特徴を持っている。にも関わらず、所属するsectionは分けられていないし(他の分類形質評価とのバランスを考えれば別組に置かれても不思議ではない)、seriesの段階でさえ、分けられてはいない(というよりも、その形質に関する記述自体がない)。

大きさや形や色とか、どの部分が何ミリから何ミリで、何個から何個あって、とか、、、細部については“これでもか”というぐらいに事細かな数値を示してはいるが、肝心のベーシックな部分には、ほとんど目を向けないでいる。それが中国の「最先端分類学」なのである(日本も似たようなものだけれど)。

雄蕊の花糸に関する記述も「花丝丝状锥形」と極めて簡単に記されているだけだ。「糸状」でかつ「錐形」ということは、一応「先細りの紡錘形」を示していることになるのだと思うが、他の部位の(重箱の隅をつつくがごとき)詳細な数値記述などを想えば、余りにも簡単過ぎはしないか(英語版には花糸の長さの数値が示されているのみで特異な形についての記述はない)。

分布は、西藏、四川、青海、甘肃、新疆の、標高1940m~5000m、インド、ネパール、モンゴル(英語版では他に中央アジア諸国も示されている)。いずれにしろ、広い分布域を持つ種のようで、全ての地域集団が種の段階で相同か否かにはついては疑問を差し挟む余地があると思われる。

因みに、英語版の付記には、(一部欧米の研究者が)本種を青海省固有種Gentiana aperta开张龙胆のシノニムとする(同じ命名者のMaximovichによって広域分布のleucomelaenaよりも狭域分布のapertaのほうが10年早く記載されている)見解があるが、「中国植物志」では両者を別種と見做す、としている。

確かに(花被片の斑点パターンが明瞭に異なることを除けば)両者はよく似ていて、Gentiana apertaも(「ウデシロヒメリンドウ」同様に)太い花糸を持っている。両者を分けるならば、おそらく地域ごとに多様な変異を示すであろう広域分布種のGentiana leucomelaenaも複数の分類群に分けられるべきではなかろうか?

「中国植物図像庫」の写真で判断する限り、雲南産やチベット産のGentiana leucomelaenaと、基準産地である青海省の個体の形質には、一定の安定的距離があると思われ、Gentiana apertaを分けるとすれば、それらをも分割されて然るべきと思われる。換言すれば、広域分布種としてのGentiana leucomelanaを認めるなら、狭域分布種Gentiana apertaもそこに包括統合するのが“筋”ではないか、と思う。

ただし、Gentiana apertaとGentiana leucomelana原記載産地は共に青海省であることから、そう簡単に処理してしまうわけにもいかない。ここは「中国植物志」に従い、両者を別の種に置き、僕のチェックした限りに於いては青海省産leucomelana原記載個体群と変わらない四川省塔公産も、Gentiana leucomelanaとしておく。

さて、「モモイロヒメリンドウ」のほうだが。

斑紋などからは別のseries(线叶系Ser.Linearifoliae)に所属する「刺芒龙胆Gentiana aristata」(後述予定)に似ているように思える。しかし、ここでは茎葉などの特徴から、Gentiana leucomelanaやハルリンドウなどと同じ「小龙胆系Ser.Humiles」に所属する「匙叶龙胆Gentiana spathulifolia」としておく(あくまで暫定的処置)。







右の花では、太い花糸の雄蕊が花冠内面にへばり付いている様子がわかる。









右は中央集結時の雄蕊の葯、左は待機完了後の雄蕊。















左の「ウデフトシロリンドウ」は雄蕊待機前、右の「モモイロヒメリンドウ」は雄蕊待機後。




















塔公(四川省甘孜藏族自治州康定県)と八美(同・道孚県)の境界にて。奥に見えるのは雅拉雪山(約5800m)。以上全て2010.7.24




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-39【追加】

2021-03-16 20:30:57 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

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ミャンマーのニュースについて。

「・」さん、という方が、このようなコメントを書かれていました。

>小さくても強い炎は消えない。
>時間はかかっても大きく燃え盛る。
>民主主義の炎は消えない。

>我国で自由に政権幹部の悪口を言っても逮捕されず
>選挙で自由に代表者を選べることが
>最高の幸せであることがわかる。
>日本人は最高に恵まれた民主主義が当たり前に
>なっていて幸せを感じていないが
>なんでもない普通の日常がいかに幸せな日常だったと
>失って初めて気が付く。でもその時にはもう戻れない。

>我国では空気の様に当たり前になっているこれらの事が
>ミャンマーでは銃を突きつける兵士に
>向かって丸腰で命がけで得ようとしている人たちもいる。
>明日は我が身。

>尖閣を命がけで守らないとゆくゆくは幸せな生活を失う。
>そして2度と戻らない。

>対岸の火事ではない。

それに対しての、僕の感想です。

>>コメ主のような、金太郎飴的な「正義の民」の存在が、(異なる感性や信仰や価値観を持った人々の)互いの憎しみあいを生み出す元になっている、ということに気が付かないのでしょうか?





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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-39

2021-03-16 12:40:21 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★3月15日の記事に、応援ありがとうございます。


読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

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いや、昨日は焦りました(以下、言い訳です)。

通院日だったので、午後からスタバにいました。Wi-Fiが6時間使用できます。楽勝。と思っていたのだけれど、、、
途中でヤフーニュースを見たり、アベマの大相撲中継とかを見たりしていたものですから、気が付いたら2時間ちょっとしか残っていなかった。

大急ぎで文章書いて、写真を選んで、それをあや子さんに送信、スタバからは(総体的にはWi-Fi状況が最も良いのだけれど)、なぜか写真の送信が難しく、写真送信時にのみ外に出て、イオンとかマクドの電波を拾います。

最も時間がかかるのは、ネットで調べものをすることでも(場合によっては大変な作業になりますが)、文章を書くことでも、写真を送信することでもなく、写真をまず整理して、送信するカットを選ぶことです。一次選択、二次選択と   減らして行き、完全に選択し終えてから送信、というのが原則です。

でも大抵の場合は選択の途上で番号を付けたりしてある程度の整理を行い、その際キャプションとかも記してしまうことが多いわけです。となると、いざ最終選択で、さらに写真の枚数を減らしたときに、順番とか数字とかを照合し直さなければならなくなる。これが意外に大変で、大抵その過程で思わぬ混乱が起こり、時間は無駄に喰うは、結局照合を間違えるはで、しっちゃかめっちゃかになってしまうことが多いのです。

そんなわけで、間違いを避けることも有って、時間が押せば押した時ほど、写真の枚数が多くなってしまいます。これが商業メディアなら、由々しきことです。でも自分のブログだから、文章が長かろうが写真が多かろうが、別に問題はありません(その分、あや子さんが大変だと思うので、この場を借りて申し訳ない意を表しておきます)。

そうは言っても、同じような写真が何枚も掲載されていると、自分でもうんざりしますね。出来れば一回10枚ぐらいがベスト、せめて20枚以下に抑えたいといつも思っているのです。昨日は35枚。これがマックスですね(繰り返すけれど、減らすのは簡単なのだけれど、アップの時点で照合し間違えてしまう確率が高い)。

早くその日の作業を済ませ、オープン戦(佐藤もう4号です!)や大相撲は送り終えてから見ることにします。

でも、我ながらよくやってると思っていますよ。リンドウのことなんて何にも知らないんだもの。いちいち調べながら(それも中国文と英文で、辞書と格闘しながら)ですから、大変な作業です。
「分類群の特定はしない」最初に宣言はしたのですけれど、結局調べ始めちゃいました。なんといっても辛いのは
せっかく苦労して調べても、その頼りの「中国植物志」の内容が出鱈目だったりするので(笑)。

そういう状況を鑑みると、奇数回と偶数回を設定したのは、我ながら大発明ですね。原則文章だけの奇数回(実質、愚痴や恨み辛みを言うコーナーです)は気が楽だし、その間に次の偶数回の調べものも出来ます。

いずれにしろ、昨日の夜は猛スピードで送信しました。別に一日や二日遅れても構わないのだけれど、それで気を緩めていると、どんどん先送りになってしまいます。一刻も早くリンドウのシリーズを終わらせたい。

以前のWi-Fi終了11時と、現在の8時終了では、使える時間に相当の差があります。もちろん道路に立って電波を拾っても良いのだけれど(スタバ滞在時の写真送信はそうしていることだし)、1時間も立って作業するのは、身体的にも精神的にも疲れます。因みに昨日の写真送信は、マクドは電波が来ていず、イオンの電波が来てたので、食品売り場の角から行いました。

いずれにしろ、一度書いた文章の推敲など、とてもしている時間はないわけで、昨日の記事も、これじゃヤバいと思いつつも、そのまま送信アップしました。

昆虫が来ると雄蕊の葯が消えるという不思議。それによって自家受粉を防いでいるのかな?という仮説が中心的な話題です。黒い雌の高山小型ヒョウモンチョウは、かなりの希少種みたいですよ。甲虫については全く知識がないのですが、ヤクシマルリセンチコガネとかも、こんなのだったような。

それとともにもう一つ書きたかったことがあったのです(送信瞬間にそのことを思い出したので一応キャプションに短く付け加えたけれど)。

ということで、昨日と同じ写真を2枚再掲載しておきます。これ何ですか?リンドウに限らず野生植物の花弁でよく 見かける気がするのですけれど。ダニの一種?それとも植物本体に帰属する花粉塊の一部か何か?

知ってる人がいたら教えて下さい。

タマゴシロリンドウのほうの丸ポッチは、葯によく似た肌色(差別語で使ってはいけないそうですが)、ベニヤクアオリンドウのほうの丸ポッチは、葯同様に鮮やかな紅色。
(*プライベート・ネームに「ヒメ」を入れようかどうかずっと迷っているので、有る無しを交互に使っています)

両方の写真とも、雌蕊発達前の雄蕊が中央に集まっている状況の花と、雌蕊発達後に雄蕊が (花冠内壁のほうへ)離れていく花とがセットで写っています。

この、ちっちゃな“丸ぽっち君”がいるのは、共に後者なのですが、偶然なんでしょうかね?

強引なストーリーを思いつきました。これは、雄蕊(の分身?)が見張りをしているのだ、と。昆虫が来ることを察知したら、雄蕊を一斉退去させる(来ないときは「保険」「最後の手段」としての自家受粉用に花冠内壁に待機したまま)。

*注:次回に、それはたぶん違う、と否定することになりますが(たぶん偶然)。



弯叶龙胆 Gentiana curviphylla「ベニヤクアオヒメリンドウ/紅葯青姫竜胆」と“赤色まるポッチ君”
四川省康定県-雅江県県境 標高4500m付近 2009.7.20



歯褶竜胆Gentiana epichysantha「タマゴシロヒメリンドウ/卵白姫竜胆」と“肌色まるポッチ君”
四川省康定県-雅江県県境 標高4500m付近 2009.7.20





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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-38

2021-03-15 20:36:09 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑰ (四川省康定県~雅江県) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕
Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑱ (四川省康定県~雅江県) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕




1月18日掲載の写真の再紹介。
四川省康定県‐雅江県県境(臥龍峠)alt.4500m付近 2009.7.20 (以下全て同じ)

やっと、2021年1月18日のブログで紹介した、“青花と白花の高山性小型リンドウの雄蕊の話題”に戻ってきた。

この、両者の雄蕊の状態の著しい相違は、どのような意味を持っているのか。

3か月かけて分かったこと。

青花も白花も、リンドウ属の同じsection(小竜胆組)の一員で、しかし別のseries(青=流苏系Ser. Fimbriatae系/白
=卵萼系Ser.Orbiclatae系)に所属する種であること。

リンドウの仲間全体の性質である「雌雄異熟(雄性先熟)」の、白花種は初期段階の個体、青花種は後期段階の個体であること。

同じリンドウ属でも、「多枝組(=ヤクシマリンドウ節)」の種は、雌蕊の発達後の雄蕊は雌蕊に寄り添ったまま衰退(下方に後退)し、「小竜胆組(=ハルリンドウ節)」の種では、雌蕊から離れて花冠内壁にへばり付くこと。
*それぞれ「雄蕊衰退型」「雄蕊待避型」と仮称しておく。“退避”と記してきたのは間違いで正しくは“待避”。

その他のグループについては未検証。「小竜胆組」の全てのseriesや種に於いて、青花種と同じように顕著な“雄蕊待避”様式を採るのかどうか、という検証も行っていない。例えば、(第29回ブログに述べたように)ハルリンドウは待避し、フデリンドウは待避しないという通説も、再検討を行う必要がある。また、同じ種の中でも、個体によっては待避の是非や程度に差がある可能性も考えられるが、そのことも検証課題と思う。

