nurie.biz(出典)
何故か10代の頃の私は、ハーフを産むこと抵抗があった。
日本人と結婚をすっとばしてるけど、ハーフを産むのは嫌だなという思いがあった。
ハーフって大変だと思うから、自分の子供にそういう宿命を生まれたときから背負わせるのが怖かった。
ここで、また件(くだん)の自転車の話に戻る。
私はそのあと、いろいろあって、父の社宅から違う地域に引っ越した。
ある日、夜中に近所で火事が起きた。多くの見物客が来た。私も親と見学しようとしたが、少し離れた場所なので、危ないからいかなかった。
しかし家に事件が起きたのは朝になってからだ。
家の外にカギをかけて置いていた自転車がなくなっているのだ。
1度は風呂屋の子に奪われ、私が新たに気に入って購入した自転車がなくなっていた。
父と母は、火事見物に来た人が歩いて帰るのが面倒で、乗っていったんだろうと言った。
ないものはない。
納得するしかなかった。
元々いわくつきの自転車だしね。
けれど、ここで物事は急変するのである。
1,2日後のことだ。
私は当時小3くらいだった。その私が家の外で遊んでいたら、小5くらいの知らない女の子が近づいてきた。
その子はハーフだった。日本人と白人のハーフだったが、今思うとアジア人と白人のハーフかもしれない。
どっちでもいい。
その子は私を自分の家の自転車置き場に連れて行った。
そこには、なんと私の自転車があったのだ。
でもハーフの子は言った。
「これ、あなたの自転車と似てるけど、私のだから」
いや、絶対に違う。
けれど、小3が小5に口越えたというのは、何となく怖い。
私は家に帰って母に顛末を話した。
母はすぐさま動いて、その家の母親と話をした。
そして、向こうの母親と小5のハーフの子とで、すいませんでしたと謝りにきた。
私の自転車はこうして手元に戻った。
この自転車ってしみじみいろんな道を歩むのよね。
なんで、知らないハーフの子が、私にわざわざ挑戦するかのごとく喧嘩を売ってきたのかは判らない。私はその子をそれまで知らなったし、私に何も言わず、近所を自転車で走っていても、私は気づかなかったかもしれない。
でも、わざわざ挑戦してきた。
あの心理は今も謎だ。
ただ、ハーフって大変なんだろうなという意識が私の中に残った。
だから私はハーフを産むのは怖いとなるわけだ。
そしてあの自転車は私の成長と共に廃車になったのだと思う。
その前の出来事が衝撃すぎてよく覚えていない。
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