星野監督の談話は素晴らしかった。いわく、 >就任当時、いきなり大震災があった。これは前を向くしかないと。被災者の皆さんに強さを見せて、少しでも心を和らげてあげたかった。これで全てをお返ししたわけではないけれど、東北の皆さんと一緒に歩んでいこうと思う。 と、すべてをお返しと言うのはなんだろう。思いがあるのだろう、どんな思いか。仙台市の市長はチームを誘致をした人だった。いわく、 >球団創設時、仙台市市民局次長として東北楽天の誘致に関わった奥山恵美子市長は「106万市民が9年間待ち望んだタイトル獲得が実現し、うれしい。選手や監督、ファンが喜ぶ姿に胸が熱くなった」と話した。元楽天監督の野村克也氏は、 >星野監督の手腕じゃないか。私の時の選手は田中と嶋くらいしかいない。自分が監督の時も社長や球団代表に、中心なき組織は機能しないと口酸っぱく言っていた。野球はエースと4番がしっかりできれば後は枝葉だから、それが今はできている . . . 本文を読む
詩のリズムとは韻である。音韻律であるが、日本語では音数律になる。音節の数を言う。あの五七調とか七五調である。この韻律をアクセントによるとするのが文芸における詩である。しかし日本語はそのアクセントに因らない。音節のまとまりを仮名文字ごとに作る日本語で、そこで音がまとまるためである。音がまとまると言うのは聞こえのことである。音韻律は音声をそろえることで頭韻、脚韻など詩をまとまりやすくした。それは行に韻を踏む語を置くことで頭韻はその詩の始まりの韻、脚韻はその詩の語の区切りをとらえる。言い換えれば詩は歌うのでわかりやすく聞きやすくしようとしたのである。その韻に導かれてアクセントをもつ語のリズムをもってその詩の独特の調子を作りだした。日本語のリズムはその音のまとまりを音節の聞え、すなわち母音で聞き取るので母音の音数がきわめて大きな特徴になる。それは特徴と言いながら5音に集約されるので単調な韻となってしまう。 . . . 本文を読む
語彙論はさまざまな日本語の現象を明らかにした。
その分析によってわたしたちの日常生活の語が捉えられる。
用語として、理解語彙と使用語彙、これはまた発表語彙でもある。
学習語彙として、基礎語彙、基本語彙など、具体的なことがらがわかるようになった。
日本人の成人が持つ日本語の語彙量はどれだけであるかが、この時代にあってのことであるが、調査によって推測できるようになった。
語を語彙項目にしてひとつひとつ、数えることから計算機の処理によって統計手法において示される。
基本語彙の説明で、基礎語彙の解説に合わせて世界大百科事典 第2版の解説には、単語の使用度数などを調査し、ときにはこれに主観的な増減を加えて、一定限度の語彙を選び出すことがある、このようなものを〈基本語彙〉と呼び(ときには〈制限語彙〉ともいう)、日本の英語教育でも中学・高校の〈必修語彙〉が定められている、というように解説する。
語の使用頻度を確かにすることで、重要語を選定する。このことは、それまでの基礎語彙が研究者、教育者によって主観的に学習語彙として選定されるのを統計データで明らかにするといえよう。 . . . 本文を読む
首相の言動が気になる。政治化のことばにあるパターンである。それも海外発信であるから、聞こえてくることが強められる。五輪招致の演説から結果を目睹した発言に人々が思い込む。それはリーダーの言うことだからだが、それに引きずられる。月一で政治外交の日本製品を売り歩くためで外の行脚をしていると自らが言い、そのおりに発言をしている。それをメディアが伝えるところ、国民から浮き上がったように離れている。福島の原発事故による汚染水問題は政府がコントロールをしていると言ったことを受けて五輪2020東京開催の招致を決めた印象がある。まさに政治ショーであった。その事実は国内での論議を超えてしまって政府の否、首相の政治家発言である。このあいだの米シンクタンクでの講演では、右翼の軍国主義者とお呼びになりたいのであれば、どうぞそうお呼びいただきたい、と発言した。 . . . 本文を読む
すぐれた絵の表現力は、源氏を語るものには、その背景にある出来事を見通させる。
物語の原文にある場面は、はるかにさかのぼり、その前のできごとに同じ場面を映画いていた。
親が子を抱き上げて持つ感懐は、そっくりそのままなのである。
それに気づかされる。
ひと世代さかのぼってのこと、若き光源氏がそこに――
もうひとつの場面とは、紅葉の賀にある。
あさましきまでまぎれどころなき御かおほつきを
藤壺が内裏にかえり、光源氏の子である若宮は、もう起きかえ利するする頃となった。
そして、あさましと思うほどに、そのお顔は似ていらっしゃる。
おぼしよらぬことにしあれば、またならびなきどちは
思いもよらぬことであるので、そうであっても、並ぶもののないものにはよく似通っているところがあるものだ、と、お思いになる。 . . . 本文を読む