青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

未来は明るい、、、かも

2024-12-05 08:02:54 | 雑記 報告

 

たまたまこのブログをチェックしていたら、同じカテゴリーのところにトンボのコラムを見つけました。

 

「トンボ自然史研究所」 (理学博士、北海道教育大学)生方秀紀さんのコラムです。

最新記事は、

20世紀日本のトンボ自然史解明に貢献した研究者トップ10の研究キーワードと横顔

 

 

これが蝶だったら、いろいろと内情を知っているので無視するのだけれど、トンボの世界は着かず離れずの距離にあります。ずいぶん不謹慎なテーマ、たぶん半分冗談なんだろう、いや案外本気なのかも知れない、などと思いつつ、覗いてみることにしました。

 

なかなか興味深い内容でした。それぞれの研究者の肩書が付されているところがミソですね。その分析をしたりしています。読んでみてください。実に爽快で面白い。

 

1位は、もちろん朝比奈正二郎博士。蝶だと白水隆(以下、敬称略)になるのでしょうが、ベスト10には現役の嫌なやつらの名前が連なっている可能性があります。精神的によろしくありません。そこに行くとトンボは僕の守備範囲外なので、純粋に第三者的に楽しめる。ちなみにセミの場合だと(研究者数の分母が少ないので)加藤正世でしょうね。現代の林正美と一騎打ちになるかも知れませんね。アマチュア(セミプロ)を加えれば、税所康正氏が食い込む可能性もあります。

 

朝比奈正二郎に関しては、場外乱闘的な(実にくだらない)逸話があります。もう何十年も前のことですが、街角で好みの女の子とすれ違いました。思わず声をかけた。本人としては必死だった(-_-;)のだけれど、まあ、ありきたりのナンパですね(笑)。

 

カフェに入ってコーヒーを。首尾よく名前も聞き出しました。朝比奈さんです。僕の自己紹介、蝶の写真を写しています。すると彼女曰く、私のおじいちゃんもトンボの研究してるのですよ。え?おじいちゃん、、、まさか朝比奈正二郎??

 

いやもう、狼狽ですね。こんなことが知れたら、トンボの世界からも抹殺です。軽率に声をかけたことを謝って(今考えたら別に謝ることもなかったのだけれど)ほうほうの体で、カフェを後にしました。

 

4位には生方氏本人。7位に懐かしい方の名前が入っています。曽根原今人氏、高校教師(生方氏の岳父だそうです)。

 

今から60年以上前の中学3年の夏、小学校時代の同級生の高木君、西山君と3人で、北八ヶ岳を縦走(天狗岳~蓼科山)しました。途中の雨池で、女子中学生(高校生?)数人のパーティと一緒に記念写真を撮った。引率の先生が曽根原氏。あとでその時の写真を送ってきてくださったのです。可愛い(僕の好みのタイプの)娘が一人いたのですね。すぐにお礼の返事を出して、チャンスをものにせねば、、、と気が焦るばかりで、結局は返事を出しそびれ、60年余が経ってしまった(今もその手紙を大事にとっている)。

 

詰めが甘すぎます。60年、時を巻き戻すことが出来れば、うまくやれる自信はあるのですが、、、、。

 

同じ昆虫でも、蝶とトンボは、対極に位置します。わかりやすく言えば、蝶は昆虫の中で最も進化した一群。完全変態。幼虫と成虫の形や行動が著しく異なります。トンボは昆虫の中ではかなり原始的な一群です。不完全変態。幼虫が水中で生活し、成虫は地上や空中で生活するという違いはありますが、基本的な体の構造はさほど変わりがなく、ともに他の昆虫や小動物を狩って餌とします。

 

ただし、共通点も少なくありません。日中に活動、成虫が空中を飛ぶ。大きな翅をもつ、等々。被写体として、同じようなアプローチで接することが出来ます。種類数のボリュームも概ね同じです。

 

写真撮影を始めた頃は、蝶と並んでトンボの撮影もそれなりに一生懸命やっていたのですよ。でも途中で止めてしまった。自信の一枚を紛失してしまったからです。

 

渓流の緑の茂みの、川面にキラキラと射す反逆光の中を、交接産卵飛翔するキトンボ。いやもう抜群の自信作だったのです。この写真を旧友のO嬢(某雑誌の編集長で若手トンボ研究者、僕のデビュー作は彼女との合作)に貸し与えたら、失くしてしまったと。

 

O嬢のことは以前ブログに書きましたね。少々ピントが外れたハチャメチャ人間ではあるのですが、稀有の天才です。僕の旧友では、朝日新聞のK氏と双璧。当時は非常に仲が良かった悪友です。

 

写真は何処かに紛れ込んで多分永久に出てこない、のだそうです。諦めざるを得ません。それから何年か経ったある日、引っ越しするので手伝いに来い、と電話。(遠いところなので)いやだ、と断ったら、“部屋をかたずけている過程で件の写真が出てくるかも知れん”と言うじゃないですか。

 

そんなわけで遠路長野県のアパートに助太刀に行ったわけです。夜通し片付けたけれど見つからなかった。O嬢曰く、“え、そんなこと言ったっけ、あるわけないでしょ”。

 

でも良いこともありました。翌朝、別所温泉に行って、その帰路彼女のトンボのフィールドの溜め池を案内してもらった。後にそこで絶滅寸前のオオルリシジミを撮影することが出来たのです。

 

その数年後だったか、(よくわからん成り行きで)O嬢と増冨温泉に行ったとき、アカエゾゼミの全身真っ赤なお宝個体を撮影することが出来た。幸運の女神でもあります。キトンボ紛失は相殺しても良いかと(ずっと後、O嬢とはつまらんことで絶交?して、その後30年近く 連絡していません、元気でいることを願っています)。

 

まあそんなわけで、自信作を失くして熱が冷め、それ以降は積極的にトンボの撮影はせずにいます。もしその写真を失くしていなければ、今頃蝶ではなくトンボに嵌っていたかも知れません。

 

話を変えます。25年前、平凡社新書「世界遺産屋久島の森~大和と琉球と大陸の狭間で」を上梓しました。この作品は僕の文章面での自信作であります。内容を否定的に捉える研究者らも多いようなのですが、きっと将来、正当な評価が為されるものと、信じて疑いません。

 

その中に、魚の話題、ある論文を引用して屋久島のヨシノボリ類(ハゼの仲間)の話を書きました。論文の執筆者は今の上皇さん(当時の平成天皇)です。上梓後、ぜひ献本したいと望んでいたのだけれど、叶いませんでした。なんとなれば担当編集者からダメ出しが出たのです。彼は熱心な共産党員で、天皇に献本などとんでもない、と。僕も思想的には彼と同じで立場上天皇批判の側なのですが、ここはノーサイドで良いんじゃないですかね。上皇さんにも読んでもらいたかったので、心残りではあります。

 

皇室批判は別として、親近感もあります。平成天皇がハゼ。昭和天皇は専門がウミウシで趣味?が植物。秋篠宮は専門がナマズで趣味がニワトリ。その息子(もしかすると将来の天皇になるかも)はトンボに夢中です。

 

天皇の発言力はハンパじゃないと思います。トンボを始めとした野生生物(ことに環境整備)に対する国民の理解・関心は高まるのじゃないでしょうか?

 

案外、明るい未来が開けなくはないとも限りません、、、。

 

*この記事は、福岡空港-成田空港の飛行機の中と、成田空港駅-河辺駅の電車の中で書きました。

 

 

 

 

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする