平成二十八年歌会始御製御歌及び詠進歌
「人」
御製
戦ひにあまたの人の失せしとふ島緑にて海に横たふ
皇后陛下御歌
夕茜に入りゆく一機若き日の吾がごとく行く旅人やある
先日、親子二代の歌人でもあるSさんとひとときを共にした。
面識は40年以上あり、彼女はそのときすでに短歌と、鼓の稽古にいそしんでいた。
鼓を教えて下さる国宝の方を東京から3ヶ月に一度お呼びして、教えていただくと言うことで以前から鼓に興味のあった私はふたつ返事でOKしたものの
その後結婚して音信不通になってしまった。
もう10年以上前に函館市民文芸の表彰式があり、彼女は短歌で私は川柳で表彰され再会を喜び合った。
全国の難しい大会で優勝されたのを新聞で読みながら・・・・やっぱりなー・・・と、彼女の持つ「いい感じ!」にずーっと魅了されていた。
「いつか・・・またこの会で肩を並べましょうね!・・・」と言ったまま逢えずにいた。
昨日、当吟社の随筆依頼を彼女に快諾していただき、雑談をする中で、「私は日本で一番上手な歌人は美智子妃殿下に思えて仕様がない!」
と、言ったら彼女は天皇も上手で今年の御歌の「・・・・島緑にて海に横たふ・・・島が海に横たふという・・ところがすばらしい!」と、教えてくれた。
[パラオへ行かれた時の句だと思うけど。。。」・・・
今改めて二句並べてみると・・・皇后様はいつも鎮魂歌を詠まれることが多いのですが、必ず主体に人が座する句が読み手に感動を与える。
夕茜に入りゆく一機若き日の吾がごとく行く旅人やある
そして、飛行機に乗った青年と自分の生き様を重ねておられることは・・・・すごいこと。・・・・遺句ではないか?!
天皇陛下は全体を俯瞰して詠まれる。皇后の句はやっぱりドラマチックなのだ。
さて、食も好き好き。。
句も好き好き。・・・・・「歌」の話を万葉集から話し合える人との時間。・・・・・嬉しかったね!!