現代日本語「誤」百科 953 暑いので厚着に気を付けよう を例題にしている。このまま通用するので、おかしい表現ではない。コラムの解説では、厚着をすることが、それ自体では、望ましいことか、そうでないことか、分からないので、厚着に気を付けようとは言えないというようなことを説明している。どう言えばよいかと、厚着をしないように気を付ける とすれば、この表現はよくなるそうだが、それはより注意を明確にしようとしたことになるだけで、その内容には変わりがない。これで、厚着をそれだけでおかしい表現だとする理由が成り立たない。また、読書に気を付けよう という例文を挙げるが、暗いので読書に気を付けよう と言うことはいくらでもある。 . . . 本文を読む
日本語文章論の文法解析である。 芝居をこしらえる方法がある 坂手洋二さんが教えてくれた 台本を孫が書いて祖父に送ってきた 祖父とその友人が読んで せりふが続く 元の台本がひどければひどいほど、面白くなるかもしれない 文章の内容は、不出来な台本を劇にするという方法だ。それを承けて、 それなりの俳句ができる 万能句に転じて、コピペの話題を述べようとする。結びには、 自分が何をやったか と触れて、 ひどい俳句をつくった方が、よほどましなのである と言う。こうしてみると、劇台本、万能句そしてコピペで、話題が及ぶのは世相の流行についてか。
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横田夫妻、めぐみさん娘と初面会 モンゴルで 20140317中日新聞トップ記事、見出しである。外務省は十六日、北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失跡当時(13)=の両親である滋さん(81)と早紀江さん(78)夫妻が今月十~十四日、モンゴルの首都ウランバートルで、めぐみさんの娘キム・ウンギョン(ヘギョン)さん(26)と面会したと発表した、とみえる。記事の中見出しには、対面は本当に奇跡 とある。記事なかほどの見出しには、愛知県議会「1増2減」 選挙区は2減、各会派合意 とあり、来年四月の愛知県議選に向け議員定数や選挙区割りの見直しを進めている同県議会は、日進市・愛知郡(東郷町)選挙区で定数を一増、名古屋市北区など二選挙区で各一減とし、総定数を一〇三から一〇二、選挙区数を五十七から五十五とする見直し案で各会派が合意した、と書いている。トップ記事の左側には、クリミア住民投票強行 ロシア編入承認は確実 とある。ウクライナ南部クリミア自治共和国で十六日、ロシアヘの編入の是非を問う住民投票が行われた、と見える。
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うれしいです、という言い方を誤用とする考え方から言えば、~です が、さらに活用するなどというのは明らかに変な日本語だということになる。感情表現であれ、状態表現であれ、形容詞は言いきりで使うのが日本語である。それを、楽しいです 暑いです などの、許容を認めなければならなくなったのは、丁寧の ~です ~ます の言い方が広まって、それを、これからの敬語の中で許容された日本語としてはどうかとの通達があった。それから、議論を呼びながら、日本語教育では文型にして教え続けている。ことばの用法から言えば、うれしいでした というのは、うれしいです を認める限り、うれしいでしょう とともに、認められるような使い方として広まる。間違いとは言えず、使い方として、うれしかったです を使うというようなことを、日本語として違和感な使うようにするために教えることになる。考えてみれば、うれしかったです というのも変なのである。~たです となる用法は、その丁寧な言い方を ~ました とする限り、食べたです と言わないことになる。そのように使う人もないか、ある場面での限られた用法となろう。 . . . 本文を読む