生涯いちエンジニアを目指して、ついに半老人になってしまいました。

その場考学研究所:ボーイング777のエンジンの国際開発のチーフエンジニアの眼をとおして技術のあり方の疑問を解きます

メタエンジニアの眼シリーズ(152)アゴラ『AGORA』  

2020年01月08日 14時38分49秒 | メタエンジニアの眼
メタエンジニアの眼シリーズ(152)         

TITLE:アゴラ『AGORA』

                                                         
書籍名;『AGORA』 [2020] 
著者;小松優美 発行所;日本航空
発行日;2019.12.27
初回作成日;R2.1.7 最終改定日;R1.

「アゴラ」は、広場の意味と思っていたが、Wikipediaには、『アゴラ は古代ギリシャの市場の一般的な名称である』とあるので、辞書を引いてみた。広辞苑の第1版には、その語は載っていないが、「言泉」には、次のようにある。『古代ギリシャの都市国家にあった公共の広場。アクロポリスの麓にあって公共建物が建ち、会議、裁判、市場が開かれた。』この二つは、意味が随分と異なっている。勿論、私は後者を支持する。

 この月刊誌は、JALグローバルクラブ会員に送られてくるのだが、考えてみると会員になったのは1980年代の初頭なので、もう40年間も読み続けていることになる。勿論、毎号丁寧に読むわけではなく、興味のある記事のみを見るくらいだった。しかし、冒頭の「World Scope」だけは、必ず目をとおす。たぶん、CAの女性が各地の街歩き中に見聞きしたものだと思うのだが、世界中のそれなりの都市の最新情報が分かって面白い。
毎回思うのは、日本は変化に取り残されている、ということだ。さらに悪いのは、変化が始まっても、常に中途半端ということもある。
 1月号の記事は、New York, Shanghai, Londonだった。New Yorkでは、今年の3月から市内と州全域でレジ袋の提供が禁止されると書いてある。年間230億枚のプラスチック袋が削減されるそうだ。さらに、「ゼロ廃棄」や「脱プラスチック」を看板に新規の店がオープンしていると書かれている。「一切埋立地に送るものは何もない。ごみは缶詰の空き缶のリサイクルくらい」、を標榜するワインバーがあるそうだ。
 似た動きは、日本にも確かにある。しかし、いずれも中途半端だ。なかでも、最近の「レジ袋有料化」にはあきれる。もう10年近く前にも、同じことが叫ばれて、スーパーではポイントを貯めると、ショッピングバッグと交換してくれた時期があり、私は今も使い続けている。一時期その買い物袋は出回ったが、今では、使っている人は全く見かけない。
 「脳内環境問題」という言葉を、先月授業で説明した。頭ではわかっていても、行動に移せない文化だ。

 中途半端で思い出すのは、無料航空券も同じだ。1980年代は、大型機による国際線網が発達した時期で、日本からの欧米路線もアンカレッジに寄らなくなった。海外のエアラインは一斉にマイレージの無料航空券交換を行っていたが、日本は法律で禁止されていた。そこで私は、JAL会員であるにも関わらずに、Pan Am, United, BA, NWなどを利用していた。その間に、日本のエアラインは、随分とビジネス客を逃したと思う。


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