~ 恩師の御著書「愚か者の独り言」より ~
講演集 一
「心の法則を利用して感謝する」
一つ一つしか思えない人間の心をうまく利用したらいいのですね。
人様に尽くさせてもらう時には、その尽くす思いしか持てません。
また有難いなと思う時は、その心だけを持つことができます。
その時は不足は言えませんね。
宗教はすべて感謝を教えます。
感謝している時は、さっき言いました砂袋に砂を
詰めることはできないのです。
「有難うございます、有難うございます」という感謝の心を
持っている時は愚痴も言えませんし、怒ることもできません。
また不足も言えません。
感謝しながら不足を言ったり腹を立てたりはできません。
一日の内で一時間、いえせめて五分間感謝し、
有難いなあという時間を持たれたら、
その人の二十四時間のうちの五分間は心の中に魔が入って来ません。
もし一時間感謝の心を持ちますと、今日一日の中の一時間は
安らぎの時間が保てるわけで、
その間に一切の苦しみの原因を入れることはできません。
心は一つしか思えないのですから、
一生のうち今日の一日をすべて感謝に満たさせますと、
一生のうちの今日一日を心に曇る原因をつくらずに済むわけですね。
感謝は心を魔から守る武器です。
感謝には、そういう深い意義があるのです。
先程、神を信じるなら人を信じなさいと言いましたが、
そういう時間を少しでも長く持つことが幸せを守っていくコツであり、
幸せになる要領なのです。
苦しみに心を向けることをできなくさせるからです。
無理やりでも構いません、感謝の対象を見つけて、
感謝していったらいいのです。
その時幸せになります。
そういう思いを長く続けますと、やがて自分の肉体は勿論のこと、
或いは環境、或いは経済的に、また商売や仕事の面で
喜びに満たされてきます。