青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

春の乙女 ツマキチョウ♀

2023-04-01 21:56:45 | コロナ、差別問題と民主化運動、身近な自然



ツマキチョウ属は東アジアに4種。日本(日本海周縁地域)と中国(長江流域周辺地域)に分布するツマキチョウAnthocharis scolymus、その西方のチベット高原周辺地域に分布するユキワリツマキチョウAnthocharis bieti、中国東部固有のヒイロツマキチョウAnthocharis bambusarum、ヨーロッパまで広く分布する(日本では南アルプス・北アルプス・頚城山塊)クモマツマキチョウAnthocharis cardamines。いずれも雄の翅の先端がオレンジ色で、雌は白色。もちろんビジュアル的には雄が美しいのだけれど、シンプルな白色の雌もまた魅力的だと思います。それと翅を閉じた時の後翅裏面の独特の唐草模様も素敵。



ところが、珍しい蝶(ユキワリツマキチョウとヒイロツマキチョウの生態写真はたぶん僕が世界で最初に撮影した)である他の3種に関しては、翅を閉じた写真もあるし、クモマツマキチョウとヒイロツマキチョウは雌の写真も撮影しているのに、身近な蝶であるはずのツマキチョウは雌の写真も翅裏の写真も(手許には)ありません。



40年以上前にポジフィルムで何枚か撮影しているのだけれど、今探し出すのは困難。その中には、以前住んでいた東京世田谷区羽根木公園で写した菜の花(アブラナ)に産卵中の写真もあります。一般に、ツマキチョウの食草は野生のタネツケバナ類やハタザオ類とされていて、菜の花を食べることについてはほとんど言及されていない。でも東京の街中(羽根木公園)では、確かに菜の花に産卵しているのですね。例外的な現象なのだろうか、とずっと思っていました(*注:セイヨウカラシナやカキネガラシへの産卵例は報告されています)。



でも昨日今日、福岡の僕のアパート入口の路傍脇の菜の花に、何度も繰り返し産卵に訪れていた。菜の花は(アブラナもセイヨウアブラナも)人為的に導入された外来植物なので、本来の食草ではないわけですが、現在では主要食草になっていることは間違いないと思います。



春早く年に一度しか出現しないので、小さなモンシロチョウと誤認されて(それと滅多に止まらないこともあって)見過ごされて、その存在が余り認識されていないように思われます。結構都市周辺にも普通にいる身近な蝶なのです。


































コメント
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