いつくしま、という。お宮があるから、宮島と言い、この名で安芸の宮島、名勝地となった。厳島という語は、いつくであろうかと、いつく、には、斎くとして心身を清めて神に仕える意があり、辞書には、因りて、其の女の家の内に、忌籬(いがき)を立てていつく、霊異記・下、に用例が見える。また、万葉集、四二四一 春日野にいつく御諸の、とある。さらには、源氏物語 若紫 故大納言、内裏に奉らむと、かしこういつき侍りしを、とあって、こちらの方は、傅くとして、敬って大切に世話をする意となろうか。それで、この語を、厳島かと思いきや、この語の語源には、祭神は市杵島姫命、いちきしまひめのみこと、とされるとこらと、説明がある。 . . . 本文を読む
東北大震災の話題である。2つの時間に生きる人間をとらえる。さきに進む時間と、記憶にある止まった時間であると言う。日経新聞、20140311、コラム春秋である。文の構成を見る。第1段落にある、が格は、カネが利益を競い合う と見えて、5文中3文目。第2段落では、2011年3月11日の14時46分が、その時だった、と時を指定する。続いて、あれから3年が流れた、とある。9文中の第6文と第7文である。第3段落には、老学者が思わず口にする 3.11の惨事が起きる 被災地の時が止まっていれば と、5文中に3か所見える。第4段落には、声がある と見える。早く過去と決別し、未来に進みたい、記憶の風化を恐れる、ふたつの声だが、ふたつの時間に重なり合って、ゲーテの言葉を引く、時よ止まれ、おまえは美しい そしてふたたびゲーテの言葉で、毎日を生きよ、あなたの人生が始まった時のように と結ぶ。けだし、名文である。 . . . 本文を読む
実際の使われ方を調べるので、サイトの情報で検索をしてみた。
>国立国語研究所が東京都在住者約千人を対象に実施した最近の調査によると,女性で(1)「(雨が)降るわよ」や(2)「(あしたは)雨よ」を使う人は5~6割,(3)「(あしたは)雨だわよ」を使う人は2割にすぎない。年齢層別に見ると,40~50代では(1)(2)は7~8割,(3)は2~4割いるが,いずれも若年層になるほど使用者は急減し,20代では(1)(2)は2~3割,(3)は1割にも満たない。 . . . 本文を読む
現代日本語「誤」百科 950 たくさんの方からお取り寄せされている を例題にしている。コラムの解説は、お取り寄せする という複合用法を動詞の語としている点から説明する。謙譲語だから、この語法は客に対して使えないというようである。尊敬語を使えば、お取り寄せになっている とすればよいし、受け身の形にするなら、たくさんの方に取り寄せられている と言うべきだとする。この説明は、謙譲、尊敬の語法で解説する。しかし、その分析には、もう少し考えるところがありそうである。本来、売り手側からすると、この表現は、たくさんの方から取り寄せられている という受け身を使うところなので、その 取り寄せる という動詞について、名詞である、取り寄せ を使うと、相手の行為として美化語にすると、お取り寄せ となり、そのやり取りは明確になる。そして、それを商品からすると受身形になるように表現しようとして、する される を用いたのであろう。 . . . 本文を読む
東日本大震災 きょう3年 20140311中日新聞トップ記事、見出しである。リードの代わりに、記事の書き出しは、死者行方不明者一万八千五百十七人を出した東日本大震災から、十一日で三年を迎えた、仮設住宅などで暮らす避難者は二十六万七千四百十九人に上り、人々の奪われた暮らしはいまだ戻ってこない、と見える。キャンペーン記事、もう三年まだ三年 東日本大震災 には、新しい家族と再出発 被災者同士が再婚 を載せる。記事左側には、STAP論文撤回検討 理研、共著者の提案請け とあり、記事の書き出しには、理化学研究所(理研)の小保方晴子ユニットリーダー(三〇)らが発表した新たな万能細胞「STAP細胞」の論文委ついて、著者の一人の若山照彦山梨大教授が、論文撤回を共著者に対して提案していることが分かった、とある。 . . . 本文を読む