TITLE: ブログ;A5冊子「メタエンジニアリング・シリーズ」(その1)
メタエンジニアリング研究所から27冊の冊子を発行しています。少数を印刷して関係者に配布していますが、一般販売は行われていません。そこで、その一部をこのブログで紹介してゆきます。
現在までに発行された書籍は次の27巻です。
目次編 メタエンジニアリング研究のすべて
基礎編
第1巻 メタエンジニアリングとは何か
第2巻 メタエンジニアリングの基礎
第3巻 メタエンジニアリング技術者の役割と資質
第4巻 MECIサイクルのMiningとExploring
第5巻 MECIサイクルのConvergingとImplementing
第6巻 Design on Liberal Arts Engineering
第7巻 科学・メタエンジニアリング・工学
第8巻 メタエンジニアリングの場とイノベーション
第9巻 メタエンジニアリングの歴史 人物編
第10巻 メタエンジニアリングの歴史 カテゴリー編
応用編
第11巻 メタエンジニアリングによる文化の文明化
第12巻 メタエンジニアリングで考える環境問題
第13巻 メタエンジニアリングで考えるエネルギー問題
第14巻 メタエンジニアリングによる技術の系統化
第15巻 メタエンジニアリングによる新・原価企画
第16巻 The Essence of Engineering and Meta-Engineering
第17巻 21世紀の正しい創造のためのメタエンジニアリング
第18巻 メタエンジニアリングによる文化の文明化のプロセス
第19巻 現代西欧文明の衰退と次の文明(MECIメソッドの応用)
第20巻 メタエンジニアリングで考えるエネルギービジネスと環境
第21巻 メタエンジニアリングで考える企業の進化
第22巻 メタエンジニアリングのちから
第23巻 メタエンジニアリングでスキーマ―を育てる
第24巻 さまざまな「メタ」の研究(1) 人文・社会科学編
第25巻 メタエンジニアリング10年間の活動記録
第26巻 さまざまな「メタ」の研究(2) 理工・経済学編
第27巻 さまざまな「メタ」の研究(3) 応用編
今回は、第1巻の「まえがき」です。
まえがき(初版の)
メタエンジニアリング・シリーズの発刊について
メタエンジニアリングに関する研究は2009年に行われた、日本工学アカデミーの「我が国が重視すべき科学技術のあり方に関する提言~ 根本的エンジニアリングの提唱 ~」という提言に始まった。筆者は、その直後に設定された「根本的エンジニアリングの実装」という研究部会に参加し、3年間の部会活動を通じて新たなエンジニアリングに関する考え方を纏める事を試みた。
当初は、部会の趣旨である、「持続的イノベーションの促進方法」についての議論が中心であったが、次第に より根本的に考えざるを得なくなった。考えてみると、現代生活の身の回りの文明的なものは、全て過去のイノベーションの結果である。テレビやインターネットなどの通信機器やシステム、自動車・鉄道・航空機などの輸送・交通手段、全ての家電製品などなど。これらは全て、発明当初はイノベーションの一つであったものが、現代に至るまで、その持続性を示し続け発展をしてきたものである。この様に、長期間にわたって持続性を保ち続けたイノベーションは、「文明」となる。
このことを、逆に「文明」から辿ると、文明の元である優れた文化が融合する中で、あるイノベーションが人類社会に広く受け入れられ、持続的に発展してゆく、という過程が分かる。その過程で最も大きく寄与する力がエンジニアリングであろう。18世紀から20世紀にかけて、人類の文明はこの力により、大きな発展を遂げることができた。しかし、昨今の状況はこの連続性に疑問が投げかけられるようになった。多くの公害の発生や地球環境の悪化等が止められないこと、大災害や反乱・テロ(これらもエンジニアリングの成果を用いている)などが繰り返されることなどが、その主たる原因であろう。このように考えてゆくと、現代のエンジニアリングには、何か足りないものがあるのではないか、その大もとは何なのかとの疑問が湧いてくる。
古代ギリシャでは、多くの科学が驚異的な発展をした。その中では、現在でも有名な多くの自然学者、科学者や哲学者が活躍をした。その状況は、今日とよく似ている。そして、古代ギリシャの場合には、最終的にアリストテレスにより当時の自然学(Physica)を包括し、その根本を探るものとして、形而上学が始められた。英語名は、Meta-Physicsである。そして、この形而上学は中世まで続き、新たな自然科学の時代への引き継ぎの役目を果たした。
そこで、エンジニアリングの根本を探るものとしての、「メタエンジニアリング (Meta-Engineering)」との発想に行きついたわけである。定義さえも まだ曖昧であるが、この基本的な考え方で、現代文明行方とエンジニアリングの係わりを探ってゆきたいと思う。
平成26年3月 勝又一郎
第2版のまえがき
本書は、2年前に第1版を纏めた。それから今日まで、様々な事故や災害を見聞きした。その度に思うことは、現代の工学(エンジニアリング)が、「人のために役に立つもの・ことを創造する」とした時に、あまりにも視野が狭い」ということだった。エンジニアリングの視野を、工学と自然科学から広げると、社会科学・人文科学から遂には、哲学に至る。その考え方に基づくと、メタエンジニアリングは多くの方面に発展することが分かってきた。例えば、21世紀には地球と人類社会の持続的な維持と発展のためには、新たな文明が求められているが、その実現のためのプロセス。また、一般社会と先端科学との距離感を縮める接着剤の役目。社会に想定外の事故や災害を起こさないための真に正しい設計、などが挙げられる。
