元気をもらえた妙な一冊
高田真一
最近、妙な本を読みました。表紙をめくっても人を食ったような絵(イラスト?)が出てくるばかりです。
文章はあるのですが、老眼鏡をかけなければ読めない小さな字です。しかし、どのページも量が少ない!
面倒でも読んでみるか・・・という気になりました。
読み始めると意外なことに面白い。忘れていた若い頃の無軌道な自分の言動が蘇えり、読むほどに血が
騒いで躰が熱くなる。
自分は社会に出たら大いに世のため人のためになる!
そのように子供の頃から夢みていた私が就職できた先は、全国区の大企業でした。しかし入社してみると
職場では、多くの社員が、上司に言われるがままに仕事を片付ける。先輩から仕事を引き継ぐと引き継いだ
とおりのやり方で片付ける。社内の慣例やマニュアルなどに反しないようにチェックを怠りなく仕事を進めている・・・ではないですか!
大事にしなければならないのは、社内の慣例やマニュアルではない!仕事は上司のため、社内のマニュアルのためにするのではない!お客様のためだろう! どんなに真面目に仕事をしても、内向きな仕事は社会のためになるはずがない! ・・・・・そんなこんなで私が言うこと成すことは社内からは異端と見られていました。
妙な一冊「NEW SENSE」ではマスターが「コンナモノ」と言って店のメニューを破り捨ててしまう。そうそう、その意気、その意気! 負けるなョ!
私事になりますが、私の場合は、ある支社の支社長に任じられて転勤しました。1970年代のこと、マスターと同年代の頃です。
その支社に赴任するとそれまで支社長を勤めていた先輩が、引き継ぎのために待っていました。引き継ぎ書類のなかには販売店宛の中元歳暮のリストがあります。引継ぎが終わると私は新幹線のホームでその支社長を見送り、支社に戻って全社員に宣言したのです。
「前任の支社長は支社経営を大いに改革した。その志を継いでこれからも改革を続けよう。商品を売るのは販売店だ。社員が販売店に中元歳暮を贈って成績を伸ばして下さいと頼む。そんな『お願い営業』は、もうやめよう。我々社員の本来業務は、販売店がどんな商品でも自信を持って売れるように手助けをすることだ。そこをしっかりできれば販売店の成績はどんどん上がる。これからは中元歳暮をやめる!」と。そして「コンナモノ」と言って中元歳暮のリストを破り捨ててしまった!
そのようにして、昔ながらのねんごろな付け届けを重視した結びつき方を破壊し、代理店とはまったく新鮮な強い信頼関係を築いた。おかげで、県内の多くの販売店が大変喜こんだ。販売店の顧客も自分が取引している販売店がますます頼りがいのある販売店に成長しているのを見て、安心して取引を増やしている。他との取引もこちらの販売店に切り替えてくれるようになった。結果として、支社は社内の誰も想像できないほどの成績を毎年塗り替えることができたのです。
私は70歳を過ぎた隠居老人。とっくに定年退職し、いまでは五感も錆付き、何事にも無感動。「NEW SENSE」の妙なイラストの連続などは理解できなかった。しかしそのイラストが僅かな文章と一体となって若いマスターの抑えがたい怒りを表現しているアートに気がつくと、私も思わず老骨に鞭をあてざるをえませんでした。「おまえは加齢でいまや毎日を無為に過ごしているけれども、青春とは年齢の若さを言うのではない、心の様相を言うのだ・・・そんな詩があっただろう。歳をとっても精神を若々しく保って世のため人のために少しは役にたてっ!」と。 「ハイッ、若い人たちの邪魔にならないように気をつけて頑張ります!!」。。
高田真一
最近、妙な本を読みました。表紙をめくっても人を食ったような絵(イラスト?)が出てくるばかりです。
文章はあるのですが、老眼鏡をかけなければ読めない小さな字です。しかし、どのページも量が少ない!
面倒でも読んでみるか・・・という気になりました。
読み始めると意外なことに面白い。忘れていた若い頃の無軌道な自分の言動が蘇えり、読むほどに血が
騒いで躰が熱くなる。
自分は社会に出たら大いに世のため人のためになる!
そのように子供の頃から夢みていた私が就職できた先は、全国区の大企業でした。しかし入社してみると
職場では、多くの社員が、上司に言われるがままに仕事を片付ける。先輩から仕事を引き継ぐと引き継いだ
とおりのやり方で片付ける。社内の慣例やマニュアルなどに反しないようにチェックを怠りなく仕事を進めている・・・ではないですか!
大事にしなければならないのは、社内の慣例やマニュアルではない!仕事は上司のため、社内のマニュアルのためにするのではない!お客様のためだろう! どんなに真面目に仕事をしても、内向きな仕事は社会のためになるはずがない! ・・・・・そんなこんなで私が言うこと成すことは社内からは異端と見られていました。
妙な一冊「NEW SENSE」ではマスターが「コンナモノ」と言って店のメニューを破り捨ててしまう。そうそう、その意気、その意気! 負けるなョ!
私事になりますが、私の場合は、ある支社の支社長に任じられて転勤しました。1970年代のこと、マスターと同年代の頃です。
その支社に赴任するとそれまで支社長を勤めていた先輩が、引き継ぎのために待っていました。引き継ぎ書類のなかには販売店宛の中元歳暮のリストがあります。引継ぎが終わると私は新幹線のホームでその支社長を見送り、支社に戻って全社員に宣言したのです。
「前任の支社長は支社経営を大いに改革した。その志を継いでこれからも改革を続けよう。商品を売るのは販売店だ。社員が販売店に中元歳暮を贈って成績を伸ばして下さいと頼む。そんな『お願い営業』は、もうやめよう。我々社員の本来業務は、販売店がどんな商品でも自信を持って売れるように手助けをすることだ。そこをしっかりできれば販売店の成績はどんどん上がる。これからは中元歳暮をやめる!」と。そして「コンナモノ」と言って中元歳暮のリストを破り捨ててしまった!
そのようにして、昔ながらのねんごろな付け届けを重視した結びつき方を破壊し、代理店とはまったく新鮮な強い信頼関係を築いた。おかげで、県内の多くの販売店が大変喜こんだ。販売店の顧客も自分が取引している販売店がますます頼りがいのある販売店に成長しているのを見て、安心して取引を増やしている。他との取引もこちらの販売店に切り替えてくれるようになった。結果として、支社は社内の誰も想像できないほどの成績を毎年塗り替えることができたのです。
私は70歳を過ぎた隠居老人。とっくに定年退職し、いまでは五感も錆付き、何事にも無感動。「NEW SENSE」の妙なイラストの連続などは理解できなかった。しかしそのイラストが僅かな文章と一体となって若いマスターの抑えがたい怒りを表現しているアートに気がつくと、私も思わず老骨に鞭をあてざるをえませんでした。「おまえは加齢でいまや毎日を無為に過ごしているけれども、青春とは年齢の若さを言うのではない、心の様相を言うのだ・・・そんな詩があっただろう。歳をとっても精神を若々しく保って世のため人のために少しは役にたてっ!」と。 「ハイッ、若い人たちの邪魔にならないように気をつけて頑張ります!!」。。