★文章が長いので、“狭間のシンガー”24人衆の紹介 ② 『ボビー・ダーリン/ロイ・オービソン』①~③まで、分けて載せます。
“狭間のシンガー”24人衆の紹介 ② 『ボビー・ダーリン/ロイ・オービソン』①
Bobby Darin 55位
1936.5.14 New York出身
マックザナイフ/初恋の並木道
Roy Orbison 68位
1936.4.23 Texas出身
オンリーザロンリー/恋のむせび泣き
【共に1936年生まれの、本格派“ティーン・ポップス”歌手】
前回のリッキーとエヴァリー、ちょっと頑張りすぎてしまいました。この後、まだ22人分を書かねばならぬのです。それも、週3回(日曜は不定期)だから、2日に1回近い割合。ハードすぎます。それでなくとも、僕には彼らについての知識は、大して持ちあわせていない。手元にはCDも僅かしか無ければ、書籍などの資料も皆無。You-Tubeは開けないし、、、。うろ覚えの知識に、ネットで可能な限りのデータを収集して、誤魔化し誤魔化し書いていくしかありません。それも、興味のある歌手の場合はともかく、余り良く知らない歌手(正直、全員大好きなのです、でも、こと“歌”そのものに対しては、好みの傾向とそうでない傾向があるので)の場合は、なんとも書きようがない。
というわけで、①日本に帰国後、CDや資料を収集、もっと勉強してから再開する。②予定の順序通りにではなく、ある程度良く知っていて書く材料が揃っている歌手から、順に紹介して行く。③書く材料があろうが無かろうが、ともかく予定の順番に沿って進行。①~③のどれで行くか、考えたのです。結論は③。それも、無責任に進めて行く、という条件付き。よく知らない歌手については、写真の紹介だけでも良いくらいのつもりで、とにかく何でもいいので、思い付いたことを書いて見る。
第2回は、ボビー・ダーリンBobby Darinとロイ・オービソンRoy Orbisonです。第一回目の、リック・ネルソンRickNelsonとエヴァリー・ブラザースThe Everly Burathersに負けない大物です。書きたいことも、書かねばならないことも、山ほどあります。でも、悲しいかな、CDも資料も、手元にほとんどない。相当に、独断と偏見に満ちた内用で進めていきます。
この二人、共通点は数多くあります。同じ1936年生まれ。1956年にレコードデビューし、数年間は不遇だったこと。
ソングライターとしても素晴らしい実績を残していること。心臓の病気で亡くなること。等々。
でも、リアルタイムではなく、現在の、一般的(といっても、オールデイズやアメリカンポップス好きの人達から見た)人気は、対照的だと思う。統計的な分析をしたわけではなく、あくまで“空気”です。誤解を恐れずに言えば、Bobby Darinは、見事に人気が無い(24人中、最下位に近いかも?)。そして、Roy Orbisonの評価は、たぶん24人中のNo.1でしょう。客観的に見れば、リアルタイムでの実績&実力に於いて、評価されるべきところは、5分5分だと思っているのです。音楽、という分野全体からの評価なら、Darinのほうが上かも知れません。何しろ、フランク・シナトラの後継者です。でも、オールデイズ愛好家からの評価は、不当に低い(逆に、唯一「Dream Lover」のみは、過剰とも思えるほどの評価を受けているのですが)。
数年前(2004年)、Bobby Darinの伝記映画「Beyond the See(海の彼方に)~夢見るように歌えば」が封切られました。かなりの話題になったと思うので、ご覧になった方も多いでしょう(実は僕はまだ見ていない、ごめんなさい)。監督・主演のKevin Spaceyが、アテレコではなしに自分でDarinの歌を歌う、という力演だったそうです。運が悪かったのは、Ray Charlesの伝記映画「レイ/Ray」とぶつかってしまったこと。アカデミー賞の様々な部門が、全部「Rey」のほうに行ってしまい、「海の彼方に」は、一つも受賞出来なかった、Kevin Spaceyが、あれだけ熱演しているのだから、一つぐらいは上げてもいいのにと、コラムニストの中野翠さんが嘆いていました。なんだか、現在のDarinの評価に対する不当性を、示しているようにも思うのです。
ちなみに、Bobby Darin本人もアカデミー助演男優賞にノミネートされた(Gregory Peck主演「ニューマンという男」1963年)と言うほどの演技力の持ち主。
