5歳まで神戸で育った。父の勤務の関係である。
ところが祖父が亡くなって突如帰省することになり、父は地元に転勤した。
夏と冬に帰省するだけなので、初孫の私を可愛がってくれたそうだけれど祖父の顔を
実感としてはっきり覚えていない。写真で見る顔が先に目に浮かんでくるのだ。
その祖父が、しばしば祖母とともに訪れていたという城崎温泉「まんだらや」に1度行っ
てみたいと数年前から思うようになった。
実を言うと城崎には何度も行っている。子供が幼稚園のころから中3の夏まで
しばしば天橋立へ海水浴に行き、その帰り城崎で1泊して帰ったものだった。
一人になってからも、出石や余部鉄橋、伊根などを巡ったとき橋立で1泊、城崎で2泊
した。「まんだらや」はその時1人宿泊は取れなかった。
実家の弟は私より10歳(学年では9年)若い。当然祖父は知らない。
しかし彼も両親や祖母から聞いていたらしく、「まんだらやへ行きたいね。」と言い出し
た。そこで今回相談して行くことにした。義妹(弟の連れ合い)もいれて3人。
「まんだらや」はネットで見る限り若者向けになっていて昔の面影はなさそうだが。
祖父と祖母がはるばる遠いところを国鉄を乗り継いで行き、愛した温泉宿。
何故か名前を聞くだけで懐かしい気持ちがする。