恐怖の大晦日(徐夕)がやってきました(春節は1月25日~31日)。
僕の住むボロ(本当にメチャボロです)アパートには、30~40世帯が住んでいるようですが、昨晩大家さんがやってきて、「春節期間は皆故郷に帰って、このアパートには貴方一人しかいなくなる、(泥棒が出没するので)戸締りにはいつも以上に気を付ける事(モニカからもその旨伝言頼むと強く言われている)」と注意されました。近くの商店が空いてないということで、乾燥麺とか卵とか野菜とかを持ってきてくれました。
卵と言うと、以前、悲惨な体験をしたことがあります。
スーパーで生卵を買って、レジで支払いをしている最中に、突然爆発してしまった。パン!という音がして、中から煙のようなものが出てきた。レジのおばちゃんも周りのお客さんも一瞬びっくりしてはいましたが、すぐ何事も無かったように平静に戻りました。
レジのおばちゃんは謝りもせず、平然と「別のに取り替えましょうか?それとも返金しましょうか?」と。僕は「いいです」と言って、そそくさに店を出ました(正直怖かった)。
本当は、「そんな問題じゃないでしょう、これは大事(おおごと)でしょう、一体どんな原因で、、、、」とか問い質したいところなのだけれど、それを言っても、「このお客、何を文句言ってるのかしら」と思われるだけです。したがって、中国ではどんな理不尽な目にあっても、常に「ブチ切れる」と同時に「諦めて」もいるのです。
“卵が爆発した、餃子に毒が入っていた、ニセ札を掴まされた、子供が食堂のゴミ箱にウンチしている、、、、そんなのは当たり前(よくあること)で、批判するほうがおかしい” と中国人は言います。それも一つの文化なのでしょう。ある意味、究極の自由な国ですね(笑)。
【制御機能を持たない人々】
一昨日の帰宅時に、春節期間のバスの時刻を確かめておくことにしました。バスターミナルのスタッフに尋ねると「貼ってある紙を見ろ」と言います。しかし、そこには行きの時刻しか示されていない。それで、「(都心からここまでの)帰りの発車時刻を知りたい」と改めて問いました。「それはここに貼ってる紙に書いてある」と、到着時刻の所を指差して示します。
「そうじゃなくて、向こう(都心のターミナル)の出発時刻を教えて欲しいのです」とい言ったとたん、いきなり殴られてしまいました。中国人(の多く)は、気にくわないことがあると、すぐ手を出してきます。少しの我慢も出来ないのではないかと思います。
いわば大衆全体が、日本でいうところの「無敵の人」状態、と言って良いのかも知れません。日常的に、“制御機能発動”のスイッチが切れた状態でいるわけです。日本人には、そのような人はほとんどいません。“自制装置”が幼少時から組み込まれています。その分、無意識のうちにストレスが溜まってか、 (「無敵な存在」に追い込まれて)スイッチが切れたときは、とんでもない事態を引き起こすわけですが、、、。
天安門事件の際に多数の犠牲者(「体制」側「学生」側共々)を生み出した要因、あるいは香港デモが収拾のつかない暴動と化した(同上)要因は、そういった「中国人的(香港人も基本中国人です)気質」が、元になっているように思えてなりません。
爆発卵の話に戻ります。その体験がトラウマになって、2年近くの間、中国では生卵の購入を避けていました(モニカからも中国の卵とミルクには気を付けるように、と言われている)。しかし、懐事情と栄養補給の必要性から、そんなことも言っていられなくなった。
バスターミナルのスタッフに暴行を受けた(ただしバスの運ちゃんは概ねフレンドリーで親切)のと同じ一昨日の夜のことです。ターミナルの上階にあるスーパー(爆発卵を買った所)に行って、思い切って2年ぶりに生卵を買ってみることにしました。念には念を入れて、色艶のよさそうなのを選んで、、、。
春節前のゴーストタウン化した僕のアパート周辺で、唯一大晦日直前まで営業していたのが、この比較的高級なスーパーです。僕の住むアパートは、埃にまみれた、紛いなき超ボロ屋なのですが、すぐ近くの湖?の周辺には、超高級住宅が立ち並んでいます。その中にあるスーパーです。いくら何でも2度続けて爆発することはないだろう、と思っていました。むろん、爆発しませんでした。
さて、部屋に帰って、インスタントラーメンに卵をかけて食べようとしたところ、なんと買った2個ともが、腐っていた!部屋の中に猛烈な悪臭が広がります。すぐにトイレに捨てたのですが、しばらくの間は悪臭が消え去りませんでした。
これじゃ、「肺炎ウイルス」だって容易に発生しますわね。もちろん「新型」だってあるのでしょうけれど、それ以前に、恒常的に「肺炎ウイルス」などが蔓延しているんじゃないですか? それらも(これまでチェックが為されぬまま)、中国発で世界中に蔓延しちゃってる可能性もあると思います。
先に記したように、「新型コロナウイルス」に関しては、「武漢・湖北省特有の生物地理学的背景」が考えられることと共に、似たような病原体は、中国に於いてはごくごく日常的に発生しているにも関わらず、メディアで拡散されていないだけ、といった側面もあるような気がします。
ちなみに、大家さんの持ってきてくれた生卵は、正常でした。多分、彼らは、見分けるコツを知ってるのでしょう(でも恐怖で食べられずに結局捨ててしまった)。
【トーストやバターの入手は一苦労】
スーパーマーケットに関する話題を少し追記しておきます。
今日も、ある用事があって都心に出ました。幸い親切な運ちゃんに当たり、帰りの最終バスが4時半 であることを教えて貰えました。今日は無料なのだそうです。
用事が済んだあとは、エスプレッソ・ソロ一杯を注文、向かいのマクドで買ったハンバーガーを食べながら(こんな贅沢していいのでしょうか?)スタバの電源席で終バスの出る夕方まで粘ります。
食費予算を2000円ほどゲットしたので、ついでに10日分の食料を買いだめておくことにしました。超の字が2つほどつく高級スーパーです。主目的は、食パン(トースト)とバターの購入。中国では、これが極めて難しいのです。
トースト自体は、いろんな種類のが、山のように揃えられています。しかし、どれもこれも「味がついた」ものばかり。概ね甘くて、あとはミルク入りか卵入り。数十種類、数百個のトーストの中から、ただ一個だけ「原味」のトーストを、やっと見つけ出しました。
次に、バターが難しい。中国人は、まず(こんがり焼けた)トーストにバターを塗って食べる、などという習慣はなさそうなのです。だから、バターがあったとしても、非常に高い。欧米人や日本人の好む食品は、概ね高価と考えて良いです。
食パン(原味)一斤、バケット(たぶん味はついてないと思う)一本、バター(賞味期限切れ)200g、ネスカフェのブラック(コーヒーもブラックの方が高い)一瓶、ブロッコリー一束、それに5個入り一袋の「出前一丁」。ちょうど2000円です。お米は高くて買えなかった(3~4日分、ジャガイモやタマネギ共々確保済み)。お茶も高くて買えなかった(コーヒーとお湯で十分)。これで10日間部屋に蟄居します。
明日は、一人で“新年快楽”です。