水戸で見たひげのあれこれです。ひげの漢字には、鬂(耳の前)、髭(唇の上)、鬚(頬の下(頤の下))、髯(両頬)、須(鬚のもと字、面(顔))などがあると諸橋轍次の大辞典にあります。漢字伝来前、日本では、それほど細かく専門の言葉で区別していなかったのかもしれません。
頼房(柵町坂下門上 三の丸2-7)
水戸にある藩主像はみな、くちひげ・あごひげ姿になっているようです。ただし、将軍になった慶喜像にひげはありません。
光圀(千波公園黄門像広場 千波町)
たぶん藩主を引退した致仕(ちし)後、隠居時代の老人像なのでしょう。茶ちりめんの頭巾は、古くなっても取り替えず、40年も使ったと書いたものもあります。
斉昭(千波公園黄門像広場 千波町)
慶喜(写真左外 斉昭7男)との父子像の斉昭です。子供と向かい合っているので、烈公と死後諡(おくりな)された、「烈」の雰囲気は薄いようです。
随神(ずいじん 水戸八幡宮 八幡町8-54)
享保8年(1723)に奉納されたという、随神門内に納められている随神の一体(左大臣、門に向かって左側)です。随神は、弓や刀を持った神社守護の武人のようです。そうすると、藩主のひげ形は、武人を強調した姿なのかもしれませんね。
ボチ・恵比寿大黒(市杵姫神社 本町1-6)
恵比寿大黒の多くは、ひげをはやしているようです。神様は老人の方が何となく安心感があるのでしょうか。ただ、見ていると、ときとして、ひげのない若作りの恵比寿大黒にも出会うことがあります。
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