スナック・ゆうすけ

2006-04-16 | スナック・ゆうすけ
DAY 35


ウィーン・・・

客:「   」

ゆうすけ:「いらっしゃい」
    
     「お好きな席でどうぞ」

客:「いいんですか?」

ゆうすけ:「はい。」




客:「じゃ、カシス・オレンジを」

ゆうすけ:「はい。かしこまりました」


トクトク・・・

トクトクトク・・・

サッ

ゆうすけ:「はい。どうぞ。」

客:「  」

コクッ

一時間後

客:「アハハハハッ」
  「マスター面白ーい」

ゆうすけ:「へっへへ・・・」

30分後

ゆうすけ:「まじ!?」

客:「凄いでしょ!」

10分後

ゆうすけ:「これ、サービス」

サッ

客:「わーありがとー!」

ゆうすけ:「へっへへ・・・」

10分後

客:「マスターのお休みっていつなの?」

ゆうすけ:「  」
     「水曜日だよ」

     「なに夕食に誘っていいの?」

客:「や、そうじゃなくて」
  「また来て閉まってたらやだなって」

ゆうすけ:「あっ そいうことね」

     「ん。水曜日」

客:「じゃマスター、また来るね」


ゆうすけ:「ん。待ってる。」



ウィーン・・・



ゆうすけ:「ありゃっ!金もらってねぇっ!」


ゆうすけ:「ま いっか。」

外国人客:「カワイカッタネ~」

     「アノコ」

ゆうすけ:「同感です!」


DAY 35


フミ:「ゆうちゃん見ててね」



   「コマネチ!」


ゆうすけ:「 」


     「フミ、もっと面白くしたい?」


フミ:「うん」

ゆうすけ:「も一回やって」


フミ:「コマネチ!」

ゆうすけ:「そこで首かしげてみな」

フミ:「コマネチ!」

ゆうすけ:「フフフフフ・・・」

     「面白い」


フミ:「コマネチ!コマネチ!」

   「コマネチ!」

ゆうすけ:「フミ、あんま連発しちゃダメ」

     「ここだって時に」
     「気合い入れてやるの」

フミ:「 」


   「コマネチ!」

ゆうすけ:「 フフフフフフフ」


フミ:「面白い?」

ゆうすけ:「かなり面白い。」


DAY 36


ウィーン・・・


客1:「そーよねー」


ゆうすけ:「いらっしゃいませ」


客2:「二人なんですけど」


ゆうすけ:「じゃここどうぞ。」


客1:「もう限界よー」

客2:「その子はなんて言ってるの?」

客1:「もう来てないから分かんない。」

客2:「ちょっとそれひどくなーい?」

客1:「もう限界きてんのよ」


ゆうすけ:「なにします?」

客1:「あ、生で」

客2:「私も」

客1:「ミキんとこはどうなのよ?」

客2:「うちも最悪」

   「も、すごいのセクハラが」

客1:「うそー!」

ゆうすけ:「はい、お待たせしました」

トン。

トン。

客2:「新入社員の大半やめてるの」

客1:「セクハラで?」

客2:「そう。」
   「ま、いったん乾杯しますか?」

客1:「じゃ、お誕生日おめでとー」

客2:「どーもー」

グビ 


客1:「どんなことされてるの?」

客2:「もう言葉の暴力よ」
   「特に課長がひどくてさ」

   「ビッチ!だとかさ」
  
   「死ねだとか」

客1:「ひどーい」

客2:「その課長、たまにじーっと」
   「私のこと見てんの」

客1:「やばくない?」

客2:「ま、無視してればいいから」
   「黙ってるんだけど。」

客1:「危ないよ、そういう奴」

客2:「実はね、私がトイレ行くと」
   「ついてくんの。課長」

客1:「トイレ男女一緒なの?」

客2:「違うわよ、女性用に入ってくるのよ」

客1:「きもーい」



ゆうすけ:「それ訴えた方がいいですよ」


DAY 38


ウィーン・・・

