むか~しむかし、北信濃の奥深い山ん中に、遊び好きでズク無し(おらほの方言でぐうたらのことじゃ)の爺さんが住んでおったんじゃと。
このズク無し爺さんは、春は山菜、秋はキノコ採りと野良仕事そっちのけで、お山へと出かけては遊び呆けておったんじゃよ。
婆さんはそんな爺さんにほとほと手を焼いておってのぅ、「何の因果でこんなナマクラじじいのとこに嫁に来ちまっただか」とかまけるばかりじゃった。
爺さん、野焼きの図
遊び呆けてばかりいたもんじゃから、畑は草ぼうぼうの荒れ放題でのぅ、ムジナやタヌキの住み家となっておったんじゃよ。
そんなズク無し爺さんじゃが、どういう風の吹き回しか、ある日荒れ畑でせっせと草刈りをしたそうな。爺さん山へ芝刈りに行くの図じゃな。
枯草を刈っては燃やし刈っては燃やしと働く爺さんじゃが、こんな姿を「ズク無しじじい」と罵る婆さんに見せてやりてぇものじゃのぅ。
「腰が痛ぇのぅ」と愚痴りながら草を刈っていた時じゃった。刈り取った枯草の中に妙な物が紛れ込んでおってのぅ、見るとキノコでねぇか!
おっ!?
ヒラタケでねぇか!
こりゃクリタケじゃな?
あれは・・・その昔、平成という時代があってのぅ、その場所には榎の大木があって爺さんはその木をよいしょよいしょと切った覚えがあるんじゃよ。
あれから、何十年経ったかのぅ、その切り株にヒラタケが生えてたって訳じゃな。おまけにクリタケとは、神様からの爺さんへのご褒美のかのぅ。
↓押せ!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます