比喩的な表現になりますが。
今日は手塩にかけて育てた娘嫁いで行きます。
母さん淋しくなっちゃうな。母が囁けば、娘は面白そうな顔でそそのかします。
「お母さんもまだ若いんだよ」
そうだね、お母さん、やっと自由になるんだものね。お母さんも娘をからかってやろうとして言います。
「お母さん新しく、恋してみようかな」
娘もくすりと笑います。
「いいんじゃない。じゃんじゃんしちゃえば」
娘にしても残していく母が気がかりなのでしょう。
母は誰よりも淋しくて、そしてホッとしています。
けれどやはり淋しいのかもしれない。身体の1部をもがれていくような・・・。
比喩的な表現となりましたが、今日、家の娘(作品)が成人して嫁いで(出版社)に行きます。
でもどうせすぐに戻ってきます。直しやら何やらで・・・。そんな簡単に縁なんて切れるもんじゃないんですよ。
でも1人で生きていけるだけのことはしてやれたでしょか。思い返すと1人荒波の社会で生きていけるだけのことをしてやれたのか、気になるのはそのことだけです。
もうそれしかできませんもの。
人様の中で生きていくんだね。
みんなに可愛がってもらうんだよ。
よかったね。おめでとう・・・。