「あの大震災からもう二週間以上が経過した。ここは横浜。様々な情報が押し寄せている。そんな時にふと思い出すのがビートルズ、ポール・マッカートニーの一言だ。ジョン・レノンが凶弾に倒れたあと、コメントを求められ、言ったという。「くだらんニュースだ」はっきりとそう言ったのか僕には分からないがそれらしき発言をして、世界中のマスコミから非難が殺到したらしい。ポールにとって、ジョンが死ぬということがどれほどの大きさか。誰に分かるというのだろう。おびただしいまでの言葉がジョンを追悼し報道は事件の詳細を追求する。それら全てのニュースなぞ、くだらんのだ。くだらんのだよ。茶番さ。僕はそうポールの言葉を理解する。ジョンを失ったポールはその後自身の方針も見失い、迷い、そしてもがきながら這い上がり。
今回の震災について。これをどう、把握すれば良いのか。つながろう日本は茶番。石原都知事の天罰発言はある種言い得ているかもしれない。あのくらいの発言でないととらえられない。いにしえの歴史に登場するような天罰。そのくらいの出来事なのだ。一方、そんな天罰発言に牙を剥くビートたけし。彼の怒りもまたストレートだ。この震災に対し圧倒的なエネルギーを感じたのか。目が怖い。また、不安におびえ買い占めに走る人々。でもある種被災地の方々とつながっているのは彼らなのかもしれない。不安を共有している。
かつて、9.11テロが発生した時私は立ちすくんだ。私のあこがれの地、夢の国であのような惨事がおきたのだ。二つ目のビルの倒壊までの間、「あああ」としか言葉が出なかったのを覚えている。あの時もいろいろな人間のメッセージが鳴り響いていた。先に述べたポール・マッカートニーは「フリーダム!」と歌った。様々なミュージシャン達が立ち上がっていた。だが、どうだろう。その後の世界は。ブッシュ大統領の映画の1シーンのようなスピーチ。その後始まった泥沼の戦争。テロという事実以外に明確な相手が分からない中での戦争。よくわからない自由を求めて理不尽がまかり通った。欧米社会の様々なたがが崩れていったように思う。とどめがリーマンショックか。
ベトナム戦争当時、人を動かした音楽の力。そのかけらでもこの10年で発揮されたろうか。
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