今日は結婚前に夫から来た手紙類をかなり整理した。
不思議なことにこちらから出した手紙も残っていた。
まだ、彼が友人の1人に過ぎなかった(と思っていた)ころ、わたくしは3か月ほど
十二指腸潰瘍と胃潰瘍で入院した。そこへ筆不精の見本のような彼が退屈している
だろうとせっせと手紙を書いてくれていたのだ。卒業後2年目に入ったころである。
仕事についたばかりのわたくしは突然の病気に気落ちしていた。
卒業後すぐ知り合ったけれどそれまではお互いにほとんど関心がなかった。
どういう風の吹き回しか、励ましてくれたのだ。
その後結婚するとは当時は思っていなかった。
それまでも友人は多かった。男女を問わず我が家へはよく友人が遊びに来た。
わたくしは彼らのお宅へ殆どお邪魔したことがないのにわたくしが不在でも母と
おしゃべりしていく友人もいたりしたのだ。
高校時代の友人の中で「友達以上、恋人未満」かなあと思っていた親しい友人がいた。
その中の1人は高校の先輩で帰省するとよくわたくしの実家へ立ち寄っていた
そうで、手紙のやり取りはしていたけれど、大会社の副社長を退職してすぐ自分で
病院に行く途中の道で倒れてそのまま亡くなった。
もう1人は何十年ぶりかで会った時、「あのころ恋人だったのかしら?」と
つぶやいたら「決まってるだろ、あんなに何回も行ったんだ」って。
そうかなあ、彼は生粋の江戸っ子で地方の高校生だったわたくしとは実は年に数回しか
会うことがなかったのだ。嘘ばっかり。
わたくしは友人たちとあまり深く付き合わなかった。
仲良しの友達は何人かいるけれども何でも話せるといういわゆる親友というものを
持たなかったと思う。これって一般的に言うと不幸なことなのかもしれないが
自分ではまあ、そこそこ満足しているので良しとしよう。
古い手紙を整理しながらいろいろ思い出した1日であった。