~ 恩師の御著書「愚か者の独り言」より ~
講演集 一
「親切な人が不幸である場合の原因」
先の続き・・・
そういうわけで、
人のいいお方が不幸な生活をしておられる場合が多いのです。
良い行いをしても自分を苦しめた時、これは絶対に失格です。
あの世では必ず地獄へ行きます。
行いの結果を褒めてもらわなかったとか、
礼を言ってもらわなかったとか、
また人から報いを受けなかったとか言って、
自分の心を苦しめた時、その善は悪に変わってしまいます。
善に勝る悪を積むことになります。
では、がめつい人がなぜうまいこといくかと言いますと、
そういう冷たい嫌な方は、人の為には何もしませんので、
裏切られる回数は殆どないのです。
その面に関しては自分の心を苦しめないのですね。
だから案外うまくいくのです。
では人のことは放っておいて、
自分さえうまく生きたらいいのかと言いますと、
却ってそのほうが無難だと思いますが、
これでは生まれて来た目的が果たせません。
その目的とは、人々と互いに手を取り合って調和を目的とし、
助け合い、愛し合いながら、自然の姿に沿って生きるのが、
この世に生まれた目的です。
親切はあくまでも、
いっさい求めることのない善なる行いでなくてはなりません。
またわがことだけ良ければ他はどうでもよいというのも
自然の姿に反します。
自然(神)に逆らった分だけ人は苦しみを味わうようになっています。