青花種は、おそらく弯叶龙胆 Gentiana curviphylla=プライベート・ネーム「ベニヤクアオヒメリンドウ/紅葯青姫竜胆」。「中国植物志」に因ると、分布域は“四川西部の標高2890~4270m”と、えらく細かく(笑)、撮影地は少なくとも4400mは越えているのでちょっと外れるが、まあ許容範囲と考えて良いだろう。

日本を含む東アジアに広く分布するコケリンドウ/鳞叶龙胆 Gentiana squarrosa(前回紹介した南西諸島産リュウキュウGentiana crassuloidesを含む)、第28回で紹介したモモバガクリンドウ&アオバガクリンドウ(おそらく卵萼龙胆 Gentiana bryoidesまたは景天叶龙胆 Gentiana crassulaに相当)、このあと紹介予定の肾叶龙胆 Gentiana crassuloides、さらに日本の高山植物ミヤマリンドウ(変種イイデリンドウとも通常は日本固有種とされるが「中国植物志」では中国大陸東北部産の長白山竜胆Gentiana jamesiiに一括抱合している)、そのいずれもが、萼裂片が反り返る特徴を持つことなどから、同じ「卵萼系Ser.Orbiclatae」に置かれている(ただし、それ以外の形質の比較から見た限りでは、必ずしも類縁的に単系統上に置かれる決定的な根拠はないようにも思われる)。

白花種は、おそらくGentiana epichysantha歯褶竜胆、プライベート・ネーム「タマゴシロヒメリンドウ/卵白姫竜胆」としておく。

上記したミヤマリンドウほかコケリンドウの一群(卵萼系Ser.Orbiclatae)とも、ハルカゼリンドウ/中甸龙胆 Gentiana chungtienensis(线叶系Ser. Linearifoliae)とも、フデリンドウ/笔龙胆 Gentiana zollingeriやアオムラサキリンドウ/亚麻状龙胆 Gentiana linoidesやセセラギリンドウ/大理龙胆 Gentiana taliensis(帚枝系Ser. Fastigiatae)とも、ハルリンドウ/丛生龙胆 Gentiana thunbergiiやヒナリンドウ/水生龙胆 Gentiana aquatica(小竜胆系Ser.Humiles)とも異なる、「流苏系Ser. Fimbriatae」に所属する。

同じ緩やかな丘陵の反対側の斜面には、第4回で取り上げた草丈の高い高山竜胆組(Sect.Frigida)の大型種が生える。通常、この小型リンドウ2種は、姿のよく似た、しかし一回り大きめのキキョウ科Cyananthus蓝钟花属の種とセットで生えていて、また、タンポポの仲間の2つのタイプ(通常の頭花を持つタンポポ属Taraxacum と花序が頭花状にならない绢毛苣属Soroseri=プライベート・ネーム“ムカシタンポポ”)の種も同じところに生えていることが多い。

この草原には、高山蝶パルナッシウス各種や小型ヒョウモン類が飛びかっていて、前者は主にムカシタンポポ(绢毛苣)に、後者は主に小型リンドウに吸蜜に訪れる。

ある不思議なことに気が付いた。

それ以前に、元から気になっていたことがある(むろん僕に基礎知識がないのでよく把握できていないだけなのかも知れないが)。まずその話から始める。

昆虫(鱗翅目、双翅目、膜翅目、鞘翅目など)が花を訪れ、葯の花粉を体に付着し、その後別の個体の花を訪れた際、体に付着した花粉が雌蕊の柱頭に受け渡される、というのが基本的な授粉/受粉の仕組みだと思う。

雄はなぜ花を訪れるのか?求めるのは蜜腺なのか花粉なのか?リンドウ科の多くの種の場合、密腺は雌蕊の基部付近にあるようなので、蜜腺そのものを目指して昆虫が来るのではないと思う(ただし蜜腺が花被片の内側に露出したヘツカリンドウではしばしば大量の蟻がそこに群がる)。だがしかし、雄が花を訪れるのは蜜腺だけでなく雄蕊(葯の花粉)にも誘因される、ということなら問題ないので、一応そう考えて話を進めよう。

同じ株でも花は咲く時期はバラバラである。幾つもの段階の花があることで、昆虫による別個体への授粉(受粉)が成される。深く考えなければ、単純な図式で済む。

ヤクシマリンドウ組の種(殊に多くの個体をチェックしたナナツバリンドウ)の場合は、開花初期に雄蕊の葯が中央部に集結、その後下方から雌蕊が出現すると、雄蕊は葯の花粉を解き放って衰退して(鄙びて下方に沈んで)行く。同じ花に於いては、ポリネイターの昆虫は雄蕊の葯から花粉を受け取るか、雌蕊の柱頭に花粉を渡すか、どちらか一つしか行えないわけである。

しかし、小竜胆組の多くの種にあっては、そう単純な仕組みでは事が運ばないのではないか、と思える節がある。雄蕊の葯は、雌蕊が現れる前の中央集結時も、初期の雌蕊からさほど離れず付近をうろうろしているときも、雌蕊の柱頭が二分した後花冠内壁にへばりついて「避難」を完了してからも、変わることなく衰退せずに(たぶんまだ花粉を葯に内包して)存在しているように思われる。

そこに昆虫がやってきたら、他の花の花粉を柱頭に授粉するよりも先に、やってきたときにくっついた雄蕊の花粉を 同じ花の雌蕊に渡すことに成りはしないか。そのことを考えると、「待避型」は、必ずしも「雌雄異熟」「雄性先熟」の 機能を有してはいない、とみることが出来るのではないか?

そのような疑問を持っていた。

で、もしかすると、以下に述べる例が、そのことに何らかの関与を示している? 

僕としては、「偶然」「不思議」で良いと思う。でも「偶然」のすべてが「単なる偶然」というわけでもなかろう(前に挙げたモンキチョウの例など)。

といって、僕の基本姿勢としては、物事の因果関係を(いわば科学的に)理路整然と説明していくことは、好きじゃない。むろん“スピチュアル”にも興味はない。どちらも肯定したうえで、俯瞰的に捉えることが出来ればよいのである。

というわけで、(リアルタイムで調査が目的ではなくたまたま撮影した)写真に収めてある開花個体を、改めてチェック。分かり易いほうの青花種(ベニヤクアオヒメリンドウ)について、大雑把に雄蕊を「中心終結」「分離途上」「待避完了」に分け、36個花をカウントした。

13花が「中心終結」、6花が「分離途上」、4花が「(花冠内壁にへばりついて)待避完了」。どの花も正常な個体で、昆虫などが訪れている状態ではなく、葯が鮮やかな紅色をしている(白花種は、それぞれ12、3、3、ただし葯は花糸と同じ淡黄白色)。

青花種では、上記のパターン以外の、13花があった。発達した雌蕊だけで葯(雄蕊全体)が見あたらない個体である。その内訳は、4花が小型ヒョウモンチョウの一種(雌)&ハナアブの一種訪花中、1花がハエの一種訪花中、2花がセンチコガネ到来中、3花が小型ヒョウモンチョウの一種(雄)訪花接近中、2花は発育不全個体。

この「偶然」を、どう捉えれば良いのだろうか?

待避前待避後(雌蕊の開出前開出後)に関わらず、雄蕊は常に鮮紅色の葯を付けている。昆虫が訪れれば、その体に花粉が付着し、雌蕊に授粉する役割を果たす。もし、雌蕊が開出し、かつ待避中の雄蕊の葯が花粉を持っていれば、上記の懸念が現実になり、同じ花の間で授粉を行われることになる。

ところが、昆虫が訪れた花には、雄蕊の赤い葯(あるいは雄蕊そのもの)がない!

単に一例ではなく、4つの異なる昆虫で、同じようなパターンが為されている。それ以外の正常に開いた花には、全て鮮やかな紅色の葯があるというのに、、、。





小さな肌色の丸ぽっちに注目(写真22とも)。




左はナデシコ科の一種。
















以上6枚:キキョウ科Cyananthus蓝钟花属の種と。


赤はシオガマギクの一種。


黄はムカシタンポポ。






右はナデシコ科の一種。










小さな紅色の丸ぽっちに注目(写真3も)。














両種の萼片の違いが分かる。




センチコガネの一種。以下の写真には赤い葯が見あたらない。




小型ヒョウモンチョウの一種(メス)。


小型ヒョウモンチョウの一種(オス)。








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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-37

2021-03-14 20:25:27 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★3月13日の記事に、いいね!をありがとうございました。


読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

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マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
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*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

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前回は、小型リンドウを食草とする、サファイアオオルリシジミと、その対象となるリンドウ2種を紹介しました。最初の一つが雲南省産、後の一つが四川省産。雲南省産小型リンドウの紹介は前回で終了し、この後、18種(または地域集団)の四川省産小型リンドウ(全てが小竜胆組に所属するか否かについては現時点では未詳、これから調べる)に移ります。そのあと、雲南省産の大型リンドウ2種を挟んで、リンドウ属以外のリンドウ科の種、、、まだ、だいぶ残っています(^^;)

前回紹介した雲南維西産のほうは、おそらくフデリンドウ(あるいはハルリンドウ)に近縁な箒枝系Series Fastigiatae(あるいは小竜胆系Ser.Humiles)の種だと思います。一方、四川省雅江産のほうは、花が一回り小さく、萼裂片や茎葉が顕著に反り返ることから、日本のコケリンドウ(Gentiana squarrosa鱗葉竜胆)と同じグループ(卵萼系Ser.Orbiclatae)に所属する種(コケリンドウそのもの?)と考えてほぼ間違いないでしょう。

ちなみに、第28回で紹介した、白馬雪山産「モモバガクリンドウ」と梅里雪山産「アオバガクリンドウ」も、萼裂片が反り返るので、コケリンドウと同じグループの可能性もありそうですが、印象的にはかなり異なることから、処遇は保留しておきます。

コケリンドウの日本での分布は、僕は正確には把握していないのですが、おそらく本州から九州に至る比較的広い範囲に分布しているものと思われます。西は、中国大陸を経て、ヒマラヤ地方に至っているようです。
*以前、「ハルカゼリンドウ」の所に記した「分布域:中央アジア~中国大陸」は間違いで、正しくは「ヒマラヤ東部~日本」である、と訂正したのですが、実は、(同じ「中国植物志Flora of China」の)前者は英語版の記述(日本における分布は示されていない)、後者は中国語版の記述です。どちらを信用すれば良いのか、、、。ちなみに、中国語版での中国での分布は「チベットを除く中国全土」となっています。

屋久島には「2種」の“コケリンドウ”が分布しています。そのうち山上部のヤクシマコケリンドウGentiana yakumontanaは、明らかにコケリンドウとは別種(所属Seriesも異なる?)で、中国大陸産のどれかの種と関連があるようです(ポジフィルムなのでここに紹介出来ない)。一方、海岸の隆起サンゴ礁地帯に生えるのは、屋久島付近が分布北限となるリュウキュウコケリンドウGentiana satsunanensis(コケリンドウの南西諸島産変種とする見解もあり)。

こちらは、デジタル撮影を始めてからの写真も含まれていたので、ここで紹介しておきます。
(ついでに、春田浜の環境写真と、日本産のリンドウ科の中で唯一他のリンドウ科とは別の系統に所属する「シマセンブリ」の写真も紹介しておきます)



リュウキュウコケリンドウ 屋久島春田海岸 2006.6.5


リュウキュウコケリンドウ 屋久島春田海岸 2006.6.5


リュウキュウコケリンドウ 屋久島春田海岸 2006.6.5


リュウキュウコケリンドウ 屋久島春田海岸 2006.6.5


リュウキュウコケリンドウ 屋久島春田海岸 2006.6.19


リュウキュウコケリンドウ 屋久島春田海岸 2006.6.19



シマセンブリ(リンドウ科シマセンブリ族) 春田海岸 2006.6.5



屋久島春田浜隆起サンゴ礁海岸 花はイワタイゲキ(トウダイグサ科) 2006.6.5



屋久島春田海岸 花はイワタイゲキ(トウダイグサ科) 1983.4.13



屋久島春田海岸 花はイソマツ(イソマツ科) 1984.9.30




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-36

2021-03-13 20:55:48 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


 
Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑮ (雲南省維西) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕
 


サファイアオオルリシジミ雄
雲南省維西栗鼠族自治県東南部alt.2500m付近 2010.5.17
 


サファイアオオルリシジミ雄
雲南省維西栗鼠族自治県東南部alt.2500m付近 2010.5.17 
 


サファイアオオルリシジミ雌
雲南省維西栗鼠族自治県東南部alt.2500m付近 2010.5.17 
 
サファイアオオルリシジミCaerulea coeligenaは、小型リンドウを食草とするゴマシジ類(広義)の一種
 
前回の文に記したように、最初(1989年4月)は、陝西省周至県黒河(秦嶺山脈太白山南面)で観察・撮影し、その後も秦嶺の各地や、雲南省香格里拉県白水台などで出会った。2000年代に入って、四川省雅江と雲南省維西で、観察・撮影を行った。
 
