世紀の愚法と、待ちに待った朗報が、同時に飛び込んできました。
世の中、バカな人も賢い人もいるはずなのですが、JR関係者の偉い方々が、まさかここまでバカだとは、思ってもみませんでした。
青春18切符の存在意義は、なんといっても廉価で自由にスケジュールが組めること。少々体力・気力が必要なのでその覚悟がある人、時間を気にしなくても済む人、それらの人々が挙って利用していたのです。
JRは、何を血迷ったか、それを根底から覆す愚策に出た。
1万2000円で、期間(今回は12月10日から1月10)中の5日間、JR管轄下のあらゆる路線で、自由に乗り降りが出来る。
今回からは、全くコンセプトが変わってしまい、限られた状況下(5日連続使用)でしか使えなくなってしまいました。これまでだと、例えば、12月10日に福岡新飯塚駅を出発、その日の夜に関西(一応姫路)に着いて、そこに数泊。その後12月15日に東京に向かって中央・青梅線河辺駅で降りて、アパートの自室に滞在。1週間、部屋の段ボール箱の資料を整理し、その間にいろんな用事を済ませて、1月30日に九州に向け西下、途中数泊して2月上旬に飯塚のアパートに戻る。日にちの選択は、通用期間中だったらいつでも構わないわけです。しかも、さらに1枚切符が残るので、東京滞在中にあちこちに寄るとか、途中、信州とか関西とかで丸1日寄り道をするとか、九州に戻ってきてから大分なり熊本なりを往復するとか、様々なことが可能だったわけです。
それが、5日連続で乗らねばならぬとなると、一つの決まりきった行動しかとれなくなります。具体的には、12月10日に福岡新飯塚を出発すると(一日で東京に行くのは無理なので)その日は関西のどこかで宿泊、翌11日夜に東京河辺、自宅に1泊し、12日朝にUターンで西下し関西泊、13日に福岡飯塚に戻り、残った1枚で14日に熊本往復。それ一択のみしか許されなくなってしまう(途中1日でもどこかで滞在が伸びたら無効になる)。単に「5日連続で列車に乗り続ける」ことだけが目的と化します。そんなことのために、この切符を使う人など、ほとんどいないはず(むろん僕も利用不可)。
俄かに信じ難いほどの、未曽有の愚行です。これを決定した人達、「青春18切符」の存在意義をわかっているのだろうか。わかっていてやっているとしたら、「自由な旅行はしてはいけません」「皆同じように行動しなさい」と強引に押し付けていることになります。恐ろしい(かつ情けない)話ですね。
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良いニュースも。
ついに中国が、日本人のノービザ短期滞在の拒絶を解除し、以前のような15日間の中国各地への自由な旅が可能になった。
観光ビザで入国した場合は、特定地域の特定観光しかできなかったのが、ノービザ滞在によって、自由に(奥地を含めた)各地を行き出来ることになったのです。
なんだか、日本と中国の実態が、一昔前とは逆転してしまいつつあるようにも思えます。
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今夜はTVで、(つけっぱなしにしていたので)デズニ‐アニメ「モアナと伝説の海」と、映像の世紀「アイスランド:女性の休日」を見ました。前者は何が何だかよくわかんなかった。でもついつい惹きつけられてしまった。たぶん、日本人の感性では絶対同調できない、アメリカ人の感性に基づいているのだと思った。ともかくパワー満載。わけわからなかったけれど、結構よかったです。望むべくは、歌や台詞は英語(?)のままにして欲しかったですね(字幕で日本語説明入れれば良い)。
「女性の休日」。とても良かったです。いわゆる(僕の嫌いな)「カウンター・カルチャー」の一種ではあるのでしょうが、「イデオロギー」が前面に出ず、重いテーマであるにも関わらず、(良い意味での)軽さやシンプルさを、好ましく感じました。(手塚治虫の「火の鳥」の中の、お手伝いロボットが一斉に反乱を起こす一場面を思い浮かべました)。