恩師のご著書「講演集」より
講演、四
示し申すと書く真の「神」はただお一人
昨日の夕べも、
「神様とは一体何でしょう」という話があったのですけれど、
高橋信次先生はよく黒板に、「ゴッドの神」と書かれましたね。
これが、ほんとうの示し申す神〈神の旧字体は「」〉です。
日本には、上の意味の上様もありますし、ペーパの紙様もあって、
ややこしいのです。
何々の大神とか南無妙法蓮華経とか書いたものを置いて、
一生懸命拝んでいる方がありますが、
このお札とか掛軸とかは、
ペーパの神様です。
又、祠の中に祀られている神というのは、
ほとんど人の上にいた方で、
それを神として祀っている場合が多いです。
昔、その地域に貢献された方とか、
その地域を開かれた方とか、
豪族の方とか、
その地域の権力者とかを神として、
立派なお社の中に祀っています。
ところが、そういう神々は、示し申す神とは全然違って、
人の上にいた「氏の上」つまり氏神様です。
けれども、同じ示し申す神という字を書きますから、
ややこしいのです。
示し申す神はただお一人、この大宇宙を支配し、
この地上の万生万物を育む大自然の力、この大自然の力こそ、
神の御業であります。
こういう神様は何人もおられません。
ただお一人だけです。
この神こそ示す申すまことの神ですから、自然の中に、
私たちの生き方をいろいろと教えて下さっています。
自然を通して学ぶのが「正しい法」といえます。