浜床のふろしき

尾道市因島から日常を記します

植樹

2008年06月28日 | 日常
いつも通る通勤路の途中の空き地が姿を変えていました。草が生い茂り、誰も立ち入りそうにない土地でしたが、草は苅られ、綺麗に整地されていました。

次の日、年配の男女が二人で桜の木を植えていました。 すっかり家でも建つものだと思っていた僕は何故か、止まって声をかけました。

「何しているんですか?」

「あ~、こんにちは。木を植えよーるんよ。」

そうだよね、僕は何でこんな質問をしたんだろう。改めて、

「僕は家でも建つんだと思っていました。桜だったら春には花見が出来ますね。」

「ほうじゃのぉ。10年もすりゃあ、花見が出来るようになるのぉ。わしゃ、生きとらんじゃろうけどのぉ。(笑)」

そう、見るからに90歳が近そうなお二人は腰も曲がり、動作もゆっくりです。 彼らが描いている将来の桜の木の周りには彼ら自身の姿は無いのです。その未来の映像に映るのは子どもたちでしょうか?孫たちでしょうか?

ただ伝えるために植樹する。僕はその姿に惹かれて立ち止まったのでしょうか。