東洋のレタス“麦菜”の謎 Ⅱ②
広西梧州2011.9.15-17
桂林-センツエン間は、ふだん夜行寝台列車を利用しているのですが、時期によってはチケットが入手しにくい事もあり、最近は長距離バスを利用しています。朝出発して夜に着く便や、列車同様夜出発して朝到着する夜行便もありますが、日程的に余裕がある時は、中間地点の梧州(広西と広東の境界近くにある大都市)で一泊することにしています。ここの常宿の「梧州大酒店」は、各階ごとにワイアレスの無線ケーブル(僕のパソコンでも利用可能な日本語での表示)が完備していて、中国一インターネットがスムーズに行えるため、何日か連泊することもあります。
でも、ただ室内に籠っているだけでは勿体ないので、この機会に“麦菜”の実態をチェックしておこうと、近くの畑へ探索に出かけることにしました。別に、梧州でなくとも、桂林でも広州でも最初に麦菜に出会った陽春でも良かったのですが(いずれも梧州から4~5時間の距離)。
歩いて1時間程の耕作地。畑のあちこちに塔(正確な漢字が出て来ないのでこの字を当てておきます)の立った麦菜が、場所によっては広い面積に固まって(あるいは一本だけがポツンポツンと)見られます。畑の作物の数分の一程度を、塔の立った麦菜が占めているように思えます。全て苦麦菜で、中でも甜麦菜と呼ばれるものの由。油麦菜は今はほとんどない(後で気付いたのですが、ごく若い芽生え始めたばかりの苗が幾らかあったようです)とのこと。花も種子も明らかにアキノノゲシと相同ですが、葉の印象はやや異なっていて、育種改良された栽培品であることが窺い知れます。
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塔の立った苦麦菜の株の集合が目立ちます。
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一株だけポツンと立っている株もあちこちに。どのような意味があるのでしょうか?
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塔立ち株も、まだ若々しい葉を付けた集団から、枯れた葉を纏った集団まで様々です。
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ところどころに苗床のような場所もあるようです。
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塔立ち株の葉の様子は様々ですが、全縁で、先に近い部分まで幅広く、確かに“ウサギの耳”を思わせます。
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頭花は、大きさもイメージもアキノノゲシそっくりです。
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舌状花は(ほとんど白と言っても良い)ごく薄い黄色。雌蕊(with雄蕊)が鮮やかな濃黄色のため、離れた所からは、全体が卵黄色に見えます。
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種子の色や形もアキノノゲシと全く同じで、左右に広い翼を持ちます。綿毛を見ると、広い意味でのタンポポの仲間(キク科タンポポ連)であることが、よく分かります。
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熱帯の蝶、シロオビアゲハにウラナミシロチョウ。日本本土におけるアキノノゲシと蝶(例えばクロアゲハやモンキチョウ)の組み合わせとは大分異なります。