いずれも小型リンドウに産卵することから、ここで取り上げる。チョウについては改めて別の機会に詳しく説明する予定だが(「青山潤三の世界・あや子版」でも既に何度か取り上げているので参照されたし)、概略を述べて置く。
 
春の日中(概ね正午前)の夏緑樹林に覆われた山腹の崩壊地で、雄は金属光沢を帯びた青白い翅を煌めかせながら、ゼフィルス(ミドリシジミ類)のように2~数頭が卍巴飛翔を行いながらものすごいスピードで目まぐるしく乱舞する。その時間帯は限られていて30分ほど、一瞬の饗宴である。その後は雌を探して単独で飛び続ける。雌は、その間、卵を産み付ける小型リンドウの花を探して、地表近くを飛び続けている
 
シジミチョウ科ヒメシジミ亜科ヒメシジミ族カバイロシジミ種群(Grauchpsyche-section)の一種で、同セクションの種としては、日本産にゴマシジミ、オオゴマシジミ、オオルリシジミ、カバイロシジミ、ジョウザンシジミ、台湾産にウスアオゴマダラシジミ、シロゴマダラシジミ、そして中国西南部で、ヒメオオルリシジミと本種が加わる。他に、ヨーロッパや北米大陸にも、多数の種が分布している。
 
僕は、これらのセクションに所属する各属(ゴマシジミ属を例外とし、概ね1属1~数種からなる)を一つの属に纏めても良いと考えるのだが、(研究者たちが)それを拒むのは、ゴマシジミ属の持つ特異な生態(幼虫が蟻の幼虫を食べて育つ)を考慮してのものだと思われる。
 
秋に咲く花(バラ科ワレモコウ属、シソ科アサギリ属、リンドウ科の秋咲種など)を食草とするゴマシジミ属各種は、それに合わせて成蝶の出現期が夏の後半になり、幼虫のまま冬を過ごす。その(越冬の)過程で、蟻の巣に入って暮らす、という選択肢を見つけ、更にその流れの中で、幼虫期の前半は植物を、後半は蟻の幼虫を食べて成長する、というシステムを採ったわけである。
 
一方、それ以外の種は、サファイアオオルリシジミにしろ、オオルリシジミ(食草:マメ科クララ属)にしろ、ヒメオオルリシジミ(食草:マメ科ゲンゲ属)にしろ、食草は春に咲く花である。幼虫は夏の間に成長を終え、蛹で冬越しをするため、蟻の巣中に入って越冬し蟻の幼虫を食べて育つというゴマシジミタイプの生態を採る必要はない。
 
ここで、2つの問題が示唆される。
 
元々、ヒメシジミ亜科の多くの種は、蟻との何らかの密接な関係を持っている。(おそらくベニシジミ族以外の)シジミチョウ科のほとんど全ての種が、蟻やその周辺の昆虫(アリマキなど)に蜜を与え、敵から身を守って貰っているのである(僕は昔、ムラサキシジミの幼虫を襲おうとしたアシナガバチに、アリが蟻酸をかけて撃退した一連写真を撮影したことがある)。
 
もう一つは、シジミチョウ科の多くの種の幼虫が、花の蕾や若い花や柔らかい葉を摂食しているということ。おそらく食感的には蟻の幼虫と似ているのだと思う。
 
どこで一線を越えて、アリの幼虫を食べるようになったのか、その辺りの鍵となるポイントが分かれば面白いと思う。誰か調べる人が出てきて欲しい。
 
*最初にこの蝶の小型リンドウへの産卵を撮影した秦嶺1989年の写真は、ポジフイルムしかないので紹介出来ない。ここでは2000年代に入ってから撮影した、四川と雲南の写真を紹介しておく。
 


雲南省維西栗鼠族自治県東南部alt.2500m付近 2010.5.17 (以下同じ)
小さなピンクの花が咲くツツジ属の一種が咲き競う、山腹の丘陵状草原が観察地。他の陝西省や四川省などに於ける観察地が急峻な渓谷の樹々の茂った急斜面だったのとは、やや環境的に異なる。
 


交尾を終えた雌は、産卵時以外は、(雄に見つからないように?)ツツジの株の根元に身を潜めている。
 


茎は地上部では分岐せず、ロゼットは(たぶん)なし、花冠はやや漏斗状に開き(個体差大)、雄蕊は退避型、ハルリンドウとも、フデリンドウとも、ハルカゼリンドウやセセラギリンドウやアオムラサキリンドウとも、一部共通し、一部相違する。ということで、種の特定は為さず、蝶との関連で、プライベートネームを「ユンナンサファイアリンドウ」としておく。
 


雄同士の卍巴飛翔を終えた後、雄は雌を求めて、小型リンドウの生える地面上を飛び続ける。
 


産卵中の雌に雄がチョッカイを出して来た。雌は戸惑っているのかも知れない。
 


この株には、左上の花冠に2卵、左下の花冠に1卵が産み付けられていた。
 





 








花の大きさ、色、開出状況などには個体変異が大きい。
 


 





撮影地は、維西の町(メコン川水系の栗鼠族自治県)の東、長江側の麗江玉龍納西族自治県との間の峠の西面。この一帯は、白族/彝族/栗鼠(左にイ)族/拉枯(枯の左はネ)族/納西族/チベット族および漢族が混在する、世界的にも稀有な多様民族集合地である。ちょうどサファイアオオルリシジミの出現期には、民家や畑全体が白く覆われるという、独特の風景が展開する(蝶のほうはより広い範囲に分布域を持つのでむろん偶然とは思うが)同じ配色であるのは興味深い)。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑯ (四川省雅江) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕
 


四川省甘孜蔵族自治州雅江県alt.2800m付近 2010.5.24 (以下同じ)
サファイアオオルリシジミの小型リンドウへの産卵を、もう一か所紹介しておく。
 


四川省西部のチベット族の町・甘孜蔵族自治州南部の雅江は、東西を4500mを超える高山高原に挟まれて南北に流れる、長江の一大支流の雅砦江岸の急斜面に展開する。北緯30度。僕の中国の前のメイン・フィールドは屋久島である。中国に移ってからも屋久島のことはずっと気になり続けている。屋久島の緯度は、北緯30度13分~28分。と言う事は、街からほんの少し川を遡れば、屋久島南岸の緯度に達するわけだ。ちょうど、雅砦江が2つの川(本流と鮮水河)に分流する“両河口”という地点がそこに当たる。それで行ってみることにした。しかし、交通の便がない。歩くとしても“13分”の緯度分は、結構な距離である。徒歩とヒッチハイクを繰り返し、一日がかりで往復した。
 


途中、何か所も、巨大な橋げたの架橋工事が行われていた。成都とラサを結ぶ鉄道新幹線と高速道路である。この辺りの家並みは、全てチベット族様式。
 


両河口で合流する2つの川の色が異なっているのが分かる。
 


右の鮮水河沿いに一時間ほど上流に歩いて行った。
 


川岸の急斜面の新緑の温帯樹林で、サファイアオオルリシジミに出会った。
 


飛び交う雄の写真を撮影しようと、小一時間粘ったのだが、なかなか止まってくれない。
 


ふと足元を見ると、小型リンドウの花が咲いていた。
 


萼片や茎葉が反り返る、日本のコケリンドウに似た種(プライベートネーム「シセンサファイアリンドウ」)。
 


やがて、サファイアオオルリシジミの雌がやってきた。
 


始めは吸蜜していたのだが、おもむろに腹部を差し込んで、産卵を始めた。
 


三卵が産み付けられていた。





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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-35

2021-03-13 16:09:31 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昨日の(奇数回)第33回のラストで、「熟果」「乾果」という語について書いたのですけれど、(この語でも間違ってはいないと思いますが、野生植物に対する用語としては)、正しくは「液果」「朔(要・草冠)果←パソコンの文字こっちこそ完全に出てこない」というべきでしょうね。

第34回のラストに記した「サクラソウリンドウ(Gentiana primuliflor报春花龙胆)」、これも訂正というか、幾つかの訳注が必要です。

「ベニバナリンドウ(紅花竜胆Gentiana rodantha)と同じsectionに含められることは有り得ない」
「ミドリヒメリンドウ(プライベート・ネーム)との間に(花の形質の)共通点は見出し得ない」
従って、サクラソウリンドウはベニバナリンドウと同一sectionに入る可能性ほぼ無く、ミドリヒメリンドウは(僅かだとしても)その可能性が残されている、旨を記しました。 
しかし、両方共に間違っている(というか必ずしもそうとは限らない)のかも知れません。

「ミドリヒメリンドウ」の写真を見て戴ければ分かると思いますが、大半の個体で雌蕊が片側に寄っているように思います。そして「中国植物図像庫」に示されている「サクラソウリンドウ」も、(確認できる限りの個体に置いて)雌蕊が片側に寄っている。これは「狭芯組Stenogyne」を特徴付ける指標形質ではないでしょうか。(「小型リンドウ」を終えたあと紹介する予定の)大型種のベニバナリンドウやアオバナリンドウ(Gentiana pterocalyx 翼萼竜胆)も、その特徴を有しています。

ということは、その形質に注目するならば、「サクラソウリンドウ」「ミドリヒメリンドウ」ともに「ベニバナリンドウ」と同一sectionの狭芯組に含めることも成り立つわけです。あくまで「可能性」としてですが。

因みに、「中国植物志」の解説や検索表には(中国語版・英語版とも)、この「雌蕊の片寄り」については記されていず、代わりに「雄蕊の先が曲がっている」ことが記されています。確かにベニバナリンドウやアオバナリンドウにはその傾向が見られますが、組sectionを分けるほどの重要形質なのでしょうか?

あと「ミドリヒメリンドウ」の花の拡大写真、子房が2つあるように見えませんか?(後方に立っているのは2本の雄蕊の花糸が接して太く見えているだけ?) 一応、解説書には、「リンドウ科の子房は基本一室だが稀に二室のこともある」となっているので、気になります。

・・・・・・・・・・・・・

今回は、イジメ、差別についての話題を(自分の体験を基に)書くつもりでいました。次の「サファイアリンドウ2種/サファイアルリシジミ」の関連として。

イジメや差別は、当事者は気が付かないのですね(加害者側はむろん、時には被害者側も)。僕も、読者の方々も、気付かぬうちに誰かをいじめたり、差別していたりする可能性があるわけです。

虐められたり、差別されたりするのは、される側に何らかの理由があります。それは良し悪しとは関係なく、存在するものです。「女だから」「人種が違うから」「考え方が違うから」「バカでノロマだから」云々。それは現実なわけで、それ自体は素直に受け入れたとしても何ら問題がないわけです。しかしそこに「力関係」とか「空気」とかが関わってくると、イジメや差別に至ります。

上に「被害者側も」と書いたのは、そういうことです。なぜ差別やいじめを受けているのか、(客観的に見て)自分がどのような状況に置かれているのかを、改めて俯瞰的に考えても良いのだと思います。

たまたまちょうどいま、ドイツにおける日本への差別表現「寿司の国」というのが話題になっている、というネットニュースを目にしました(発言したドイツ人が解雇された由)。差別されている側の日本人にとっては、「何でこれが差別なの?」と思うわけですが、このこと一つをとっても、「差別」や「イジメ」の問題はデリケートで、ある時は(「加害者側」も「被害者側」も気付かぬまま)全く無関心に事が進み、ある場合は関係者(むろん主に被害者側、稀に加害者側)の自死に至るなど、とてつもなく大きな問題になり得るのです。

差別やいじめの問題は、皆が思っているよりも、はるかに巨大で、複雑で、取り組みが限りなく困難な対象です。

一般論に戻りますが、イジメは、暴力とか嫌がらせとかの、目に見える現象だけではありません。むしろ、それらはごく一部でしかない。

イジメの本質は、「無視」ひいては「排除」にあります。個人による排除や無視は、どうってことありません。我慢しときゃ良いのです。「空気」を媒体として、社会全体が関わってきたとき、それは巨大な手が付けることの出来ないほどの 絶対的な力となって、襲い掛かってきます。個人では、(被害者側は無論、加害者側も)コントロールしようがないのです。

僕の言う、教育(合法的な洗脳)で形作られた「空気」。

僕が虐められだしたのは、中学に入ってから。でも、リアルタイムではイジメられているとは思わなかった。漠然と「弄られキャラ」と思っていたのでしょう。

中学2年で不登校児になり、20歳を過ぎてからは(今に至るまで)、それはもう悲惨なものです。まあ、社会から背を向けてしまった僕自身が悪い(という部分もある)のですが。

僕が50年間携わってきたのは、一応、「自然科学」なのですね。「学」が付きます。でも僕は結果として「学」を否定しているわけです。「学」の世界にある側からすれば、「排除」「無視」せねばならぬ存在です。

