弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

司法試験の 「公正らしさ」? ああせい!こうせい! いいんかい?

2007年09月11日 19時24分09秒 | 未分類
7日の朝日新聞「私の視点」に榎本修弁護士(愛知大法科大学院教授)の
司法試験「公正らしさ」を失う恐れ
と題する投稿が掲載された。
論者は、慶応大法科大学院の考査委員が解任された問題で、司法試験委員会が今回の受験生に何らの措置もとらないことを決めた件を、試験の「公正らしさ」を害したとの理由で批判する。
しかし、具体的に受験生にどんな措置が考えられるのかは、かなりの難題だろう。
一般論だが、そもそも試験にはある程度の運は付きものだから、ボーダーライン付近で合否に影響があったと考える受験生は、もっと勉強して高水準で確実な合格を目指すべきだろう。
論者は、本当の被害者は「公正らしさ」を失った法曹を利用するリスクを背負った一般市民や企業である、とまでいうのだが、大袈裟に過ぎよう。
これまで日本の裁判官を過剰に縛り、苦しめてきた面がある「公正らしさ」論を、このような場面で援用されるのには、かなり抵抗を感じる。