

私の家の裏を走るJR左沢線の線路。
すっかり雪に覆われて来た。
この線路の遠くはるかに見える「月山」の雄姿、このところ雪雲に覆われて姿を隠したままだ。

上の写真は昨年11月頃同じ所から撮影したもの。

これまで雪が降らず手持ち無沙汰のようにしていた我が家の庭の雪囲い、やっとその役目を果たせるようになって来た。
昨日マイピクチャーを整理していたら、昨年の夏頃、仙台に住む姉が送って来てく
れた私の描いた40年前の1枚の絵の写真があった。
この絵との再会、別れた恋人と40年振りの再会のように嬉しかった。

それよりも弟の描いた愚作絵を、こうして40年間も捨てずに持ち続けてくれ
た姉夫婦に感謝。
私の心の片隅に僅かにこの絵のことは残っていたが、姉の家が新築された後は飾られることも無く、私もすっかり忘れていた。

遠くを見つめる澄んだ大きな眼、清純で溌剌とした表情、真横に固く結んだ
唇・・・何もかもが新鮮でじっと私の夢大き将来の輝きを見つめているかのようだ・・・・・・?。
私の20歳そのものの表情のように溌剌とした表情。・・・・自画自賛・・・・?

それからの40年・・・・・・・
一陣の風があっという間に私の眼の前を駆け抜けて行った・・・・・・。
しかし、「過ぎ去った時」を今更取り戻したいことなど何もない。
でも、・・・でも・・・
もう少し燃焼尽くし切れていないものが有りそうでならない・・・・。
「黒川紀章&岡本太郎」・・・(2/3)

写真はN食品寒河江本社工場 1965年頃完成
前回はここで終わっている・・・
黒川紀章は丹下研究室に在籍しながら、マンションの1室を借り、設計事務所を設立。
メタポリズム理論、東京湾空中都市計画、数々のコンペ1位入選を果たし、設計
界では輝かしいデビューを果たす。
・・・が、実際の設計の仕事の依頼は無く、生活費に窮する時期もあった。
そのことを新聞記事で読んで自分の本社工場の設計を依頼したのが、寒河江市に
本社があるN食品会社の社長だった。

この写真はN食品工場の鉄骨柱のディティール。
メタポリズム理論とは、一口で言えば「新陳代謝」を意味している。
「新陳代謝」・・・・増殖する都市の破壊と新生との共生
しかし、黒川紀章はやはり只者の設計屋ではなかった。
食品工場に当時の建築界最先端理論「メタポリズム」を取り入れ(ユニットの連続
→中銀カプセルタワー1972年完成)、コアを意味する柱のガセットプレート(ビル
テクノポリス 2005年竣工)も、よく見ると一つの未来都市を表現しているかのよ
うだ。

上の写真は中銀カプセルタワー1972年竣工UNESCO 20世紀世界遺産重要現代建築20のリストに掲載される

超高層ビル テクノポリス・@ONE-NORTH・シンガポール 2005年竣工

同上断面図 寒河江市庁舎と同じスーパースラブを採用。

国立新美術館 2007年竣工
さて話を元に戻すことにして、何故寒河江市庁舎を黒川氏が設計することになった
のか・・・?

寒河江市庁舎ホールにあるオブジェ 岡本太郎作「生誕」
この続きは・・・・・お楽しみに・・・・。
次回は最終回