その金太郎飴的な排除のされ方、徹底無視され続けてきた例は、このブログにも、もう何度も書いてきました。

或る研究者の論文中に、「この事実を最初に発表したのは青山潤三氏である、しかし彼は正規の研究者でないので(正しい手続きを経ていないので)、無視をしてよい、最初の発表者は私である」とか、記されていたりします。ここまで明確に言われると、少しはスッキリしますね。まあ、このような(大したことのない)人達は、こちらから無視しときゃ良いのです。分かってくれている人たちがいるだけで良い。

もっとも、現実には「分かってくれる人たち」の大半は僕よりずっと年長で皆鬼籍に入っているし、「大したことない人たち」が大量に存在しているわけで、、、、、。

次回(第36回)は、小型リンドウに産卵する「Caerulea coeligenaサファイアルリシジミ」の話題です。1989年4月、陝西省太白山の渓谷で最初に出会って(その後、スパイ容疑で逮捕されてひと月近く軟禁)以来、幾つもの地で観察してきました。

1998年に刊行した「中国のチョウ」に於いても、かなりのページを割いて、この蝶の紹介をしています。(雄交尾器を図示し)この種が、間違いなくGlaucopsyche-sectionカバイロシジミ節に入る事(すでにエリオットが指摘)や、ゴマシジミやオオルリシジミなどとは属を一括しても良いほど近縁な関係にあること(ただし雄交尾器の一か所に、より祖先的形質が残されていること)、雄の卍巴乱舞や、雌の小型リンドウへの産卵等々、成虫の行動を詳しく記述しました。

また、2000年代になってからは(今回紹介した写真などを含めて)「青山潤三の世界・あや子版」に繰り返し発表し続けて来ました。しかし、一切無視されていますね(笑)。

むろん日本語であることが一要因ではありますが、マニアックな世界で発表された場合は、日本語であろうがなかろうが、ちゃんと世界に伝わります。しかし、アカデミックな世界にもマニアックな世界にも背を向けている僕の場合は、どうにもしようがないわけです。

比較的最近、このGlaucopsyche-sectionの総説が、インターネット上にも挙げられています(確か欧米人の研究者たちによる)。DNAの解析に基づく系統論と、それぞれの種の食草との対応関係の考察です。

「サファイアルリシジミ」については「不詳」のまま。

(せめて写真ぐらいはチェックしておいてほしかったな、と)ガッカリもします。 



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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-34

2021-03-13 08:18:56 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★3月12日の記事に、いいね!その他ありがとうございます。

Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑩ (甘粛省天水市) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕



甘粛省天水市麦積山alt.800m付近 2010.4.21 

これは、フデリンドウ Gentiana zollingeri筆竜胆で、ほぼ間違いないだろう。「中国植物志」におけるフデリンドウの中国での分布は、東北地方から華中地方を経て、東部の浙江省に至ると記されていて、甘粛省は含まれていない。しかし、撮影地は、(分布が示されている)陝西省との境の秦嶺山地の一角なので、分布域的に見ても当て嵌まると考えて良いだろう(注:英語版のほうは“Gansu”で載っている)。

秦嶺山脈は、陝西省の太白山を最高峰とし、長江中流域と黄河中流域に挟まれて、東は河南省、西は甘粛省に至りチベット高原北部に収斂する。西安の南の秦嶺中心部には、日本のギフチョウ近縁種や次項に紹介するサファイアルリシジミの探索に、1980年代末から2000年代はじめにかけ、春に何度も訪れた。ハルリンドウやフデリンドウの仲間も多数撮影している。しかし、手元に写真が残っていない。ここで紹介するのは、秦嶺西端付近の、甘粛省天水市麦積山付近での撮影個体。峠道に至る渓流に沿った、典型的な早春の天然雑木林の林縁草地の落ち葉の中から、数種のスミレ類やアズマイチゲなどと共に、可憐な草花が咲き始めていた。



同上

Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑪ (広西壮族自治区龍勝県) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕


広西壮族自治区龍勝県芙蓉村alt.500m付近 2009.5.20

長江の北、黄河との間に東西に連なる「秦嶺」と対になるのが、長江の南、珠江との間に東西に延びる (標高やや低く明瞭な山脈にはならないけれど)「南嶺」だ。北の秦嶺ともども、西の端は「世界の屋根」に収斂し、東は日本列島に続いて行く、「東アジアの回廊」的な地域である。

その中央付近に位置する桂林は、僕の第二の故郷とも言ってよい町である。20年近くに亘り、累計数年間滞在している計算になるが、この地に来る観光客のほぼ100%が訪れる陽朔には、行ったことがない(通り過ぎたことは何度もあるけれど)。僕のフィールドは、陽朔とは反対方向の、湖南省との境にある山岳地帯。観光的には、全く無名の地である(ちなみに湖南省には“芙蓉鎮”という有名な映画上の架空の村がある)。やはり手元に、一つだけリンドウの写真があった。今のところ種を特定できないでいるが、色以外はフデリンドウに良く似ている。プライベート・ネームは「ウスシロリンドウ」。








白い小さな花は、サクラソウ科(トチナイソウ属の一種?)。




Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑫ (雲南省麗江) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕


雲南省玉龍雪山alt.3100m付近 2008.7.23 

この10~15年間は、雲南での目的地は、香格里拉から北の地域である。それ以前には、大理や麗江、それとミャンマー国境近くの町・謄沖が中心だった。麗江は玉龍雪山の麓の草原。そこでの撮影写真の大半は、中国に置いてきたDVDや段ボール箱のポジフィルムなので紹介が叶わないのだが、なぜか手元に一枚だけ、花だけをトリミング した写真が残っていた。最も一般的な小型リンドウのように思うが、この写真だけでは種の特定はできない。

Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑬ (雲南省香格里拉) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕


雲南省香格里拉(中甸~碧塔海) alt.3600m付近 2005.6.19

Gentiana linoides亜麻状竜胆と同定して良いだろう(プライベート・ネーム「アオムラサキリンドウ」)。セセラギリンドウ(大理竜胆Gentiana taliensis)と共に、フデリンドウと同じ箒枝系Fastigiataeに含められている。フデリンドウに似るが、萼片がより大きく、花筒を深く包み込む。フデリンドウは、中国西南部(四川・雲南)では分布を欠くことになっているので、その代置的存在と見做して良いのかも知れない。諸形質から見てフデリンドウよりもハルリンドウに近いと思われる「ハルカゼリンドウ(Gentiana chungtiensis中旬竜胆)」同様に、香格里拉郊外の湿性草地に見られるが、(偶然だとは思うけれど)ここで示した2個体とも、ハルカゼリンドウ撮影地とは異なる、香格里拉の町と碧塔海の中間地点辺りで撮影している。生育環境がやや異なるのかも知れない(本種のほうがやや湿地性?)。



雲南省香格里拉(中甸~碧塔海) alt.3600m付近 2015.7.29 (以下同じ)










右は「ミドリヒメリンドウ」



香格里拉西郊外の碧塔海との間の湿性草原に隣接した小さな丘に「大小」の小型リンドウ2種が咲いていた。





アオムラサキリンドウの花径(12㎜前後)は、ミドリヒメリンドウ(6㎜前後)の倍ぐらい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑭ (雲南省香格里拉) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组???〕


雲南省香格里拉(中甸~碧塔海) alt.3600m付近 2015.7.29 (以下同じ)
















今回、丸一日アップを停滞してしまったのは、前回述べたような幾つかの理由もあるのだが、最も大きな原因は、この「大小2種」の小型リンドウの、白く小さなほうの種の帰属分類群の特定に手間取っていたことに因る。結局特定することは出来ずに、とりあえずギブアップである(分かり次第付け加える予定)。

最初は、別seriesの狭芯組Stenogyneに所属する、Gentiana primuliflora报春花龙胆(サクラソウリンドウ)だと思っていた。茎や葉の姿は「中国植物図像庫」に図示された各個体に似ているし、解説文の記述とも、さほど相違はない(種子などの内部構造は写真では調べようがない)。   

しかし、雰囲気は相当に異なる(印象的には「サクラソウ」というよりも「ハコベ」を思い浮かべる)。

何度も繰り返し言うけれど、僕はリンドウについては(ヘツカリンドウは別として)何の知識もないわけで、殊に膨大な種数からなる「小型リンドウ(概ね小竜胆組)」各種については手が付けようがなく、最初から「ギブアップ」を宣言していた。でも、結局はいちいち調べる羽目になって、その結果途方に暮れているのである。

まあ、一から勉強しながら、と思えば良いので、無駄な作業というわけでもないだろう。僕の写真の該当種が、「小竜胆組」に入るのかどうか、日本産のどの種に対応しているのか、等々、少しづつ分かってきたような気もする。

同定は、“例えば「中国植物志」に従えば”、ということでの暫定処置であって、種を特定するつもりは最初からない。

「中国植物志」自体、どこまで信用できるのだろうか? 混乱の原因は、必ずしも僕が無知だからだけではない。参考にすべき「中国植物志」の出鱈目さにも、大いに責任がある。

例えば、「小竜胆」という種speciesがある。「小竜胆系」というseriesがある。しかし、「小竜胆」は「小竜胆組」に入らない。“手続き”にばかり注意を向けて、本来の目的が置き去りにされてしまっている。

「中国植物志」が凄いスケールの素晴らしい仕事(国家事業)であることは認める。僕なんかが太刀打ちできる存在ではない。

しかし、どこか“マ”が抜けているのである。

ついこの間のことだが、ニュージーランドに住む(僕の二番弟子)ルイスから久しぶりにメールが来た。彼の中国人友人の若い研究者が、中国の蛾の新種記載をする、しかし論文が受け入れられない、どこにその原因があるのかをチェックしてくれないか、というのである。

論文を読むに、彼が凄い能力を持った、凄い努力家であることが分かる。

で、交尾器に関わる記述や図を子細にチェックしてみた。(具体的な説明は省くが)どうやら、一番肝心な、最もベーシックな部分に対する考察が、最初から抜け落ちている。これでは、いくら力を注いで細部の考察を重ねても、砂上の楼閣である。いかにも「中国人」なのである(必ずしも貶しているのではない)。

それはともかく、この「小さいほうの小型竜胆」に相当する可能性がある「Gentiana primuliflor报春花龙胆(サクラソウリンドウ)」を、改めて「中国植物志」と(それに付随されている)「中国植物図像庫」でチェックしてみた。

「昆明」産の、数個体(20数カット)が掲載されている。それを見るに、どの個体も、花冠裂片の基部に、顕著な蜜腺が認められる。あれれ、リンドウ属の特徴は、子房の基部に密線があることではなかったっけ? 花被弁内側に蜜腺を持つのは、センブリ属の種だと思う。

もっとも、(seriesを分けるぐらいだから)リンドウ属の中でも特殊な存在なのかも知れない、と思って本文記述を読んだのだけれど、(中国語版にも英語版にも)何処にもそのような指摘は為されていない。種の解説でも、系の解説でも、検索表でも、同様である。

因みに、「サクラソウリンドウ」が所属するとされる「狭芯組Stenogyne」には、後に紹介予定をしている大型のリンドウ属の種「Gentiana rodantha 紅花竜胆(ベニバナリンドウ)」や「Gentiana pterocalyx 翼萼竜胆(アオバナリンドウ)」も含まれている。どう考えても、写真の「サクラソウリンドウ」との共通要素は見出し得ないように思われる。

それで、とりあえず現時点で分かったのは、この、アオムラサキリンドウ(Gentiana linoides亜麻状竜胆)と共に生える、白く小さいほうの小型竜胆(以降「ミドリヒメリンドウ」のプライベート・ネームで呼ぶ)は、(少なくとも「中国植物図像庫」ではその名で紹介されている)「サクラソウリンドウ」とは、全く異なる存在で(むろん花冠裂片には蜜腺を持たない)、従って、「中国植物図像庫」に紹介されている対象が、真の「サクラソウリンドウ」であるとすれば、(このミドリヒメリンドウは)「サクラソウリンドウ」ではない、ということである。

と共に、「中国植物図像庫」の個体が真のサクラソウリンドウではない、とするならば、「ミドリヒメリンドウ」が真の「サクラソウリンドウ」に相当する可能性も残されていることになる(しかし、特徴的な緑の蕾の事にも触れられていないので、その可能性は極めて低いものと思われる)。

ということで、「ミドリヒメリンドウ」の所属分類群の特定については、保留しておかざるを得ないわけである。









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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-33

2021-03-12 20:51:00 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★3月10日の記事に、いいね!その他、ありがとうございました。


読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イジメに負けずに頑張ってね!

