昭和52年に出版された「水戸市民俗文化財調査報告書」には、水戸にあるたくさんの俗信が集められています。そのいくつかです。
かまどには梅の木を燃やさない。
梅は天神の木だからだそうです。学問の神ということよりは、菅原道真のたたりを恐れたという御霊信仰が背景にあるのでしょうか。写真は六反田で見た、畑に植えられた梅の木です。
七草粥のつゆを南にあけると火難にあわない。
無病息災を願う七草がゆの考え方を広く見たのでしょうか。
初庚申(はつこうしん)に母屋の入口と倉の入口にイボ結びを飾る。
泥棒除けだそうです。年に6回ぐらい来る庚申の日で、その年の初めての庚申の日を初庚申というそうです。イボ結びは垣根をつくるときの結び方だそうです。竹の棒に細紐を3つ、5っとイボ結びにしてしばりつけるようです。
初午(はつうま)の日には風呂をわかさない。
2月になって初めての午(うま)の日を初午というそうです。初午の早い年は火事が多いという俗信からきているようです。
お月見にあげたススキを大根畑にさすと虫がつかない。
台湾の先住民族ヤミ族は、ススキをタロ芋の田にさして死者の霊を避けたり、病害虫を防いだそうですが、そうしたことと関係した発想なのでしょうか。
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