~ 恩師のご著書「愚か者の独り言」より ~
講演集 一
「作善止悪}
日々の生活を正しく行じるとは、最も簡単に言いますと、
過ちをできるだけ犯さないように、
自分の良心に恥じることをしないことですね。
そして良き行いを少しでも多く積み重ねること、
たったそれだけでいいのです。
それで極楽へ行けるのです。悪しき行いをとどめ、
良き行いを積み重ねる「作善止悪」―――簡単なことです。
「三世の諸仏はすべてこれを説き給う」過去の仏も現世の仏も
来世の仏もすべてこの法を説かれるそうです。
悪をとどめるというのは先程言いました沙袋の中に砂を詰めない
ことですね。
そして善を行うと心が軽くなります。
日々の生活で一度自分の過去を振り返ってもらって、
自分にどれだけ砂が詰まっているかを今ちょっと
振り返ってもらっただけでも、
自分が死んで行く世界は、ちゃんと分かります。
「自分は大分重い深い所へ行くなあ」とか、「自分は高い所へ行くなあ」
とか、しかしこの場にいる人で「死んで私は一番高い所に行けるなあ」
という方は一人もありませんね。
私は便利がいいです。
こうしてお話をさせてもらうと、ああこの方は地獄の一丁目へ行かれるなあ、
この方はどの辺りだなあということが皆見えます。
見えるようになっているのです。
お顔には皆証明書を書いておられます。
顔は心の看板です。
肉体とは魂の表現体、しかも目の玉は心の窓です。
こうして見ますと、心の奥底が皆見えます。
霊能力とか奇奇怪怪の能力とかいうのとは全く違うのですね。
五感を通してそれが分かるのです。