愛ちゃんと江さん。

メーガン妃とヘンリー王子。

眞子さんと小室君。

人類は、なんで、こんな汚らしい人たち(上記彼らを攻撃する“正義”の大衆たちの事です)ばかりの世界になってしまったのか、、、それを想うと、情けなくなってきます。

「空気」の伝染病(あるいは教育の名を借りた洗脳の結果)、、、、、なんだろうな、きっと。みんな、知らず知らずのうちに“正義”という不治の病に侵されてしまっている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次の(第34回)に含まれる「サクラソウリンドウ?」というのをチェックしだしたら、にっちもさっちもいかない状態に陥ってしまいました。「小竜胆組」スタート時に、「詳しい検討はやめます」と前もって念を押していたのだけれど、うっかり踏み込んでしまって、後悔しちゃっています。

それと昨日は、別の用事(メール返信の要件)が2つ立て続けに入って、それらにかかりっきりになってしまった。それで、奇数回の第33回共々後回しになってしまいました。

そういうわけで、この文章も、途中で何度も中断しながらくだくだ書いているので、いつも以上に支離滅裂です。

あらためてはっきりしておきたいと思います。僕がたぶん(「はっきり」で「たぶん」も矛盾していますが)バカ/低知能であることは、ほぼ間違いない事実であると思います。読者の方も、それを前提で読み進めて行ってください(凄い責任逃れ、でも本当です)。

おそらく「偏差値」とかも、相当に低いのだと思います(「偏差値」の意味知らないんだけれど、笑)。「知能指数」とか「IQ」(どうやって測ればいいのだろう)とかも低いんじゃないでしょうか。だからといって、世の中から排除されてしまう道理はないと思うのですが、、、。まあ、世の中の仕組みからすれば、仕方がないのかも知れないですけれどね。

何度も繰り返して言うように、僕は、英語も中国語も全く出来ない。日本語も(U氏曰く)全然ダメなんだそうです。僕自身は、U氏よりはマシ(マスコミ記者の紋切り型文章は最悪!)だと思っているのですが、客観的に考えれば、やっぱりかなり程度が低いのかも知れません。

僕のポリシー(基本姿勢)は「何でも受け入れる」ことです。唯一受け入れられないことは、「特定の現象しか受け入れない」ということに対してです(その現象を支持するかしないかとは全く関係がなく)。

「特定の現象しか受け入れない」ということは、換言すれば、「正義」とか「事実」とか「自由」とか(そのほか全ての事例)に対して、答えを一つに限定することですね。もちろん「なんでも受け入れる」からには、「受け入れない」人たちも「受け入れ」ねばならないわけで、大変です。

まあ、「なんでも受け入れる」というのは、言葉を換えれば「出鱈目」「無秩序」と同義かも知れず、今の日本の社会構成の中では、馴染まないのだと思います。

「受け入れる」「受け入れない」は、本人たちは自分がそうであることを自覚していないことが多いのですね。実は、「受け入れている」と思っていたものが、本質的には全く「受け入れていない」状況にあったり、或いはその逆であったり、、、概ね「空気」という巨大な力(実質的な全能神のようなもの)の中で、いつの間にか為されている。

例えば、冒頭にも記したように、言葉について、度々書いているわけですが、最近、次々と出現する新しい言葉(概ねマスコミを通しての“有名人”の発言などを基にした)の「定義」のようなものに、凄い違和感を覚えているのです。いわゆる「若者言葉」ではないです(それはそれで面白いと思うし)。普遍的に使われる普通の言葉に対して。

これも何度か書いていますが、例えば前回の記事でも使った「世代」という表現。この言葉が、最近別の意味(同学年)を指す(特定する?)ようになってきているのですね。いや、新しい意味を持つことは、悪い事ではないと思うのです。

漱石は当て字(それも意外に思える字)を頻繁に使っていました。ある方が指摘していましたが、「(言葉に広がりを持たせるために)意識して当て字を使っているのではないか」と。なるほど、、、と思うところがあります。鴎外が文中にやたらと差し入れるドイツ語やフランス語も、気障や嫌味に感じる読者も確実にいるわけでしょうが、(本人はそれを承知の上で)敢えてレトリック(この言葉自体が曖昧ですね)的な意味合いの許で行っているように思えます。

言葉は、体系的に構築されることで、他者に対する意思の疎通が可能になるのだと思います。それがバラバラのままだと、うまくいかない。といって、体系的に組み立てられた言葉が意思の疎通を司る絶対的な最終形態とは限らないと思います(僕の自家製概念「動き続ける極相」とオーバーラップする)。そこに、(体系に則ったうえでかつそれを破壊する)自分の感性に基づく表現が加わって、一歩先の意思伝達が可能になるのではないかと(僕はそんな偉そうな事を言える立場じゃないですが、笑)。

北杜夫の「白きたおやかな峰」という小説(ほぼ実体験が基)を三島由紀夫が激賞しました。が、唯一、批判を加えた。 “我々言葉の世界で生きるものにとっては、ひとつひとつの言葉が命である。安易に言葉を選ばず、責任を持たねばならない。「白きたおやかな峰」は、言葉として間違っている、「白きたおやかなる峰」あるいは「白いたおやかな峰」とするべきである”という要旨(うろ覚えの意訳)です(その文章は記事にはせず直接本人に送ったのだそうです)。

さすが三島由紀夫だと思う。これは非常に大事な指摘です。しかし、、、、北杜夫は、そのことを分かっていて、あえて異質の次元に置かれる“本来相容れない”表現様式を組み合わせた。

彼は、実際にディラン初登頂を目指す遠征隊の一員(ベースキャンプに常駐した専属医師)であるわけです。彼が全身で感じたカラコルムの「実際の空気」を、(それを体感したことのない)読者に言葉で伝達するのは、不可能ともいえるほど難しい作業です。体系に則った普通の手段では伝えきれない。

北杜夫にとってのディランは、2つの相反する側面を持っているはずです。透徹、荘厳、全身全霊を集中して対さねばならない、(一時の気も抜けない)スリリングな挑戦対象。それは「白い」ではなく「白き」でなくてはならない。と同時に(全ての高峰雪嶺がそうであるように)「母なる峰」でもあるわけですね。そこには、ぼんやりした暖かさや、解き放たれた(失敗とかずっこけとかを甘受した)諦念にも繋がる気分が伴っている。それを受け入れるための表現は「たおやかなる」ではなく「たおやかな」でなくてはならない。一つの言葉に同時に、相反する次元の感情を込めた。その使い方は間違ってはいるけれど、ここ(彼の感じたディラン)はこれでなくてはならなかったのです。

言葉の定義に囚われず、動きを持たせて、その時々で変化させていくことは、悪い事ではないでしょう。古くからある言葉は尊重して使い続けるべきだし、自分(あるいは自分たち)の感性で、新しく組み立てて行っても良い。

ただ、僕が嫌なのは、広げる、のではなく、広がった部分に意味を限定させてしまう、ということに対してです。無論、意思の伝達の際には言葉の意味を限定せねばなりません。その場その場に於いては出来得る限り言葉の意味を明確にしておく必要があります。しかし、新たに意味を持った言葉が普及することで、それのみに(普遍的な状況下で)意味を固定してしまい、本来の言葉の持つ意味が否定されてしまう、という傾向がまま見られるように感じます。

一つを認めることで、他を排除していく。例えば、若ければいい、新しければいい、ということではない(むろん年食ってればいい、古ければいい、でもない)はずなのですが、なんだか、その価値観に(当たり前のように)追従しなければならない「空気」が形成されてしまっている。

ここんところ、スタバとかイオンとかの隅っこに居座ってWi-Fi拾って作業をしていると、(スタッフと客とのやり取りで)一日に100回ぐらい「大丈夫です」の会話が聞こえ、辟易してしまっている、ということも書いたですね。その表現(そこでの「大丈夫」の使用)は「違うだろ」と突っ込みたくなって、そのうちチャンスがあれば「大丈夫じゃありません」と答えようと思っているのだけれど、まだ実行していません。実行どころか、スタバやマクドでコーヒーをオーダーする際、若い店員さんに「お食事は大丈夫ですか?」とか言われて、僕自身もうっかり「大丈夫です」と答えてしまったりします。情けなくなってきます。

しかしまあ、(我彼の使用言語の意味が異なると)自分の使ってきた言葉の意味が、本当に正しいのだろうか? と考え込んでしまうことも有ります。

僕が言葉について蘊蓄を重ねるなど、考えてみれば笑止千万なことでしょうけれど(その資格が最もない人間かも知れない)。

この「リンドウ」のテーマを始めから、「ロゼット」「クラスター」の言葉の意味を、ずっと考えています。

それに関わって、2~3日前に書いた記事(で使った言葉)で気になったことがあって、、、。

その話題に入る前に、ちょっと別の話を先にしておきます。

パソコン(というかインターネットを使った作業、SMNとかでしたっけ?未だに何のことかわからないんだけれど)は、人類を破滅します。「自分で考える」という機能を破壊している。

例えば、出てこない文字が幾つもあります。(それ以前に自分の思った文字が打てないですね、勝手に決められてしまう)。いわゆる差別用語も規制されている。そのこと自体が、本質的な意味での差別に繋がる、と思うのですが、、、。

力(空気)に従わねば、先に進めない、という世界に、気が付かないうちになりつつある。教育、文明、科学の許に(洗脳と同義語だと思う)。

「空気」の力で、無理やり(かつ無意識に)「統一」される“民主社会”が形成されつつあります。特定の指導者によってなされる「共産主義」よりも、ある意味はるかに強大な「共産主義」社会です。

このあいだ、久しぶりに(福生の「餃子の満州」ではない方の)近所の餃子チェーン店で餃子を食べました。注文の仕方が分からない。以前にあったメニューがどこにもない。店員さんに訊ねたら、電子パネルにタッチしてオーダーするのだそうです。これじゃ、僕みたいに、「一番安いメニュー見つけて注文しよう」なんて人間は、どうして良いか分かんなくなってしまいます。メニュー表であれば、開ければとりあえず全部が出てくる。全部とは言わないまでも、単純に何ページか開いて行けば、全部がチェックできる。文字通り「俯瞰的」というやつです。

電子パネルだと、順番に従って作業を行わない限り、先に進めないのですね。ぼんやり考えることは許されなくて(は大袈裟かな?)、機械の指示に従いつつ「体系的」な作業を続ける能力が必須となってくるわけで、僕のような知能の低い人間は、餃子を食べることも出来なくなってしまいそうです。

パソコンで、文字が出てこない、という話をしていたのです。それで気になったのが、僕が度々使っている(さっきも使った)「機能」という言葉の関係で、、、、僕は「機能的」と「き質的」という言葉を、しばしばセットで使っているのですが、「機質」と書こうとしたら、出てこない。どうやらそういう言葉はないらしくて、いくら頑張っても「機質」は出てこない。全部「気質」に変換されてしまいます。むろん「気質」でも良いのですが、その言葉の解釈の中には、僕が示そうとしている意味合いは含まれてはいないみたいなのです。

まあこれは、僕が間違った思い込みで使っていたのだろうことは確かなのでしょうけれど、、、。どうも納得がいかない。「気質」「気質的」という言葉には、いわゆる一般に使う「気質が云々」ということ以外にも、もっと幾つかの(よりベーシックな)意味合いが含まれている、と思っていたのですが、、、、しかし僕が頭に思い浮かべていた「き質」は、どこにも記されていません(その字自体は「機質」でも「気質」でも良いのですが)。

最も近いのが「器質」です。器官の特性。これは、僕の言おうとしている意味と、ほぼ一致しているように思えます。ただし、この用語は(いわば医学用語で)人間の器官に限定されて使われます(僕の主治医のF先生との会話にもしばしば出てくる)。細かく言うと、臓器や器官に認められる形態的・解剖的性質。人間以外の対象には用いられないのですね。ということで、僕の示したい意味が含まれる「き質」に相当する語は、いろんな方法で検索しても出てこない。

それで考えました。「機能」「機能的」の反対語から導きだそうと。いくらなんでも「機能」はあるでしょう。

ところが、「機能」「機能的」も、僕が思い浮かべていた意味とは違うようなのです。

僕は、この言葉の中に、必須条件としての「有意性」は含めていませんでした。でも、どうやら必須らしい。「意味があることを成す能力」みたいなニュアンスなのですね。確かに「機能している」は、「うまく噛み合って順調に進んでいる」という意味で使われることが多いのだと思います。でも「機能」「機能的」という言葉自体は、その動きが「役に立つかどうか」とは関係ない、はずだと思っていました。動いている力そのものを総体的に表す言葉であると。

反対語は、もっと意外でした。「機能」「機能的」の反対語は、「無意味」「装飾的」、、、。「機能」という言葉の中には、「有意」である、という属性が、必須条件なのです。

となれば、僕の認識は間違っていたことになります。有意無為にかかわらず、結果として動いている状態が「機能」「機能的」という言葉の根源的な意味であり、「働きや役割を“果たす”こと」ではなく(果たすという結果の有無には関りなく)その過程の「動き」自体にある、と認識していたのです。

