Sydney Yajima


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6か月

2016-01-18 18:13:35 | 経済
現在の中国の株価の値下がりは、偶然ではなく、必然だ。
ちょうど6か月前に、上海の株価が35%の下落を記録したことをご記憶の読者も、多いことだろうと思う。
それが、実体経済を悪くするのは、当然なのだが、おおよそ、6か月のタイムラグがあるのは、ご存じだろうか?

実体経済とは失業率であったり、消費物価であったり、あるいはコンシューマーコンフィデンス インデックスであったりするのだが、それらの数値が、中国では統計が信用できないために、正確ではないとされるが、しかし、統計があろうとなかろうと、6か月後のタイムラグを経て、実体経済を悪くするであろうことは、同じである。

今回の株価の下落が、2016年の7月に、また別の局面として反映されるであろうことは、容易に予想がつくのであって、つまり、今年の上海株の下落は、今回だけで終わるものではないと言うものだ。

チャートを見ていると、いろいろと不自然なことに気が付く。
例えば、売買の量だ。

つい最近までは、3000ポイントを境に、売買が増えた。
当然、3000という節目で、センチメンタルな売買が行われることは、予測がつく。
だが、その数値内での攻防の期間が、それだけで説明するには、長すぎた。
かりに、それが長かったことに何の問題もなかったとしても、取引量には、多くの大資本の介入が疑われるグラフが、多々見られた。

多くのファンド関係者が、中国政府の株式売買介入について、断言している通り、それは、「黒」だと私も思う。

今週は、2900ポイントの死守を言いつけられているに違いなく、今日の取引では、昼を過ぎると一斉に買い注文が、判を押したように入った。

神の見えざる手

という市場原理が、働くべきところで、働かなかった場合、どうなるのだろうか?

それは、神をも恐れぬ中国共産党のみが行える、愚かな試みだと言い切ってもいいものだろうか?
それとも、毛沢東を信じていれば、神をも凌駕できるのであろうか?

果たして、現在の中国は、社会主義なのだろうか?計画経済なのだろうか?IMFは、いったい何をもって、彼らにSDRを与えたのだろうか?
疑問は果てしなく続く。時間のみが答えを知っているのならば、それは神のみぞ知るということになってしまい、つまり、結局はよくできたマルクスの理論が、覆されるということにもなる。

市場原理に元を任せることを中国共産党が拒否するのであれば、つまり、元を彼らの管理下に置き続けると言うのであるならば、国際通貨として認知されることは、あきらめるべきである。

市場というものが、この世の中に、生まれたのは実に数百年もかかってできたものなのだ。
貨幣と言うものができたころまでさかのぼるつもりはない。
だが、少なくとも、株式売買というものができて以来、人類の進歩が進み、そして、私たちは多くの損害と恩恵を受け取ってきた。
これは、良くも悪しくも、私たちの業の深さの為せる技であって、それが、管理できるなどという生易しいものでないことは、人生経験をある程度積んだ人ならば、誰にでも理解できる話だ。
世の中の人々が、皆 エンジェルのような清らかな心を持ち、そして、愛し合い、語らいあい、そして欲を持たないならば、管理されようとも何の苦痛も感じることは無いであろう。
管理してくれる人々が、例え中国共産党の幹部たちであり、彼らの意図のままに、いつでも死刑になることさえ、厭わない人々の集まりが、世界を形成しているならば、である。
だが、私の50年余り生きてきた人生観のなかで、そういう人に出会ったことは一度もなく、ともすれば、この私など、恥ずかしくて赤面するほど、欲を全面に出しても、何とも思わない人々が、ニコニコと毎日厚い面の皮をテラテラと光らせて、人間のつもりで歩いているのを、何度も見てきた。

そういう人々が集まる市場を管理するなど、できるわけがない。
できるわけが、ない。