彼はRay Charlesに心酔していて(Rayにレスペクトするアルバムもある)、白人版Ray Charlesを目指していたように思われます。その「Ray」が対抗馬となって、受賞を逃がしてしまったわけで、Darinも草葉の陰で苦笑いしていることでしょう。賞と言えば、音楽のほうはグラミー賞ですが、“狭間の歌手24人衆”の中で受賞経験者はBobby Darin(1959年の「Mack the Knife」で「新人賞」と「最優秀楽曲賞」)ただ一人(注:時代が異なるので一応除外したが、Roy Orbisonも、1980年に、Emmylow Harrisとのデュエット曲「That Loving You Feeling Again」、没後の91年に「Oh, Pretty Woman」で受賞)。大体、ノミネート自体の経験者が、ほとんどなく、Some Cookeが度々ノミネートされている以外には、2回ノミネートは、Bobby Darinのほか、Neal SedakaとJohnny Tillotson(大したものだと思います)とBrenda Leeだけではなかったかと記憶しています。Bobby Darinはもう一回、62年の「What'd I Say」で、何とR&B部門にノミネートされている。この曲は、僅か2年前にRay Charles(彼のオリジナル)で大ヒットしたばかり、それを、ほとんどそのままコピーした形なのに、それでいてPop24位まで上昇し、グラミー賞のR&B部門にノミネートされるのですから、実力のほどが窺い知れます。
アメリカンポップスやオールデイズの愛好家に人気がない、といえば、Brenda Leeも、そうかも知れません。性別、年齢、早世長命を別とすれば、この2人、非常に共通点があるように思えます。活躍時期や実績も似ていますが、何よりも歌のティスト(taste)が似てる。そしてキャパシティーの幅が広いのです。
いわゆるポップ・ミュージックは、4つの要素から成っているのではないか、と思うのです(とりあえず「ロック」的要素については別に考えます)。①Pops(誰かが言っていましたが、Popsと語尾に“S”が付けば、現在ではオールデイズに集約される、いわゆる“ティーン・ポップス”などを指し、一方、“S”無しのPopだと、大人の音楽、今語ろうとしている分類で言えば、むしろ次のジャズ的な要素の音楽を指すと)。②ジャズ・ヴォーカル(必ずしも“イコール”ではありませんが、チャートの上では、多くがAdult Contemporaryのカテゴリーに入るようです、大御所はFrank Sinatra)。③R&B。④C&W。
“狭間のシンガー”24人衆の紹介 ② 『ボビー・ダーリン/ロイ・オービソン』①
Bobby Darin 55位
1936.5.14 New York出身
マックザナイフ/初恋の並木道
Roy Orbison 68位
1936.4.23 Texas出身
オンリーザロンリー/恋のむせび泣き
【共に1936年生まれの、本格派“ティーン・ポップス”歌手】
前回のリッキーとエヴァリー、ちょっと頑張りすぎてしまいました。この後、まだ22人分を書かねばならぬのです。それも、週3回(日曜は不定期)だから、2日に1回近い割合。ハードすぎます。それでなくとも、僕には彼らについての知識は、大して持ちあわせていない。手元にはCDも僅かしか無ければ、書籍などの資料も皆無。You-Tubeは開けないし、、、。うろ覚えの知識に、ネットで可能な限りのデータを収集して、誤魔化し誤魔化し書いていくしかありません。それも、興味のある歌手の場合はともかく、余り良く知らない歌手(正直、全員大好きなのです、でも、こと“歌”そのものに対しては、好みの傾向とそうでない傾向があるので)の場合は、なんとも書きようがない。
というわけで、①日本に帰国後、CDや資料を収集、もっと勉強してから再開する。②予定の順序通りにではなく、ある程度良く知っていて書く材料が揃っている歌手から、順に紹介して行く。③書く材料があろうが無かろうが、ともかく予定の順番に沿って進行。①~③のどれで行くか、考えたのです。結論は③。それも、無責任に進めて行く、という条件付き。よく知らない歌手については、写真の紹介だけでも良いくらいのつもりで、とにかく何でもいいので、思い付いたことを書いて見る。
第2回は、ボビー・ダーリンBobby Darinとロイ・オービソンRoy Orbisonです。第一回目の、リック・ネルソンRickNelsonとエヴァリー・ブラザースThe Everly Burathersに負けない大物です。書きたいことも、書かねばならないことも、山ほどあります。でも、悲しいかな、CDも資料も、手元にほとんどない。相当に、独断と偏見に満ちた内用で進めていきます。
この二人、共通点は数多くあります。同じ1936年生まれ。1956年にレコードデビューし、数年間は不遇だったこと。
ソングライターとしても素晴らしい実績を残していること。心臓の病気で亡くなること。等々。
でも、リアルタイムではなく、現在の、一般的(といっても、オールデイズやアメリカンポップス好きの人達から見た)人気は、対照的だと思う。統計的な分析をしたわけではなく、あくまで“空気”です。誤解を恐れずに言えば、Bobby Darinは、見事に人気が無い(24人中、最下位に近いかも?)。そして、Roy Orbisonの評価は、たぶん24人中のNo.1でしょう。客観的に見れば、リアルタイムでの実績&実力に於いて、評価されるべきところは、5分5分だと思っているのです。音楽、という分野全体からの評価なら、Darinのほうが上かも知れません。何しろ、フランク・シナトラの後継者です。でも、オールデイズ愛好家からの評価は、不当に低い(逆に、唯一「Dream Lover」のみは、過剰とも思えるほどの評価を受けているのですが)。
数年前(2004年)、Bobby Darinの伝記映画「Beyond the See(海の彼方に)~夢見るように歌えば」が封切られました。かなりの話題になったと思うので、ご覧になった方も多いでしょう(実は僕はまだ見ていない、ごめんなさい)。監督・主演のKevin Spaceyが、アテレコではなしに自分でDarinの歌を歌う、という力演だったそうです。運が悪かったのは、Ray Charlesの伝記映画「レイ/Ray」とぶつかってしまったこと。アカデミー賞の様々な部門が、全部「Rey」のほうに行ってしまい、「海の彼方に」は、一つも受賞出来なかった、Kevin Spaceyが、あれだけ熱演しているのだから、一つぐらいは上げてもいいのにと、コラムニストの中野翠さんが嘆いていました。なんだか、現在のDarinの評価に対する不当性を、示しているようにも思うのです。
ちなみに、Bobby Darin本人もアカデミー助演男優賞にノミネートされた(Gregory Peck主演「ニューマンという男」1963年)と言うほどの演技力の持ち主。
彼はRay Charlesに心酔していて(Rayにレスペクトするアルバムもある)、白人版Ray Charlesを目指していたように思われます。その「Ray」が対抗馬となって、受賞を逃がしてしまったわけで、Darinも草葉の陰で苦笑いしていることでしょう。賞と言えば、音楽のほうはグラミー賞ですが、“狭間の歌手24人衆”の中で受賞経験者はBobby Darin(1959年の「Mack the Knife」で「新人賞」と「最優秀楽曲賞」)ただ一人(注:時代が異なるので一応除外したが、Roy Orbisonも、1980年に、Emmylow Harrisとのデュエット曲「That Loving You Feeling Again」、没後の91年に「Oh, Pretty Woman」で受賞)。大体、ノミネート自体の経験者が、ほとんどなく、Some Cookeが度々ノミネートされている以外には、2回ノミネートは、Bobby Darinのほか、Neal SedakaとJohnny Tillotson(大したものだと思います)とBrenda Leeだけではなかったかと記憶しています。Bobby Darinはもう一回、62年の「What'd I Say」で、何とR&B部門にノミネートされている。この曲は、僅か2年前にRay Charles(彼のオリジナル)で大ヒットしたばかり、それを、ほとんどそのままコピーした形なのに、それでいてPop24位まで上昇し、グラミー賞のR&B部門にノミネートされるのですから、実力のほどが窺い知れます。
アメリカンポップスやオールデイズの愛好家に人気がない、といえば、Brenda Leeも、そうかも知れません。性別、年齢、早世長命を別とすれば、この2人、非常に共通点があるように思えます。活躍時期や実績も似ていますが、何よりも歌のティスト(taste)が似てる。そしてキャパシティーの幅が広いのです。
いわゆるポップ・ミュージックは、4つの要素から成っているのではないか、と思うのです(とりあえず「ロック」的要素については別に考えます)。①Pops(誰かが言っていましたが、Popsと語尾に“S”が付けば、現在ではオールデイズに集約される、いわゆる“ティーン・ポップス”などを指し、一方、“S”無しのPopだと、大人の音楽、今語ろうとしている分類で言えば、むしろ次のジャズ的な要素の音楽を指すと)。②ジャズ・ヴォーカル(必ずしも“イコール”ではありませんが、チャートの上では、多くがAdult Contemporaryのカテゴリーに入るようです、大御所はFrank Sinatra)。③R&B。④C&W。