ゆうすけ:「いらっしゃい」

     「ハッピー、ホワイト・デイ!」

客:「よせよ。」
  「楽しかないよ、ホワイト・デイなんて」

ゆうすけ:「そういわないで」
     「一杯どうです?」

客:「そうね。」
  「生で。」

ゆうすけ:「はいよっ」

プシュ~ッ

トン・・・

客:「 」

グビ

客:「会社の部下からもらってさ」
  「バレンタインに。」

ゆうすけ:「で、今日お返しですね」

客:「そう。」
  「今迄貰ったことなかったからさ~」

  「チョコ」

ゆうすけ:「プッ」

客:「笑った?」

ゆうすけ:「いえ」
     「プッ」

客:「お返し選びも初めてでね」

ゆうすけ:「で、何したんですか?」

     「プッ」

客:「シャネルの・・・」

ゆうすけ:「プッ」

客:「何よ。」

ゆうすけ:「シャネルの?」
     「フッ」

客:「ハンカチ」

ゆうすけ:「アハハハハハハハ」


DAY 39


フミ:「ゆうちゃん、変な顔するから見てて」

ゆうすけ:「いいよ。」


フミ: ニュ

ゆうすけ:「ぷっ」

     「おもしろい。」
     「でももっと面白くしたい?」
     「フフフフ・・・」

フミ:「うん、教えて!」

ゆうすけ:「じゃ首かしげてさっきの顔してみ」

フミ: ニュ

ゆうすけ:「ククククク」

     「でね、部屋の隅でその顔して立っててみな」
     「静かに」
     「クククク」

フミ:タッタッタッタ・・・

   「この辺?」

ゆうすけ:「うん。で、さっきの顔」

フミ: ニュ


ゆうすけ:「ハハハハ!」


DAY 40


ジェイ:「ワン!」
    「ワン!」

フミ:「ジェイ、うるさい!」


ジェイ:「ワンワンワン!」


フミ:「ジェイ、シーッ!」


ジェイ:「ワン!」


ゆうすけ:「僕に任せな」


ジェイ:「ワン!」

ゆうすけ:「ジェイ、おまえ」
     「抱っこしてやる」

     「おりゃっ!」

ジェイ:「アウ~」

ゆうすけ:「おまえは無力だ」

     「おりゃおりゃ」

ユサユサ・・・


ジェイ:「ウ~」

フミ:「ゆうちゃん凄い!」


ジェイ:「がウッ!!」


ガブッ

ゆうすけ:「うえっ!」

     「って~」


フミ:「誰かー!!」

   「ゆうちゃんが噛まれた」

   「ジェイに」


DAY 40


ウィーン・・・

客:「今晩はー」

バイト:「いらっしゃい」

客:「あれっ?」
  「マスターは?」

バイト:「買い出しみたいです」

客:「へえ~・・・」


バイト:「何します?」

客:「んー、」

  「生で」

バイト:「はい」

プシュー

トン

バイト:「どうぞ」

グビ

客:「こういうとこでさ」
  「働くってどう?」

グビ

バイト:「えっ?」

客:「いや、なんでこの店選んだのかなって」
  「ジョナサンとかあるじゃん、前に」

バイト:「選んだっていうか」
    「派遣されたんで」

客:「あ、派遣スタッフか」

バイト:「はい」

客:「それでここ来ちゃったんだ」

バイト:「はい」

客:「君いくつ?」

バイト:「17です」

客:「 」

  「そーかー」

グビ

客:「孫の年だなー・・・」

  「孫の前で酔っぱらうってのもなぁ・・・」

グビ

グビ

客:「あいつおせえなー」


グビ

トン

客:「もういっぱい」

バイト:「はい」

プシュー

トン

バイト:「はい どうぞ」

客:「高校生?」
グビ

バイト:「はい」

客:「学校楽しい?」
グビ

バイト:「はい」

客:「なに歴史とか勉強してんの?」

バイト:「それは、まだです」

客:「 」

グビ

客:「テレビとか見んの?」
  「今時の高校生は」

バイト:「はい」

