華厳宗、真言宗などの平安時代までに中国から入ってきた仏教と、平安時代末期以来の「国産」の仏教と、おおざっぱに分けて2つの流れがあるようです。それぞれに宗祖がいるわけですが、水戸でその像を探してみました。
空海(宝蔵寺 谷田町633)
空海は、平安時代初期の僧で、遣唐使として唐に渡り、真言密教を持ち帰ったそうです。奈良仏教から平安仏教に代わる流れをつくったそうです。宝蔵寺境内に厄除け弘法大師堂があって、その前に像がありました。お堂には「み仏の国のお山の宝蔵寺 登りて浴す慈悲のめぐみを」というご詠歌が書かれた板がありました。
親鸞(安楽寺 元吉田町2511)
鎌倉仏教の一つ、浄土真宗の祖で、常陸国に来て、現・笠間市の稲田の草庵などで約20年間布教したそうです。安楽寺の開祖は唯誓といって、親鸞法弟二十四輩の一人だそうです。
親鸞(信願寺 緑町1-2-1)
親鸞は妻帯だったそうで、仏教では珍しかったようですが、江戸時代、浄土真宗は「妻帯の宗風」として公認されたそうです。写真は越後流罪になったときの母子像のようです。
日蓮(妙徳寺 加倉井町909)
日蓮宗は、法華経を最高のものとして、題目を唱えることを重視した、鎌倉仏教の一つだそうです。日蓮は、最晩年に水戸の常陸の湯に向かう途中で死去したようです。また、妙徳寺は日蓮最後の手紙といわれる「波木井殿御報(はきいどのごほう)」ゆかりの寺だそうです。この像は、双葉山が建てたそうです。
一遍(神応寺 元山町1-2-64)
鎌倉仏教の一つ、時宗の開祖だそうです。南無阿弥陀仏を「一遍」でも唱えることが大事であるとし、踊り念仏を行ったそうです。像は念仏を唱える一遍のようです。