神に生かされた男
ニュートンは奴隷商人として悪辣の限りを尽くし、何度も死にかけた人間であったが、なぜか彼は生かされ、最後は牧師になっていたことがわかった
そして、もしジョン・ニュートンの人生がここで終っていたら、それは非道に走った人間が宗教に目覚めるまでの回心の物語に留まっていたであろう。
だが、彼の人生はここで終わらなかった。
彼は、自らの筆で、奴隷貿易の廃止に大きな貢献をなし、歴史の金字塔を打ち立てていたのである。
そして、後世の人々の記憶に残ることになった彼の最大の貢献は、やはり「アメージング・グレース」の作詞であろう。
彼は当初、牧師として教区民の魂の救済を祈りつつ、自らの波乱に満ちた人生の足跡を「アメージング・グレース」に、書き表したのであるが、この歌は彼の思いを超え、彼の苦難の人生に自らの人生を重ね合わせたアメリカの黒人や移民者の心に響き、アメリカの「第二の国家」、そして癒しを求める万人の心の歌になったのである。
「アメージング・グレース」物語 ゴスペルに秘められた元奴隷商人の自伝
ジョン・ニュートン[著] 中澤 幸夫[訳]
使命のある人間は、その使命を全うするまでは、いかなる災難が降りかかろうとも神の力によって生かされる……
YouTubeより 「アメージング・グレース」Celtic Woman