客:「なんか楽しいのある?」

グビ
バイト:「あんまりないです」

客:「そーかー」

グビ

バイト:「じゃ、私あがりますんで」

客:「えっ?」

バイト:「 」
サササッ

客:「えっ?」

バイト:「どうぞごゆっくり」


DAY 41


ウィーン・・・


客:「こんばんわー」

ゆうすけ:「いらっしゃい」

客:「あ、今日すいてる」



ギシ・・・



客:「えーと、」

  「ファジー・ネーブルで」


ゆうすけ:「はい。」


トクトクトク・・・

トクトク・・・

カラン

トン



客:「なんで笑ってるの?」

ゆうすけ:「笑ってないですよ」

客:「ニヤケてるじゃん」

ゆうすけ:「そうですか?・・・」


客:「 」



コク・・・


客:「ねえ、気になるっ」
  「その含み笑い」

ゆうすけ:「いや、ほんっと」
     「何でもなんですよ」




客:「ま いいや。」

  「今日さ、野球見た?」

ゆうすけ:「いえ」

客:「そう・・・」


  「どっちが勝ったか知ってる?」



ゆうすけ:「いえ」


客:「もうっ!」
  「マスター、心ここにない!」


DAY 42


ウィーン・・・

客:「こんちわー」

ゆうすけ:「いらっしゃい」
     「お久しぶりですね」

客:「まあね」

  「生ちょうだいよ」

ゆうすけ:「はい」

プシュ~

トン

ゆうすけ:「お待たせしました」

客:「 」

グビ

客:「プハー」

ゆうすけ:「どうです?」
     「お店の方は」

客:「もう駄目だよ」
  「やるだけ金が出ていく感じ」

  「おたくが羨ましいよ」

ゆうすけ:「うちも厳しいですよ」

     「何言ってんですか」

客:「 」

グビ

グビ

客:「ここに客取られちゃったからな~」

ゆうすけ:「うちだって客いませんよ」

客:「この商店街の連中」
  「みんなうらやんでるぜ」

グビ

ゆうすけ:「うちうらやんでどうすんですか」
     「ジョナサンうらやんで下さいよ」
     「どうせなら」


客:「 」

グビ


DAY 43


ウィーン・・・

業者:「まいどー」

ゆうすけ:「ご苦労様でーす」

業者:「ここ、置いときますね」


ドンっ

業者:「ではここにサインを」

ゆうすけ:「はいはい」

業者:「 」

ゆうすけ:「あ、ペン貸して下さる?」

業者:「 」

スッ

ゆうすけ:「ここ?」

業者:「その枠にお願いします」

ゆうすけ:「  はいっと」

業者:「でですね、マスター」
   「ちょっとご案内なんすけど」

ゆうすけ:「なになに?」

業者:「値上げの」

ゆうすけ:「どの商品が?」

業者:「結構あるんすよ」
   「これ、一覧です」

スッ

ゆうすけ:「なにこれ!」
     「ほぼ全部!?」

     「えええ?」

     「牛乳、倍じゃん?」

     「きっつー」

業者:「来月から上がるんでね」

ゆうすけ:「なんとかならないの?」

業者:「大手は優遇してるみたいですけどね」
   「おたくは無理っしょ」


ゆうすけ:「あなたの力でさ、なんか、ない?」



業者:「ぶっちゃげさ、」

   「うちから取らないでさ、」
   「スーパーで買やーいーじゃん」
   「こんなちんけな注文さ」
   
   「牛乳1本と小袋わさびだとかさ」

ゆうすけ:「 」

業者:「オレはお遣い係かっつーの」
   

   「こんな店やめちまえよ」



外国人客:「アンタ イイスギダ」

     「マスター ニアヤマレ」


DAY 44


フミ:「ゆうちゃん、おやすみなさい」

ゆうすけ:「おやすみ」




1分後




フミ:スー、スー・・・



ゆうすけ:「フミ」




フミ:「ん?」