例えて言えば、「人間とは何か」という命題に対して。

「機能」は、動き。人間で言えば、歩いたり、話したり、食べたり、考えたり、愛したりすること。

「き(機/気/器)質」は、もの。人間で言えば、水分とタンパク質と、、、あるいは酸素とか。

それは間違いだったと、今になって知ったわけです(が、、、、本当に間違っているのだろうか?と、まだ往生際が悪く考えている部分もあります、笑)。

ということで、言葉(用語)について、どうも僕は正しく「認知」する能力に欠けているのではないかと。

リンドウについて書くに当たって、
「雌蕊が発達した後の雄蕊」
「ロゼット、およびそのクラスター」
の捉え方に苦慮し続けています。

「言葉」自体の意味を理解出来ないことが多すぎるのです。

「照葉樹と落葉樹」「熟果と乾果(←パソコンでは出てこない)」といった単純な対象さえ、未だに理解できないでいる。

やっぱり、僕は、バカなんでしょうか?
(皮肉や韜晦で言ってるのではなくて、本気でそう思ってるのです)





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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-32

2021-03-10 21:04:28 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑨ (雲南省大理) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕
 


雲南省大理蒼山山麓 altitude 2200m付近。2007.2.24
 
前回に続き、(シノニムにならない限り)種名を特定できる。Gentiana taliensis大理竜胆。やはり、安易な(笑)“御当地命名”である。
 
まあ、このような即物的な名も、それなりに良いとは思うのだが、、、どうせなら今回もちょっと捻って「プライベート・ネーム」を付けておくことにする。
 
山際の雑木林脇の畑を流れゆくsmall streamということで、“セセラギリンドウ/潺竜胆”。
 
この花ほど、“春の小川”にマッチしている存在は、そうそうないように思う。
 
根生葉あり(ハルリンドウと共通)。
花茎の分岐あり(フデリンドウと共通)。
花冠は平開(ハルリンドウと共通)。
退避型雌雄異熟(ハルリンドウと共通)。
 
全部の個体が同じ分類群に所属するとは限らないけれど、、、、まあ、そこんところは詮索しだすとややこしくなってくるのでやめときます。
 
付記:上記の「根生葉(ロゼット)の有無」「花茎分離の有無」「花冠の開出状態」および「雌雄異熟(雄性先熟)」が、系統的な分類にどれほどの意味を持つのか、、、、それが僕には良く分からないわけで。4形質のうち3つをハルリンドウと共通としたのだけれど、花茎分岐のインパクトが強いので、印象的にはむしろフデリンドウ。
 


雲南省大理蒼山山麓 altitude 2200m付近。2007.2.24
 


雲南省大理蒼山山麓 altitude 2200m付近。2007.2.24
 


雲南省大理蒼山山麓 altitude 2200m付近。2007.2.24
 


雲南省大理蒼山山麓 altitude 2200m付近。2009.3.17 (以下同じ)
 





















写真13


写真14


写真15


写真16


写真17


写真18


写真19


写真20

左の花は、典型的な「退避型雌雄異熟」を示している。
 
・・・・・・・・・・・・・・
 
写真21


写真22


大理蒼山の連峰。2008.2.23
下写真のちょうど真ん中あたりに、撮影地点の畑がある。





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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-31

2021-03-10 13:19:39 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★3月9日の記事に、いいね!その他ありがとうございます。



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

雌雄異熟の話は、つまるところ雌雄同株とか雌雄異株とかの話に関係してくるわけで、雄と雌の持つ根本的な意味を考えなくてはなりません。僕の頭脳では、ちょっと難しすぎる。

でもチョウについてなら、その話題で幾らでも話が出来ます。全く話が逸れるけれど、蝶の話をします(本来ならば 写真メインで進めたいのだけれど探し出すのが大変なので文章だけで行く)。

★モンキチョウ亜科の2つのグループ「モンキチョウ」(寒冷地/郊外/草原性)と「キチョウ」(温暖地/都市/森林性)

このあいだ、モンキチョウの写真(とまった葉っぱと同じ色!)を紹介しました。普通種ですが、いろんな興味深いテーマを秘めた蝶です。良く知られているのは、(雌が雄を追いかける!)求愛パターン。

一方、余り知られていないのが、キチョウの雄の「謎の求愛?」です。今回はその話をする予定ですが、その前に、えーと、モンキチョウの古い和名は「オツネンチョウ(越年蝶)」と言いますね。春早くから秋遅くまで一年に何世代も出現を繰り返すので、てっきり成蝶で冬を越すとの誤解に基づくもの、と説明されています。でも、なんか「後付け」のような気がします。そんな(春早くから秋遅くまで一年を通して出現する)蝶は他にも幾らでもいることだし、わざわざモンキチョウを当てることはないかと。単純に(成蝶で越年する)キチョウと混同しているだけなのではないでしょうか?

モンキチョウとキチョウ。両者を併せて、シロチョウ科の大きな一群であるキチョウ亜科(あるいはシロチョウ亜科キチョウ族*)を構成します。

*毎度同じことを言いますが、分類単位の選択は、研究者ごとに異なります。前者を採った場合、モンキチョウは「キチョウ亜科のモンキチョウ族」、キチョウは「キチョウ亜科のキチョウ族(ヤマキチョウ族)」、後者の場合なら、それぞれの「亜族」または「属群」に纏められることになります。

簡単に言えば、キチョウ(黄蝶)の仲間は、モンキチョウのグループと、キチョウのグループに分けられる、ということです。

★★静止時に絶対に翅を開かない蝶

それぞれについて述べる前に、モンキチョウとキチョウの両方を合わせたキチョウの仲間(以降、一応「キチョウ亜科」で話を進めます)は、蝶の中でも、例外的と言ってよい大きな特徴を持っています。

それは、止まって(静止して)いるとき、絶対に翅を開かない、ということ。100%例外なくこの性質を示すのは、シロチョウ科キチョウ亜科の種(日本産計9~10種)と、タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科キマダラヒカゲ属の種(2種)だけです。

そういった共通の特徴を有してはいても、モンキチョウとキチョウには、様々な相違点も見つかります。共に、大都市近郊にも普通に見られますが、細かく見渡すと、大雑把に言って、都市内部や住宅地などでよく見かけるのがキチョウ(近年になって、従来の「キチョウ」は「キタキチョウ」「ミナミキチョウ」の2つの種に分けられていますが、ここでは従来通り一括して「キチョウ」で記していきます、その詳細については別の機会に)、郊外の畑の周辺などに多いのがモンキチョウ、ということが出来ます。

簡単にかつ大雑把に言うと、モンキチョウのアイデンテティは、北の寒冷地の草原的環境(クローバーなど草本性マメ科を主な食草とする)にあり、キチョウのそれは、南の温暖地の森林的環境(ハギ類など本木性マメ科を主な食草とする)にある、ということです。

そのことは、種の単位だけではなく属単位でも当て嵌まります。モンキチョウ属Coliasは、北半球の冷温帯域に多数の種を擁し、キチョウ属Euremaは、世界の暖温帯~亜熱帯域に数多くの種が分布しています。

ただし、族(亜科と属の間の分類単位)まで範囲を広げると、そうも言えなくなる。

★★★モンキチョウの仲間の暖地性の一群ウスキシロチョウと、キチョウの仲間の寒冷地性の一群ヤマキチョウ

モンキチョウの仲間には、寒冷地のモンキチョウ属Coliasだけでなく、亜熱帯性のウスキシロチョウ属Catopsiliaが含まれます。同様にキチョウの仲間には、暖地性のキチョウ属Euremaだけでなく、北半球の温帯域に分布する ヤマキチョウ属Gonepteryxが含まれます。

モンキチョウの仲間もキチョウの仲間も、(族単位では)寒冷地にも温暖地にも等しく分布を広げているのです。ただ日本の大多数の地(都市周辺)においては、寒冷地草原性のモンキチョウがモンキチョウの仲間を代表し、温暖地森林性のキチョウがキチョウの仲間を代表している、というわけです。 

モンキチョウの仲間の一方の属、ウスキシロチョウ属は、日本では南国の蝶です。また、キチョウの仲間の一方の属、ヤマキチョウ属は、日本では山地の蝶です(中国では日本のように分かれてはいず、モンキチョウの仲間の寒冷地性モンキチョウ属も暖地性ウスキシロチョウ属も、キチョウの仲間の寒冷地性ヤマキチョウ属も暖地性キチョウ属も、概ね同じ地域で見ることが出来ます、ちなみに、ヨーロッパには、暖地性のキチョウ属とウスキシロチョウ属はいません)。

シロチョウ科
>キチョウ亜科
>>モンキチョウ族(ここでは「モンキチョウの仲間」と表記)
>>>モンキチョウ属(寒冷地、草原的環境、日本の都市周辺にも普通)
>>>ウスキシロチョウ属(温暖地、森林的環境、日本では南方のみに分布)
>>キチョウ族(ここでは「キチョウの仲間」と表記)
>>>キチョウ属(温暖地、森林的環境、日本の都市周辺にも普通)
>>>ヤマキチョウ属(寒冷地、草原的環境、日本では山地にのみ分布)

★★★★旧大陸(アジア)と新大陸(アメリカ)で、謎の逆転現象

話がどんどん逸れますが、上記の組み合わせに関して、非常に面白いことがあります。

モンキチョウの仲間(モンキチョウ族)とキチョウの仲間(キチョウ族)は、旧大陸(アジア)だけでなく、新大陸(アメリカ)にもいます。

アメリカのモンキチョウ属の種は、日本やヨーロッパの種と、ほとんど同じです(一応別の種になっている)。一方、アメリカのキチョウ属は、アジアでは異端的存在の種(ツマグロキチョウおよびホシボシキチョウ)に近縁な種がメインになります。いずれにしろ、モンキチョウ属、キチョウ属とも、アメリカにもいるわけです。

では、それぞれもう一方の属、モンキチョウの仲間のウスキシロチョウ属と、キチョウの仲間のヤマキチョウ属は、どうなのでしょうか?

両者とも、やはりアメリカにもいます。

ウスキシロチョウ属も、ヤマキチョウ属も、キチョウ亜科の中では大型で、それぞれ明確な外観的特徴を有しています。アメリカにも、アジアのウスキシロチョウとヤマキチョウと、それぞれほぼ同じ姿をした種が分布しています。

ところが、、、、、どう説明すれば良いかな?

新大陸(アメリカ)のウスキシロチョウは、旧大陸(アジア)のヤマキチョウと同じ姿。
新大陸(アメリカ)のヤマキチョウは、旧大陸(アジア)のウスキシロチョウと同じ姿。
これは一体、どういう事なんでしょうか?
上手く意味づけが出来ません(もとより、いちいち意味づけする必要はないですが)。

外観と、基本的形態(雄交尾器の構造など)が、見事に逆転しているのです。

因みに、ヤマキチョウ類(旧大陸のヤマキチョウ属+外観が旧大陸のウスキシロチョウにそっくりな新大陸産のヤマキチョウ近縁属)の雄生殖器は、チョウの中で最も軟弱で透明、よって顕鏡が非常に難しい。 

★★★★★ヤマキチョウ類はチョウの中で最も「長生き」

一度、アジアのモンキチョウとキチョウに話を戻します。

最初に述べた冬越しの話です。モンキチョウは成蝶の姿では冬越しをしません(ウスキシロチョウは熱帯の蝶なので問題外)。一方、(日本や中国の)キチョウやヤマキチョウは成蝶で越冬します。

キチョウとヤマキチョウは、同じ成蝶越冬でも、パターンが異なります。

キチョウ属は年に何世代も発生を繰り返し、最終世代が成蝶で越冬します。越冬する世代と、非越冬の世代では、姿が異なります。

一方、ヤマキチョウ属は、一年に一世代のみ出現。そのほとんどの時期が、成蝶の姿なわけですから、ということは、一つの個体が親(蝶)の姿のまま一年間生きているという、蝶のなかで(親の蝶になってからの)寿命が最も長い種 
ということになります。

スジボソヤマキチョウを例に挙げると、冬を越した雌は、春4~5月頃に卵を産みます。孵化した幼虫は一気に成長し、6月には次世代の成蝶が現れます。

そのあと、夏の一番暑い盛りは、木陰や地面の窪地などに退避して活動を停止し「越夏」するのだそうです。秋になって再び活動を開始(その頃までに交尾を完了)し、「冬越し」に入ります(ヤマキチョウも同じパターンですが、進行過程がひと月ほど後ろにずれる)。

ほぼ一年間親蝶の姿でいるわけで、「蝶」としては最も長生きなのですが、半分ぐらいは休んでるのですね(同じパターンを採る蝶に、タテハチョウ科ヒオドシチョウ属のヒオドシチョウやキベリタテハがいます)。

