取材と言うお仕事に思うこと

2014-11-11 05:36:22 | 日記風

 cube333.seesaa.net(出典)

 よく「マスゴミ」と罵られることがあるが、実際現場で取材をなさる方々を責める気になるかと言うと…あまりなれないんです。

 私も、おかしいんじゃないか、無神経じゃないかと思うことがあります。

 けれど、偶然、取材陣に出会うことがあるので彼らを見ていると、そういい切れない過酷なことがあります。


 多分、好きなカメラマンがいたせいだと思います。組んで文章を書いている人がいたので、カメラマンなのに、何故か、写真集を出さず、エッセイを出すという不思議な方です。

 運がいい方で、大学を卒業後、大手の出版社に契約カメラマンという形で入社します。

 そうすると、お給料もいろいろな福祉もお約束され、恵まれている環境にいるということになります。

 取材に出るにしても、その資金は会社持ち、言われた取材をすればいい。

 ただし、どんなスクープを撮ったとしても著作権というのが、社にいってしまいます。
 この場合は、将来、会社を辞めても、自分で撮った写真であるのに、自由に使うことができず、会社にお伺いをたて(恐らくですが)使用費を払うことになるのだと思います。

 そしてやはり上下関係もあるので、行きたい取材にはいけない。

 その方の場合は、当時流行っていた、芸能人のスクープを撮って売る雑誌に配属されました。

 そうすると、24時間体制で、誰と誰が付き合っているというニュースを元に張り込みをするわけです。

 近くに不自然でないようにバンを止め、その中で、交代で、いつ帰るか判らない芸能人とその相手の密会を狙うのです。

 たまに近所の人に不信がられ、警察にも通報されます。

 出版社の契約カメラマンはいいです。それでもお給料が出ます。

 でも、ここには人手が足らないということで、出版社に入れない、プロダクションから派遣されてくるカメラマンや記者もいます。

 このプロダクションから来るカメラマン達が、可哀想で、写真が撮れない限り、いくら取材をしようと、スクープ写真を撮らない限り給料は出ません。そして、プロダクションにいるということで、著作権も(おそらくですが)そちらにいく。

 自分のやりたい仕事がしたいと思えば、フリ―になるしかないのです。

 私が好きなカメラマンは戦場カメラマンになりたいと、その道を歩みました。
 それにより、奥様が反対し、4年かかって結婚にこぎつけ、2年くらいで、会社を辞めるならと、離婚をされました。

 けれど、その方が身軽は身軽です。守るものがないからです。


 けれど、取材に行きたいと思っても、もう誰もそこへ行く資金を出してくれません。

 まずは、借金をしてでも、資金作りから始まります。

 現地に行けば、自力でその国の言葉を喋り、道案内をしてくれる人を雇わなければなりません。これも自分が全部資金を出し雇います。

 この案内人が当たるか外れるかで、取材にも影響が出てきます。

 戦場ですから、撃たれることもあります。隣りでジョークを言い合っていた相手がつい数分後には、爆破に巻き込まれ、亡くなるということにも出会います。

 そして、良い写真を撮って、自分で知り合いの社を頼り、売り込み、初めて収入が入るということになります。

 買ってくれなければ、一銭にもならず、借金だけが残ることになります。

 危ない、金になるかどうか判らない、ほぼバクチの戦場カメラマンにはなりたいという若者はいないそうです。

 写真学科などでも、みんな芸能人の写真集を撮る安全な道を選ぼうとすると、嘆いていました。

 と言っても、スクープ写真を狙うことになり、張り込みをすることになることもあります。

 張り込みに青春をムダをしたくないと辞めていく人も多いそうです。


 contents.innolife.net(出典)

 事件があって、容疑者が運ばれてくるとなると、この状態ですからね。

 これは韓国のものなんですが、日本は今はそれぞれ、ごちゃごちゃにならないように、お約束をそれぞれ交わすようです。

 そして、ここから先には出ないなど、写真を撮る側との約束の元、待機して撮る。

 いわゆる、こういう取材をみたことがありますが、容疑者が運ばれてくる数時間前から、ヘリコプターは飛んで、フォバーリングをされ、うるさくてしょうがない。

 あんまりうるさいんで、そろそろかなと思う時間になると警察まで見に行きましたよ。

 そしたら、狭い場所に押し込まれ、入って来る容疑者を乗せた車が入って来るのを撮ってました。

 ここの、1分くらいで全てがおしまい。あとは撤収と言うことになります。

 何時間も準備をして、隣近所に迷惑をかけ、1分くらいに全てを賭ける。(実際1分もないと思います、車の方がスピードが速いので)


 なんて、仕事でしょうね。


 芸能人が子どもを産んだ、病気で退院した(今は撮らせませんが)撮らせていた頃は、やはり、ここまでしか近づいてはいけない。ひな壇のように各社の代表が並ばされ、じっと出てくるのを待ちます。

 なんでか、私がこういう時に病院に行くことが多く、誰が出てくるんだろうと、野次馬根性丸出しで、一緒に待ってます。私は30分くらい待ちましたが、それ以上報道陣は場所について待っています。

 そして1分くらいで、取材終了です。

 ただ、90年代に入った頃から、一般人が子どもを撮る家庭用ビデオカメラを持っている、高感度のカメラを買えるようになった。

 これで、ずい分、取材陣が邪魔をされるのです。

 撮れるまでに時間がかかりますから、やはり取材が始まると思うと、近所の人はカメラやビデオ機を取りに帰ります。

 彼らは、取材される側とする側の約束事を知らないので、どんどん、入ってはいけない線を越えて入ってきて、カメラマンの前に立ちます。

 当然、揉めます。

 騒然とした雰囲気で、退院おめでとうムードは吹き飛びます。

 こういうこともあったから、一切取材には応じないというふうになって来たのかもしれません。

 記者については好きな人がいないので、あまり情報はありませんが、何かが起きた場合、情報を集めに走るのははやり同じようです。

 特に何時までに記事を入れないと、雑誌や新聞に載らない。

 大焦りで、走りまわり、情報を入れますが、ここで、誤報も起きます。

 取れずに落とす(新聞に載せるものがない)
 この場合は売り込まれたフリ―のライターの記事を買うようです。

 当然、上司からは怒られます。

 そして後から後から、詳しい情報が入ってきて、紙面を埋める。


 実際に直面したことですが、以前いた劇団の公演に出ていた女優さんが、実は妊娠していて、それを知っているのは、女優さんの事務所の社長だけという状態がありました。

 公演をし切ってる方も何も知らされず、衣装など、これはダメと相手の事務所の社長から声が入ってきました。
 理由が、それなりなんですが、そのたび、変更を強いられるので、迷惑は迷惑です。

 その場合、どうしても社長がうるさいじゃなく、タレントや女優が言ってることがあるので

 「あいつは我がままだ」

 という雰囲気に稽古場はなります。


 そのときは、たまたまというか…誰かが仕掛けたんですが…千秋楽に当てて「○○妊娠」とスポーツ紙に載りました。

 同じ出演者も全く知らずで、とにかく、取材をうけても何も言うなとだけ、回ってきました。

 本当、芸能界は怖いですね(と、私がいう)

 そして一般人からは「マスゴミ」と罵られる。

 踏んだり蹴ったりです。

 味方はしません。


 でも、どのお仕事も大変だということです。

最新の画像もっと見る