ガラスのうさぎ

2008-03-12 11:18:42 | 日記風
 もう過ぎてしまいましたが、3月10日は私の中で空襲のあった日と長らく記憶されてます。

 松田聖子さん藤谷美和子さんなど、有名人が多く生まれている日でもあるんですが。

 空襲の方が知ったのが早かったので、印象としては強いです。

 何故、そのようなことになったかと言えば、話は私が小学校5、6年の頃の遡ります。

 その日何故か、先生からちょっと手伝って欲しいことがあるから放課後残れる子いる?くらいの軽いお誘いがあった。
 何だろうと思ったら映画の試写をやると言う。
 そしてその様子をあるテレビ局のニュース番組が取材に来てたというおまけつきだった。

 内容は、3月10日の東京大空襲にあわれた高田敏子さんの実体験を元に映画化されたノンフィクションです。
 
 その空襲の時、高田さんはお母様と妹さんを亡くされました。そしてお父さんからもらったガラスのうさぎの置物も炎に包まれ溶けていた・・・。
 
 ガラスが溶ける程の炎に人がさらされたのです。ガラスは余程の温度でなければ溶けたりしないそうなのです。

 その中で亡くなって逝った方々。どれほど暑く、どれほど惨いことだったのか。戦争はいけない、後世に伝えるべき日の話でした。

 いらしていた原作を書かれた高田さんも、ハンカチで目を拭っていらしたのを覚えています。

 戦争をしらない私達には、戦争はやはり遠いものです。そういう悲しいことがあったことも良く判っていなかった。胸を痛める映画でした。戦争はいけないと部屋の空気が重く沈みこみました。
 
 けれど、その時は私達にはもっと大変な問題が突きつけられていました。

 テレビ局が取材に来てるんです。
 映画を観た後、その感想を言わなきゃならないのです。
 そっちの方が差し迫った問題でした。

 カメラが回り、照明に照らされる中
 とにかく言わなきゃ、発言しなきゃいけない。それだけ思って言葉を繋ぎました。
 飛びきった頭はろくな感想なんか言えない・・・。友達も何かを言っています。ちゃんと伝えられたろうか、私のつたない感想・・・。
 
 後日談として、とても不思議なことがありました。ある子から
 「石川さんが感想を言ったから私も言わなきゃいけないと思って言った」
 と、言われたのです。
 
 それってどういう意味・・・?
 ちょっと思ったんだけど。

 ちなみに私の発言は、無事放送されてません。私に張り合ったのか勇気をもらったのかの友達の発言もカットされてました。

 そんな思い出話はいいんですけど。

 今年は何故か、この3月10日の空襲を扱ったドラマが多いです。毎年こんなにあっただろうか。
 何かの節目の年なのかしら?

 長らく忘れていたそんな話すらふと思い出しました。


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