★★★★★★日本の常識は世界の非常識

ヤマキチョウ属は、スジボソヤマキチョウとヤマキチョウの2種からなっています。両者はそっくりで、かなりの熟練者でも正確な同定を出来ないことがあります。細かい区別点に一つ一つ当たっていくと、かえって混乱して、結果的に間違えてしまったりするのです(交尾器を顕鏡すれば確実)。

頼りになるのは、むしろパット見た印象ですね(翅の質感とか)。慣れればそれで9割がた区別がつきます。

日本だけでなく、台湾でも、中国大陸でも、遠くはヨーロッパまで、2種がセットになって分布しています(種の特定は研究者毎に異なる)。

ここでは便宜上、日本以外の種も、スジボソヤマキチョウとヤマキチョウ(通常地域ごとに別種とされていますが基本形質は共通します)として話を進めます。

日本では、両方とも山のチョウです。

しかし、スジボソヤマキチョウのほうが、各地の山に比較的広く分布している(関西などではかなり都市に近い低山にも見られる)のに対し、ヤマキチョウのほうは、ごく限られた地域の「山地草原」にのみ分布する、いわば絶滅の危機に晒されそうな状態にある種です。

これが中国では逆になります。成都や昆明などの大都市のど真ん中にもヤマキチョウ(細かく分けるとその姉妹種)がいるのに対し、スジボソヤマキチョウのほうは、かなり標高の高い山岳地帯に行かねば見ることが出来ません。

このことは、ヤマキチョウ属のペアだけではなく、多くの(日本と中国に分布する)生物に対しても共通します。

都市近郊の「自然環境は」、もともと人類と結びつきが深いのです。特に日本においてはその傾向が顕著なように思います。

日本独自の生物たちが住む最も日本的な環境(一言で言えば中間温帯域)にヒトがやってきて、日本人が住む日本という国家の中核になる社会が構築されたのです。

そこは地球レベルで巨視的に見れば特殊な位置づけに当たると思いますが、ローカルな視点に於いては、逆に最も普遍的な空間です。

より新しく出現したと思われる種(例えばスジボソヤマキチョウ)が、広い範囲に共通する環境の山間部に棲み、より古い時代から生き続けていると思われる種(例えばヤマキチョウやその姉妹種)は、原則としてその地域独自の環境に成り立っています。しかし、後者は人間の生活圏と被るわけですね。

中国では、そういった環境に、野生生物も人も、混然一体となって(ある意味無秩序に)身近な存在として成り立ち得ている。

日本では、元々の「日本独自の空間」は、後からやってきたヒトに占有されてしまい、(ある意味整然と区分けされることで)本来の住民は、その地域における普遍的な環境から、僅かに残った(ロカリティとしての普遍的要素を保ち持つ)特殊環境に追いやられた。
*“(「雑木林」や「山地草原」などを含む)里山”という空間が近年まで普遍的に存在していたのですが、、、。
**一部の日本独自の蝶(ヒカゲチョウ、スジグロチョウなど)は、都市空間に同化している。

まあ、余り理屈で話を進めたくはないですが、日本の常識は、世界の常識とは大きく異なる、というのは確かなようなのです。 

★★★★★★★越冬様式の違い(そもそも雄は何の為に冬を越すのか?)

もうひとつ、スジボソヤマキチョウとヤマキチョウには、決定的な違いがあります。

両者ともひとつの個体で親蝶のまま一年間生きるのですが、その大半は「夏眠+冬眠」の状態で過ごしています。

冬眠後の春の姿が、両者でまるっきり異なるのです。

スジボソヤマキチョウの場合は、どこでどうやって冬越しすれば、こんなに染みだらけ破損だらけのズタボロ雑巾のようになるのかと思うほど情けない姿(因みに枯葉に混じると溶け込んで存在が分からなくなってしまう)。

一方ヤマキチョウの場合、どこでどうやって冬を越せば、このように一点の汚れも、破れもなく、新鮮なままの姿でいられるのか。

それらのことは周知の事実ではあるのですが、といってその実態を子細に調べた、という報告も聞きません。2つの種の正反対の状況は、どんな事情によって導かれているのでしょうか?

ここで、もう一つの、より根本的な疑問。

(両種とも)冬越しした雌の役割は、春に芽生えた食草(クロウメモドキ類)の新芽に卵を産み付けることです。

でも、雄のほうは、、、一体なんの役割があるのでしょうか?

交尾は前年の夏のうちに済ませているはずです。ということは、冬越ししたあとの雄に、用は有りません。

そのことは、やはり成蝶で越冬するキチョウについても言えます。

★★★★★★★★老人が若い娘に手を出すのは本当に犯罪行為なのか?

キチョウ属がヤマキチョウ属と異なるのは、一年に何世代も発生を繰り返すことです。

春、冬越し後の雌によって生みつけられた卵は、一週間ほどで孵化し、幼虫は急速に成長し、親蝶になってからは「夏眠」とか「冬眠」とか余計なことはせずに、すぐに次の世代にバトンタッチすべく、初夏から晩秋まで、早いペースで何度も世代を繰り返します。

外観が、冬越しをする世代(一世代のみ)と、しない世代(複数世代)では異なります。

10月頃の状況は面白いですよ。夏の間に(成長が早いのがあったり遅いのがあったりすることで)出現の順番がごっちゃになって、冬越しをするほうの最終世代と、冬越しをする世代が同時に存在したりします。

さらに興味深いのは、冬越ししない世代の生き残りのボロボロになった雄が、羽化したばかりの冬越しする世代の雌と交尾していたりする。

そのパターンは結構撮影してるので、まんざら特殊な例でもないような気がします。

なお、人間社会に於いては、老人男性が若い娘に手を出すのは、あたかも犯罪のように捉えられがちですが、本当にそうなのかな? 単なる年齢差別なのではないのかと、ジジイとしては不謹慎な想いを懐いています(僕自身60歳になってからやっとモテだしたので、笑)。

でもって、詳しい事は調べられてはいないのだと思われます(誰か調べた人はいるのだろうか?いなければ誰かがぜひ挑戦して欲しい)が、キチョウの場合も、冬越しをする世代は、雌だけではなく雄もちゃんと冬を越すわけです。

でも、交尾はその前に済ませているわけでしょうから(まさか全部ジジイに取られてわけじゃないだろうし)、冬越し後の雄は用無しというわけです。何のために生きているのでしょうか?

まあ、一応、ちゃんと用があるみたいですね。

地面を這うようにして、芽生え始めたばかりの食草(概ね落葉樹のマメ科灌木)に卵を産み付けている雌の真上1mぐらいのところを、雄は、ヘリコプターのようにホバリングし続けている。

僕の観察した限りでは、ちょっかいを出すような気配はありません(ちょっかい出したいのだけれど、我慢してるのかも知れませんが)。雌が一生懸命産卵しているのを「上から見守っている」という雰囲気です。

一体、どういう意味なんでしょうかね。

いや、意味など探っても、本当のところの答えは出ないだろうし(むりやり意味付ければ付けることは出来るだろうけれど)。

「不思議」 
それが答えでも良いのではないでしょうか? 





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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-30

2021-03-09 12:54:36 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



 
Gentiana sp. 小型リンドウの一種⑧ (雲南省香格里拉) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕
 


雲南省香格里拉近郊 altitude 3400m付近。2010.5.15
 
今回の紹介種は(たぶん次回以降の大半も)、「小竜胆組」の一員で間違いないと思う。種としても(他の種のシノニムとされない限り)Gentiana chungtiensis「中甸竜胆」と特定できる
 
晩春~初夏のこの(中甸=香格里拉)一帯の高原草地を代表する花の一つ(同じころ同じ場所には、小さなピンクと青い花を付ける低木のツツジ属の種が咲き競っている)。
 
ただし“チュンチェンリンドウ/中甸竜胆”では無粋すぎる(日本人にとっては発音し難い!)ので、プライベート・ネームを「ハルカゼリンドウ/春風竜胆」と呼んでおく(開花期は5~6月だけれど標高3000m超のこの一帯ではまだ春だ)。
 
イメージ的には、日本のハルリンドウによく似ている。
 
ちなみに、前回の記事では、ハルリンドウの(国外の)分布を「フデリンドウと同じ」としたが、実際のところは、よく分かっていないようである。「中国植物志」に関して言えば、解説記述と、写真紹介されている個体の産地の整合性がもうひとつ曖昧なような気がする。解説では「広東」「広西」「湖南」「広西」「浙江」(英語版)など中国南部と、「陝西」(英語版)および東北地方の分布が記されている。標高1300~1800mとなっているので、それらの地域では最も山上部に相当する。写真(「中国植物図像庫」)紹介は3か所で、東北部と北部産の個体である(ただし、日本のハルリンドウとは大きく異なっていて、写真を見た限りにおいては、両者が同一種であるとはとても思えない)。
 
中国産のハルリンドウの真否詮索に関してはひとまず置く。
 
日本産の「小竜胆組」の種は、「ハルリンドウ」「フデリンドウ」「コケリンドウ」「ヒナリンドウ」がある(それぞれの変種も含む)。「コケリンドウ」と「ヒナリンドウ」は極めて小さな種。後者は超希少種で、4つの高山(八ヶ岳、加賀白山、南アルプス中部、日光女峰山)にだけ隔離分布している(たぶん中国にも対応種が分布するはず)。
 
高山帯でやや普通に見ることの出来るミヤマリンドウも小竜胆組の種と思うが、まだチェックしていない。
 
屋久島には、山上部にヤクシマコケリンドウが、海岸部にリュウキュウコケリンドウが分布、前者が中国大陸に姉妹種を持つとされる屋久島固有種なのに対し、後者は屋久島が分布北限域で、両種と中国産近縁各種は別経路で繋がっていることになる。ヤクシマコケリンドウは屋久島産固有種の中でもNo.1を競うほど希少な種。僕は、縦走路の黒味岳分岐付近で3か所確認したのみである。著しく小さいことと相まって、見つけるのは至難の業である。リュウキュウコケリンドウのほうは、春田浜などの隆起サンゴ礁海岸に生育している。やはり屋久島が分布北限域のリンドウ科のシマセンブリが、汀線ぎりぎり(満潮時は海水中に水没)に生育しているのに対し、やや内側の淡水が流れ込む辺りに見られる(両種については別の機会に紹介予定)。
 
日本の各地の人里近くの山野で見られるのが、ハルリンドウとフデリンドウ。この2つの種は、非常によく似ている。前回にも 述べたように、すぐに思いつく区別点は3つ。
 
「花冠裂片が平開するか斜上するか」
「ロゼット葉の有無」
「茎の花が単一か複数か」
しかし、しばしば(見かけが)曖昧で、判別し難い時もある。
 
最も明確な相違点は、雌蕊と雄蕊の関係。
 
僕はこのふた月余り、中国産のリンドウの記事を延々と書いているわけだが、発端となったのは、パソコンの画面に(ファイルに仕舞忘れて)残っていた一枚の写真(数回後に詳しく再紹介する予定)の“雄蕊の位置”の話である。
 
やっと、その話題、すなわち「雄性先熟」の話に戻ることになる。
 
最初にその話題に触れたのは、(このあと再紹介する予定の)四川省の高山に生える(プライベート・ネーム)「ベニヤクアオリンドウ/紅葯青竜胆」*と、「ノドキシロリンドウ/喉黄白竜胆」**の、正反対の雄蕊の状況についてだった。
 
*/**「中国植物志」でチェックした限りにおいては、それぞれ「弯葉龙胆Gentiana curviphylla」と「歯褶龙胆 Gentiana epichysantha」に相当すると思われる。
 
開花初期には雄蕊の葯が中央に集結、雌蕊が発達(柱頭が二分岐し露出)した後は、雄蕊は雌蕊から離れ、花柱・葯ともども花冠の内壁にくっつく。写真(2021年 1月18 日掲載回参照)右の花(=紅葯青竜胆)はこのタイプで、ちょうどその状況にある。日本のハルリンドウも、同様のタイプらしい。
 
一方、例えば「ナナツバリンドウ」では、雌蕊が発達した後、雄蕊は雌蕊から離れていくのではなく、そのまま(下方に後退して)消失してしまう(第10~14回の写真参照)。フデリンドウはこのタイプであるとされる。
 
ただしナナツバリンドウの雄蕊のように、雌蕊の成長後に明らかに急速衰退していくのではなく、雌蕊が成長して2分岐した柱頭が露出してからも、まだ近くに(葯の花粉を保持したままの状態で?)居残っていることが多い。
 
その後、(ベニヤクアオリンドウのように)雌蕊から完全に離れて花冠内壁にへばりつくのか、(ナナツバリンドウのように)そのまま縮小消失してしまうのか、最後まで見届けねば正確なことは分からないだろう。
 
いずれにしろ、前者のパターンが「雄性先熟(雌雄異熟)」(とされている*よう)である(*未検証)。でも考えてみれば、ナナツバリンドウのようなパターンだって、雄蕊が早く発達し、雌蕊が現れる頃には雄蕊は消えてしまうわけだから、「雄性先熟」ということには変わりがないのではないか? 時間的に「異熟」という点では同じで、気質的には明瞭な違いがあるとしても、機能的(自家受粉を避ける)には変わりないと思う。
 
更に言えば、後者の場合は、葯から花粉を解き放った後は、雄は用無しになって姿を消してしまう。でも前者の場合においては、雄蕊は雌蕊と空間的に隔離されるだけで、必ずしも機能を無くしてしまったのではないのではないか?
 
