文章様式は文体を分類した。文体を表記と混同することを注意して、表記様式と文体とするとき、日本語の文体は、ことばづかいから見た文章の体裁として、文章の特色をなす言語の様式とすることがあり、和文体、漢文体、文語体、口語体、書簡体、論文体などと分類する。文体は文体論にスタイルの捉え方がある。
次は、日本国語大辞典より。
>文章の語句・語法・措辞などに特徴的に現われている作者の個性。その作者に特有な文章の特色、傾向。スタイル。 . . . 本文を読む
コトバの成り立ちを考える。ことは という文字は言葉をあてて、木葉のようなたとえを意識している。ことのは というのは、和歌の技巧を修辞としてみる言葉であった。ことは と書いてコトバと読む用例は仮名文字の文献による。すでに、ことは には、言羽と書いた万葉歌があり、語の成立があって、言の葉、事のはという言い方がされたのだろう。
時代を経て一方で、詞辞また言語を宛てているので、その使い方が文法意識にもあらわれた。てにをは に対して、体言、用言をさした称と日本国語大辞典が説明するのは、手爾葉大概抄、鎌倉末か、室町初ごろの、>詞如 寺社 、手爾波者如 荘厳 以 荘厳之手爾葉 、定 寺社之尊卑 、詞雖 有 際限 、新 之自 在之 者手爾波也。 を引く。 . . . 本文を読む
五十四冊あっって巻の名前を数えて五十四で一致している、となるが、実はそうならない。
巻の名を眺めたら気づくのだが、多く活字化されて見られることのできるものは、上・下に分けた一つの名前が二冊で立てられていることがわかる。
それで五十四冊となるが、よくみると、たいてい巻の名には雲隠れがない。
つまり冊数は五十四に分けられているが、巻の名前は若菜上下を一冊とすると、五十三であり、巻名を数えると五十三しかない、読んでいくと巻名だけがあったと解説される。
巻に名前は五十四、帖数は五十四、しかし読んでいくと、雲隠れの一帖がない。
五十余帖と呼ぶゆえんである、と、がてんするが、ことがらはそう単純ではない。
これは源氏物語は最初に何冊で、つぎに何冊になって、しまいには何冊だったのか、となる。
光る君には輝く日の宮物語があった、といわれ、さらにはまだほかに十冊もあった、とかいわれて、これはさすがに偽作だとされている。
そしてもう少し壮大な巻数にするみかたもある。
その中でも輝く日の宮物語は謎である。
テクスト論がこの謎を明らかにすることができる。
源氏の物語を読むと物語の時間が前後するのに気づく。
物語の巻が次から次へと縦に並ぶところが、横並びになるにのである。 . . . 本文を読む
片仮名の起源が角筆にあるとする研究がNHKニュースで報じられた。またかと言うような思いがあるので、ここに書き留めるかどうかを思案するが、ふれておこう。角筆研究は訓点語学会で発表があって以来、2006年までに3300点が国内で発見されている。角筆研究の小林芳典氏が、1961年、昭和36年に、東京の展覧会で奈良時代に書写された前漢の歴史書に、いくつものくぼみを発見してから。
角筆文献の発見例は日本だけでなく、韓国、中国、インド、中東、ヨーロッパなどにも広がっているそうだ。そのうち、1446年に李朝の世宗が公布した、訓民正音、以前にハングルの原形になったと思われる符号が角筆で発見されて、日本固有の文化として発展したとされるカタカナの起源もその符号、つまり朝鮮半島にあると考えられるというものだ。 . . . 本文を読む
竜巻がどうして起こるか、雷雲の下方向に下降流ができる、それと地上からの上昇気流と合わさるのか、積乱雲の上方にある寒気と地上の暖気とが内と外で干渉しあうのだろう渦巻きとなって地上からはものを巻き上げていく。寒暖の差が40℃になったようだ。15キロにわたる爪あとが残った。547棟全半壊、67人の重軽傷者が出て、恐ろしいできごとだ。
デジカメの映像とケータイの動画とニュースはさまざまに伝える。通り道の住宅内から逐一収めた竜巻の動きはサッシの窓枠をはね飛ばし障子ドア4枚を一気に吹き倒した。藤田スケールF3の威力だ。地上のものを吸い上げる。風速50キロにおよんだかと伝える。埼玉と千葉を駆け抜けた。竜巻のスケール、積乱雲のスケール、その持続時間で測る。
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消えた病気という章がある。日本医学が西洋医学に入れ替わった明治維新以降、病名が消えてしまったわけだ。病気そのものが消えたわけではないので、その病気の捉え方が西洋と漢方で異なって、原因や分類によって病名が消えたとなっても、なお、病名だけが残っているものがあるようだ。
癪に障るという表現がある。この癪は病名であった。癪の種とも使う。癪は女の病ともされた。中国の医学書で、気が五蔵六腑に貯留するとおこる痛みとする。みぞおちに差し込む激痛である。日葡辞書では脾臓の病気、体の一部に凝結した血のせいによる病とした。癪はどうなったか、仮病にも使われたりする病であったから、症状にだけ現われる。 . . . 本文を読む