ゆうすけ:「おやすみ」


フミ:「  おやすみ・・・」





1分後





フミ:クー、クー・・・



ゆうすけ:「フミ、」



フミ:クー、クー・・・


ゆうすけ:「バカなフミおやすみ」



フミ:「ん」

   「おやすみ・・・」




ゆうすけ:「ごめんね。」
     「フミ・・・」




スー、スー
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字・音・絵・あれこれ

2006-04-16 | ポエム
今僕が使ってるのは字。

あなたはそれを目で追い
意味を理解している。していない?

それはまるで水を飲んでいる時と同じ

のどを通して体内に水を入れるように
文字による情報はあなたの頭へと入っていく

そう。
溜まっていくんです、文字は。

その情報に対してあなたが渇いていれば
しみ込むでしょう。ありったけ飲み干すでしょう。

文字追い、勉強なんてこれの延長だけど
渇いてないのに入れ続ける不健康を私は嘆く。

ごらん
あのガキども。
点滴のように無理矢理いらん知識を注入されている。
脳に。
おい見ろよ
もう腐ってんぜ とっくによう

脳で体は動かせる。でも魂は動かせない。
全身全霊、どっちも必要なんだよ。

音を聞く

あなたは耳を通しそれを体に送る
リズムを感じる 感じない?

それはまるでいい香りを嗅いでいるのと同じ。
鼻から気体を脳に送る心地よい感覚。

リズムはこころを掴み動かす。

音は貯まりはしない。
魂を燃やす道具。


人は自分の支配権を脳に委ねてしまう。
前の世紀では文明社会の中
そうしないと奴隷にされた。
音楽はリラックス?
ふざけろ
絶対に違う

ロック'ン'ロール
ブルース
ジャズ
民謡
活きた音楽はそれすなわち
魂の躍動を即すもの

文明人達が危険視したもの

それがビートってもんだろ


脳支配になりかけるオレたちを
音楽は解放してくれる

魂を起こしてくれる

僕はそんな気持ちでアイ・ポッド
持ち歩いてんだ

聴力障害なんて関係ねーっつーの

より密閉&ダイレクトに音を入れられる
道具は必死で探すぜ

デジタル・リマスターでの違いに餓えてる

上物を探す為の旅みたいなもんなの

鼻からじゃなく耳から入れるやつの

深ーく吸い込むように 音を耳へ送る

うまくきまればこころは踊るよ 


もう新世紀だぜ
そこらにある文字がなんか教えてくれる?
オレたちの渇きを潤してくてる?
今の学問なんかもうクソでしかないです。

書なんか燃やしちまえよ

蓄積された知識ばっか褒めたたえて
今の若者がどれだけおなかパンパンか
知りたい欲求なんか出ねえよ もう
アホか


脳による自分全ての支配
それが意味するものは臓器だけで
人間が動いているという勘違い

理性だけで体を支配しようなんて
なんて不潔なことだろう
なんと不浄なことだろう
脳なんてたかが肉ですよ
その役割は体を物理的に動かす
ということだけ

そこに魂があるから人は生きているんでしょ

人間が単なる肉に成り下がり
欲望の連鎖に溺れている今
そこに魂を入れる必要がある
でないと人間が消える

おごりを捨てて 自信を捨てて
普通に生活しようよ 



っと、ここまで書いてきた訳ですが
文章に意味なんてないんです

僕がやりたいのは頭を通さない文章
音に近い字 というやつ
怒りはストレートに字として
落とされたって訳です。

絵もそう
脳の支配から出たところで僕はいつも
描いている。


今度出す本はその絵と文をつないで
リズムを出したい

空気、そう音として楽しんで欲しい
思想や、叫びなんかもあんま意味ない
理性的な判断による意味なんかなんもない
オレの頭の中にはね
コメント (1)
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