再放送

2024-08-29 | イラスト
東日本大震災が起こる15日ほど前にアップした文章。今読んでみると、感慨深い。

では、お楽しみください。

『無駄 3』

みなさん今晩は、

満★乳斎です。


なんかちょっと肌寒くて

チリでは大きな地震があって

日本海沿岸では謎の深海魚が沢山発見されて

地震の前触れなんじゃないのかなんて議論されている


そんな夜には

無駄について考えてみたくなるものです。


無駄を認めると、そこに優しさが生まれる。

最適化されていなくていい。

どうでもいい。

そこまでよくなくていい。

そこまでかしこくなくていい。

そこまで便利でなくていい。


かつて、昭和時代にはがんばったって

たかがしれていた。

どんなに理想が高くてもそんなところには

とうていたどりつけなかった。

ハイテクを目指していたって

その製品には手あかがびったりついていた。

汗でぬりたくられていた。

食事づくりに1日の4割ほどの時間を費やし

洗濯にお昼の一番のどかな時間を費やし

掃除もまた残りの体力をずいぶんと費やし

だから夜なんか疲れてすぐに眠くなる。

世界はありったけの無駄の中にあった。

現在の私たちからすると

その全ての生活を営む時間は無駄となる。


やらなくて

いいんだから。

効率的でないんだと。

ストイックに昔ながらの不便な生活を
送る人がいるけど、どうだろうね。
アーミッシュとかもどうなんだろう。

映画イージー・ライダーや
マンガあしたのジョーで、その辺の答えは
出ている気がする。

よくある説話で

貧しい人間の目は活きている。

豊かな人間はそこから学ばなくてはいけない。

なんて言うが、貧しい人間から学ぼうなど

彼らへの冒涜であると思う。

あえてそんな生活を送ることも。

禁欲なんかしたくない!

恵まれた中でのカルマと戦うことに背を向け

過去にとらわれることなかれ。

我々は溢れるほどに恵まれた世界に産まれた。

その先頭に立っていることをもう一度

自覚すべきである。

そして崩れゆこうとしているこの豊かな世界で

どうすれば良いのかを考えるべきである。


エコじゃない。

中国じゃない。


未来はそんなとこにない。


人間が生きるということが

どれほど無駄なことか。

他人が生きていることなど自分にとっては

何の価値もないんだってことを分かれ。

豊かな世界ではそうなんだから、仕方ない。

貧しい世界が共存でなりたっているのと訳が違う。

意識的に行う行動全てが他者への圧迫となる。

なにもかも余計である。

それでいいじゃないか。

無駄で、いいじゃないか。

どうでもいいじゃないか。

どうでもいいけど生きていこうじゃないか。


縦一直線に加速をつづける世界

しかしここらで無駄な抵抗を入れていこうよ。

心に無駄を。

溢れる無駄を。

手つかずの無駄を。


僕は働いて、稼いで平穏な日々をつくることにする。

無駄を目指して日々働く。

その無駄の中に家庭を築く。


無意識な中に温かさはある。

体温にも似た

暖かいもの。

それを守るために、働いて恵みを得る。


さまざまなエネルギーは無駄へと流れ込み

淡く消えていく。

おぼろげな残像をのこして。

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