花冠内壁に一次避難し、原則として自家受粉を避けると同時に、その気になれば(必要があれば)自家受粉も行える、ということなのかも知れない。
 
第11回で示したユキノシタ属の例(大場秀章氏の指摘)のように、一応どちらにでも転ぶことが出来る(一部の雄蕊が雌蕊の近くに居座ったままでいる)“保険”のような例もある。
 
フデリンドウの場合はどうなのだろうか? 幾つかの写真をチェックして思うのは、雌蕊が発達したのち、雄蕊は「ベニヤクアオリンドウ」のように花冠内壁に迅速に離れる(「隔離型雌雄異熟」としておく)わけでも、「ナナツバリンドウ」のようにすぐに朽ち果てる(「単純型雌雄異熟」としておく)わけでもないようで、、、、。フデリンドウに限らず、どうやら小竜胆組の多くの種は、雌蕊発達後も、すぐに消失してしまうのでも、すぐに花冠内壁に隔離されてしまうのでもなく、しばらくの間は、どっちつかずで雌蕊の近くに未練がましくうろうろしている、言い換えれば、最初から保険に頼ろうとしている、、、、。
 
ウイキペディアに紹介されている写真から、雄蕊の状態が明確に確かめられる花冠を無作為に(出てきた順に500花まで)チェックしてみた。
 
抽出した数字は、内壁にへばり付いた(あるいはそれ近い状態で雌蕊から離れた)個体。それ以外は、雌蕊が未発達で雄蕊の葯が中央に集まっているもの、発達始めた雌蕊からさほど離れず雄蕊が残っているもの、雌蕊の発達が完了し雄蕊は下方に退化または消滅しまっているものである。
 
ウイキペディア図版「ハルリンドウ(同定の真非は未確認)」500花冠までカウント/「隔離雄蕊」11花冠(約2.5%)
ウイキペディア図版「フデリンドウ(同定の真非は未確認)」500花冠までカウント/「隔離雄蕊」4花冠(約0.8%)
ウイキペディア図版「コケリンドウ(同定の真非は未確認)」500花冠までカウント/「隔離雄蕊」4花冠(約0.8%)
*同定が正しいかどうかの判断については関与せず。
 
自分で撮影した中国産「小型リンドウ」各種の手元に収納分635花冠のうち/「隔離雄蕊」103花冠(約16%)
自分で撮影した中国産「ヤクシマリンドウ組」各種の手元に収納分124花冠のうち/「隔離雄蕊」0花冠(0%)
 
ハルリンドウでは、「隔離雄蕊」個体は、確かにやや多い。フデリンドウでも全く無いわけではない(同定の正否に関するチェックを行っていないので何とも言えない)が、ごく少ない。中国産の小型リンドウ類は、明らかに一定数の「隔離雄蕊」個体が存在する(残り84%のうちかなりの個体も隔離前or途上の可能性大)。
 
それらのことを併せ考えれば、中国産の小型リンドウの多くの種が(およびハルリンドウも)、原則として「隔離型雌雄異熟」スタイルを採っているように思われる。
 
フデリンドウは、基本的に「単純型雌雄異熟」(明確に離れることなくそのまま朽ちていく)ということになろうが、ただし、明確に時間差を持って雄蕊雌蕊の展開期が異なる「ナナツバリンドウ」のような例に比べれば、(ほかの多くの中国産小型リンドウの種やハルリンドウともども)、特に時間差・空間差を持って隔離されているわけではなく、けっこう同時に(曖昧な状態で)成立しているように見えなくもない。
 
雌蕊が発達後の雄蕊の花糸と葯は、一気に下方に後退していくことも、迅速に花冠内面に付着することもなく、緩やかに外側に離れて行く。このハルカゼリンドウの場合も、写真をチェックした限り“どっちつかず”の状態のものが多い(一個体だけ花冠内壁にへばりつくのを見つけた)。
 
雄と雌の存在意義。同じ株にそれぞれの性の個体を持つ(あるいは同じ花に両性の機能を有する)必要性は、どこにあるのか?(それを言えば人間の家族だって男女揃って子供があるのは当たり前なんだけれど)。
 
それにこの話を進めて行くと、トランスジェンダーとか、いろいろ複雑な話になってくるので、ここで打ち切り。
 
「ハルカゼリンドウ」の、そのほかの特徴を列記しておく。
 
花冠径10㎜前後、花筒長10~15㎜。
花冠裂片の先端に(大型種の「典型ナナツバリンドウ」同様に)糸状の突起物を備える。
花筒部は内面外面とも、淡いオレンジ色を帯びる。
花冠内面裂片(副片を含む)の境には細い黒条を生じる。
開花期にもロゼット葉が残り、中央から数本の花径が斜上する。
茎葉は細長く、開かずに茎に付着して対生する。
 
写真2




雲南省香格里拉近郊alt.3400m付近。20105.14
(右の黄色はトウダイグサ科イワタイゲキ属)






























(以上)雲南省香格里拉近郊alt.3400m付近。2010.5.15
 


雲南省香格里拉近郊alt.3400m付近。2009.6.2
 


雲南省香格里拉近郊alt.3500m付近。2010.6.12
 


雲南省香格里拉近郊(碧塔海)alt.3700m付近。2005.6.18
*上2つの白花はFragariaイチゴ属、そのほかの白~薄紫花はAnemoneアネモネ属。
 


雲南省香格里拉近郊alt.3500m付近。2017.6.9 [with Iris]
*右はアヤメ属の一種(日本のタレユエソウに似た矮性種)。
 


雲南省香格里拉近郊alt.3500m付近。2017.6.9
 








雲南省白馬雪山alt.4100m付近。2005.6.14
 
以上3枚は白馬雪山の同一地点で撮影。下写真(左に高山タンポポの一種)の開花途上の個体は、「茎に2花」「茎葉が瓦状に重なる」ことで、典型「ハルカゼリンドウ」と異なる。雲南省西北部には、中央アジアから中国大陸にかけて広く分布し、花が「ハルカゼリンドウ」に酷似した、Gentiana squarrosaも分布している。白馬雪山の個体は、そちらに所属する可能性もあると思われるが、ここではとりあえず「ハルカゼリンドウ」に含めて置く。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
次回(奇数回31)には、既婚雌と雄の関係を、チョウの場合(キチョウの例)で考察する。そして、愛ちゃん(や相談相手の男性)が“アウトなのかどうか”という考察も(結論無し)。
 
次々回(偶数回32)は、雲南大理古城の蒼山山麓の畑を流れる小川の畔に生える“セセラギリンドウ”(大理竜胆Gentiana taliensis)の紹介。




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-余禄

2021-03-09 08:37:07 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



 
全身全霊で腹が立つ相手
 
僕と、大陸中国との関り、台湾との関り、、、書きたいことは無尽蔵にあるのですが、、、、。
 
35年ほど前に中国大陸を拠点とするよりも以前には、台湾によく行っていたのですよ。
 
合歓山でヒッチハイクした車のお姉さんと赤ちゃんと三人で、三日がかりで台湾一周し、プーリーに戻って数日間、豪傑みたいにカッコいい御主人のお世話になり(台湾に移住することも考えたのです)、その友人のアメリカ人冒険家が貸してくれたテントやキャンプ用具一式を持って再度合歓山に登り、人ひとりいない頂上付近にテントを張って満月のもと夜を過ごし(遥か下界の街の明かりが何とも素敵だった)、翌日、山の斜面一面に咲き競うキバナリンドウを撮影したときのことを、懐かしく思い出していました。
 
愛ちゃんのニュース、、、、。
“どうでもいいこと”なんですよね。
でも、日中台の問題に(好むと好まざると結果として)絡んでくるので、気になりっぱなしではあります。
 
はっきり言えること。
 
僕は、愛ちゃんの味方です!!!
ご主人の江さんの味方でもあります。
ご家族や、お友達に対しても、味方です。
 
メーガン妃やヘンリー王子の味方です。
 
小室君や眞子さんの味方でもあります。
(好き嫌いは別、笑)
 
僕が、全身全霊で腹が立つのは、
「正義」の衣を纏った、どうしようもなく醜い「世論」(マスコミ&大衆)です。




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-29

2021-03-08 09:22:11 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



フデリンドウGentiana zollingeri 長崎県佐世保市 2016.4.13 Photo by Fumiko Hanaoka

この「青山潤三の世界・あや子版」を、長い間に渡り無報酬で管理してくださっているあや子さんは、ご本人も、素晴らしいネイチャー・フォト・ブログ(佐世保の自然)を、長い間発表し続けられています。
あやこさんのブログ (ameblo.jp)

日本の自然(南西諸島を除く)から遠ざかって、もう20年が経つ僕からすれば、くらべものにならないほど充実した、クオリティの高い内容です。守備範囲も、動物(含む昆虫)・植物を問わず、広域に亘っています。

それで、きっと「リンドウ」の写真もお持ちだろうと、(中国南西部には近縁種も含めて分布しないらしい)日本産のリンドウを紹介させて頂くべく、写真をお借りするつもりでいました。

ところが、「リンドウ」の写真は持っていない、というご返事。いや、なんとなくそう思っていた。先にも書いたように、リンドウの分布はかなり限られているのです。あや子さんほど、身近な様々な野生生物に目を向けている方が出会っていない、ということは、そのこと(地域によっては分布が限られている)を示唆しているように思います。

「リンドウはないけれど、ハルリンドウかフデリンドウならあります、でも、どちらの種か判別できません」と、それらの写真を送って頂きました。

この二種の区分は意外に難しいのです。僕も自信がない。

でもまあ、一応これまでの知識でもって、「フデリンドウ」と即答はしておきました。

繰り返し言ってきたことだけれど、僕は、蝶と蝉、それに植物では野生アジサイについてだけは(自分の脚と目と頭でもって一から調べているので)分類や同定に自信を持っていますが、それ以外に関しては、呆れるほど無知無学なのです。

その僕の貧弱な知識では、「ハルリンドウは花冠が平開、フデリンドウはやや筒状」「ハルリンドウは顕著なロゼットを持ち、フデリンドウはロゼット葉を生じない」「ハルリンドウは一茎に一花、フデリンドウは複数花が密生する」(それと「九州でのハルリンドウの分布は、かなり限られる」)といった、うろ覚えの区別点。

それに照らし合わせれば、(根生葉なのか大きめの茎葉なのか判断に迷ったりはしますが)概ねフデリンドウで間違いないと思います。でも、やっぱり自信がなくなってきた、、、。

ということで、改めていろいろと調べてみました。その途上で、フデリンドウとハルリンドウには、もっと決定的な、というか根本的な相違点があることに気付きました(むろん知ってる人は知ってるのでしょうけれど)。

僕のブログで、リンドウの話題を取り上げた“最初のきっかけ”に戻ることになります。「雄性先熟」の話です。

僕が撮影した写真や「中国植物志」の記述(120種!)を、もう少し詳しく調べなければなりません。ちょっと時間がかかりそうです。

一応、次の回で詳しく説明する予定です。

・・・・・・・・・・

以下、あや子さんが送ってくださった、日本のフデリンドウ(たぶん)の写真を紹介しておきます。種Gentiana zollingeri(中国名は日本名と同じ“筆竜胆”)としての分布域は、日本(模式標本産地)および日本海対岸地域から中国東北部~東部~中部の低山帯(南部や四川・雲南には分布を欠く)。ちなみにハルリンドウは日本固有種、大陸部での姉妹種については、これから調べます。



フデリンドウGentiana zollingeri 長崎県佐世保市2020.4.30 Photo by Fumiko Hanaoka



フデリンドウGentiana zollingeri 長崎県佐世保市2019.4.7 Photo by Fumiko Hanaoka



フデリンドウGentiana zollingeri 長崎県佐世保市2018.4.26 Photo by Fumiko Hanaoka



フデリンドウGentiana zollingeri 長崎県佐世保市2017.4.25 Photo by Fumiko Hanaoka



フデリンドウGentiana zollingeri 長崎県佐世保市2016.4.16 Photo by Fumiko Hanaoka



フデリンドウGentiana zollingeri 長崎県佐世保市2012.4.13 Photo by Fumiko Hanaoka




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