ごしょらくさん

後生楽的爺さん、我が道を往く

泣く子も黙る「ゼットセヴン」

2011-08-09 12:00:53 | motorcycle and car
旧車の達人M氏から「凄いお宝バイクが手に入ったから見に来い」と電話があった。

M氏が凄いお宝というのだから、これは相当凄いに違いない。

M氏宅のガレージに鎮座していたのは、無く子も黙るという、その名も「メグロZ7」。

メグロ=単機筒=500cc=メグロの中のメグロ、王者たる所以である。

メグロZ7(通称スタミナ号)の堂々たる勇姿

「メグロZ7?何じゃソレ?」と疑問を感じたそこのアナタ、「ごもっとも!」

このバイクが製造されたのは1956年~60年という大昔のこと。

50年も昔のバイクだってんだから、そりゃぁ知らないのも無理ないわな。

「知らなかった、くやちぃ~~~っ!」ってアナタ、ココ見るよろし → 目黒製作所

風格の漂う「メグロ」のエンブレム

昔のバイクってのは、相当お金と手間隙がかかっておりますなぁ。

このタンクエンブレムは、ナント!七宝焼きだってんだから驚きだぁね。

いかにも旧車といった風情のキャブレター

「師匠(オイラが勝手に呼んでおりますです)、このキャブは趣があって良いですなぁ」

「これはアマル392というヤツで、イギリスのアマル社製をミクニがライセンス生産したキャブだ」

「へ~~~ぇ、当時の日本はまだまだ遅れていたんですなぁ」

マグネット交換をするM氏

「ポイント交換をしりゃいいんだけど、ついでだからマグネットそっくり交換しちまうべ」

とM氏はこともなげに仰る。

「師匠、こんな旧車のマグネットをお持ちで?」

「昔メグロなど何台弄ったか解らないんで、こんな物その辺に幾らでも転がってるわい」

「す、す、す、すっげ~~~~っ!」

タイミング合わせはこのボルトを外して行う・・・のだそうだ

何十年も外してなかったらしいこのボルト、錆付いて中々緩まないのだが、

「外れなきゃ、タイミング合わせを勘でやっちまうか」と全然苦にしないM氏でした。

「勘でって、そんなことできるんですかい?」

「誰でもできるって訳じゃぁないが、お前さんでは先ず無理だな」

「デヘヘ・・・


タイミング調整中のM氏


調整を終え無事火花も飛んで、この日の作業はこれでおちまい・・・暑いんで。

何十年も埃を被ってきたバイク、達人と言えどちょっとやそっとじゃ動きまへん。

エンジン始動の様子は又後日・・・


M氏がお宝と語る所以

先ず持って、改造が一切なされてないこと。

特に驚きなのは、欠品部品が一つも無く、ボルト1本全てオリジナルパーツであること。


手間隙かけ新潟県某市まで引き取りに行って来たというM氏、

それまで疑心暗鬼だったが、まさかZ7であったとは・・・それも極上の・・・

「こんな良い状態で残っていたのが不思議な位だ」と、M氏は感慨深げに呟いた。



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コメント (2)
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