父:「お前たち、ちょっと」
「ここに座りなさい」
息子:「えっ 何?」
父:「ここに来なさい」
「話がある」
息子:「遅刻しちゃうよー」
父:「お父さんから学校へ連絡するから」
息子:「え、ほんと!」
父:「うん。ま、座りなさい」
息子:「は~い」
父:「マリ子、お前も」
娘:「は~い」
息子:「何、話って」
父:「お前たちいつも何時間寝てるんだ」
息子:「昨日は・・・8時間」
「ま、だいたいそれくらいかな」
父:「マリ子、どうだ」
娘:「そのくらいかな」
父:「そうか」
「お父さんが子供の頃はな」
「毎日14時間は寝てたぞ」
娘:「なにそれ」
「半分以上じゃん1日の」
息子:「だよな」
父:「それじゃ聞くぞ」
「いまからもう一回寝ていいって言ったら」
「どうだ」
息子:「ま、学校なけりゃね」
父:「お父さんなんかな、もう夢の中で楽しくてな」
「起きるのやでな」
娘:「ふーん」
父:「なんかいつも旅してたな 夢で」
息子:「見たい夢がみれたとか?」
父:「それもある たまにね」
息子:「でも、さすがに10時越えは無理だよ」
「起きちゃうよ」
娘:「目覚めちゃう」
父:「じゃ、寝てられるんなら」
「寝ていたい?」
息子:「うん」
父:「マリ子はどうだ」
娘:「寝てたい」
父:「そうか」
「じつはな」
「ずっと、ぐっすり寝ていられるおクスリがあるんだ」
チラ
息子:「何それ」
父:「ミンザイっていうクスリというクスリ」
「これを、こう」
「飲む」
「しばらくすれば、もう眠くなる」
「ほら 飲んでみなさい」
息子:「 」
父:「おまえは このくらい」
娘:「 」
父:「マリ子、このくらい飲めるかな」
「はい 飲みなさい」
息子:「学校、休んでいいんだね」
娘:「私も?」
父:「いいんだよ」
「学校んなんか」
「いかなくていいんだ」
「すきな夢を」
「ずっと」
「見続ければいい」
息子:「 父さん 」