物の怪と怨霊は平安時代に人々を恐れさせた。怨霊は陰陽道によって広まった。物の怪の記事は天長7年、830年に日本後紀にある。朝廷で陰陽師が祈祷をしてなだめるよう祈願する。続日本後紀を完成させた藤原良房よしふさ と、春済善縄はるずみのよしただ の影響が大きい、春澄は深く陰陽道を信じていたと病が語る日本史では述べている。御霊会ごりょうえ が行われた。朝廷では貞観じょうがん5年、863年に御霊会が行われている。
菅原道真すがわらみちざね は、延喜えんぎ3年、903年に大宰府で亡くなった。学者出身の右大臣にまでなった道真は大宰府に左遷されるという事件が起きる。左大臣藤原時平の讒言ざんげん による。そのため、悲憤慷慨した道長の祟りが都に及び、藤原時平は延喜9年、909年に39歳で怨霊のせいによって亡くなったと人々に言われた。 . . . 本文を読む
解釈をどうするか、注釈書が作られて、苦心をしてきた。
原文をまず、感性を働かせて読んで見るとよい。
歴史、社会、地域、民族、倫理、宗教と、もろもろの背景を考える。
そしてなにより、言語の感覚になる。
言葉が簡単でないむきには、やはり辞書を頼りに読み解くのが一番である。
それにすこし、源氏物語音読論を進める。
物語りを小説のように読めば、多くは黙読をするが、物語であるから、語ってみる。
声を出して、とにかく読んでみるとなるが、音読論は聞きながら場面を想像する、読んでもらうことになる。
物語りの絵巻についてそのうちの1枚が源氏物語をよくあらわしている。
柏木の巻、有名な親子体面が描かれている。
光源氏がわが子を抱き上げている、少し傾くようにして・・・
自分の子ではない、柏木と女三宮の子を自分の子として・・・
源氏物語のむずかしさはこの一場面に象徴される。 . . . 本文を読む
日本語アクセントはピッチアクセントである。音の高低によって表す。単語の中で相対的に高さを持つ。英語はストレスアクセントである。音の強弱を語の中で持つ。アクセントの機能は意味の弁別にある。したがってアクセントは語によって決まっている。またアクセントを持つことによって語のまとまりを表し、日本語の発音を聞きやすくしている。単語を拍またはモーラで捉えて、そのアクセントがある拍を高く発音する。アクセント法則のの記述は東京方言で行う。方言によってアクセントは違うので、日本語の標準発音に東京アクセントを分析する。いまその法則を東京の山手方言によって説明すると、拍の数を数えて1拍め、2拍めというようにして見る。日本語アクセント音節を高く発音することになる。法則を単純化して、東京方言の1拍めと2拍めは必ず高さが違う。1拍めが低ければ、2拍めは必ず高くなる。2拍目で高くなった拍が次にまた低くなるが、続くどの拍で低くなるかは語によって決まっている。また2拍目で高くなって、そのまま語末まで高いままのものがある。 . . . 本文を読む
ありがたし 有ること、難し であったか。形容詞、ありがたい、の連用形、ありがたく、のウ音便、かたじけない、うれしく思うなど、相手に対する感謝の気持を表わす、挨拶のことばと、日本国語大辞典で記述説明する。譬喩尽、1786、五、出入の商人退品(かへりしな)に難有(アリガタフ)ござります と云詞、近年一統時花 コレ忝(かたじけなし)の代敬詞、と見える。用例は、かたじけない という語が、ありがたふござります になったと書いている。有難しの語誌で、類義語カタジケナシと関連があり、室町頃は感謝の意はカタジケナイが用いられ、元祿以降アリガタイが優勢になったとされている、と解説する。 . . . 本文を読む