第2版では、これらのことを概説するために全体を見直し、加筆訂正をした。また、新たな章を設けてより具体的な説明を試みることにした。
平成28年 正月 勝又一郎
今後は、このシリーズでの投稿を続けるつもりです。興味のある方には冊子をお分けします。
連絡先は、下記のホームページから申し込みができます。
https://meta-engineering.com/
メタエンジニアリング研究所から27冊の冊子を発行しています。少数を印刷して関係者に配布していますが、一般販売は行われていません。そこで、その一部をこのブログで紹介してゆきます。
現在までに発行された書籍は次の27巻です。
目次編 メタエンジニアリング研究のすべて
基礎編
第1巻 メタエンジニアリングとは何か
第2巻 メタエンジニアリングの基礎
第3巻 メタエンジニアリング技術者の役割と資質
第4巻 MECIサイクルのMiningとExploring
第5巻 MECIサイクルのConvergingとImplementing
第6巻 Design on Liberal Arts Engineering
第7巻 科学・メタエンジニアリング・工学
第8巻 メタエンジニアリングの場とイノベーション
第9巻 メタエンジニアリングの歴史 人物編
第10巻 メタエンジニアリングの歴史 カテゴリー編
応用編
第11巻 メタエンジニアリングによる文化の文明化
第12巻 メタエンジニアリングで考える環境問題
第13巻 メタエンジニアリングで考えるエネルギー問題
第14巻 メタエンジニアリングによる技術の系統化
第15巻 メタエンジニアリングによる新・原価企画
第16巻 The Essence of Engineering and Meta-Engineering
第17巻 21世紀の正しい創造のためのメタエンジニアリング
第18巻 メタエンジニアリングによる文化の文明化のプロセス
第19巻 現代西欧文明の衰退と次の文明(MECIメソッドの応用)
第20巻 メタエンジニアリングで考えるエネルギービジネスと環境
第21巻 メタエンジニアリングで考える企業の進化
第22巻 メタエンジニアリングのちから
第23巻 メタエンジニアリングでスキーマ―を育てる
第24巻 さまざまな「メタ」の研究(1) 人文・社会科学編
第25巻 メタエンジニアリング10年間の活動記録
第26巻 さまざまな「メタ」の研究(2) 理工・経済学編
第27巻 さまざまな「メタ」の研究(3) 応用編
今回は、第1巻の「まえがき」です。
まえがき(初版の)
メタエンジニアリング・シリーズの発刊について
メタエンジニアリングに関する研究は2009年に行われた、日本工学アカデミーの「我が国が重視すべき科学技術のあり方に関する提言~ 根本的エンジニアリングの提唱 ~」という提言に始まった。筆者は、その直後に設定された「根本的エンジニアリングの実装」という研究部会に参加し、3年間の部会活動を通じて新たなエンジニアリングに関する考え方を纏める事を試みた。
当初は、部会の趣旨である、「持続的イノベーションの促進方法」についての議論が中心であったが、次第に より根本的に考えざるを得なくなった。考えてみると、現代生活の身の回りの文明的なものは、全て過去のイノベーションの結果である。テレビやインターネットなどの通信機器やシステム、自動車・鉄道・航空機などの輸送・交通手段、全ての家電製品などなど。これらは全て、発明当初はイノベーションの一つであったものが、現代に至るまで、その持続性を示し続け発展をしてきたものである。この様に、長期間にわたって持続性を保ち続けたイノベーションは、「文明」となる。
このことを、逆に「文明」から辿ると、文明の元である優れた文化が融合する中で、あるイノベーションが人類社会に広く受け入れられ、持続的に発展してゆく、という過程が分かる。その過程で最も大きく寄与する力がエンジニアリングであろう。18世紀から20世紀にかけて、人類の文明はこの力により、大きな発展を遂げることができた。しかし、昨今の状況はこの連続性に疑問が投げかけられるようになった。多くの公害の発生や地球環境の悪化等が止められないこと、大災害や反乱・テロ(これらもエンジニアリングの成果を用いている)などが繰り返されることなどが、その主たる原因であろう。このように考えてゆくと、現代のエンジニアリングには、何か足りないものがあるのではないか、その大もとは何なのかとの疑問が湧いてくる。
古代ギリシャでは、多くの科学が驚異的な発展をした。その中では、現在でも有名な多くの自然学者、科学者や哲学者が活躍をした。その状況は、今日とよく似ている。そして、古代ギリシャの場合には、最終的にアリストテレスにより当時の自然学(Physica)を包括し、その根本を探るものとして、形而上学が始められた。英語名は、Meta-Physicsである。そして、この形而上学は中世まで続き、新たな自然科学の時代への引き継ぎの役目を果たした。
そこで、エンジニアリングの根本を探るものとしての、「メタエンジニアリング (Meta-Engineering)」との発想に行きついたわけである。定義さえも まだ曖昧であるが、この基本的な考え方で、現代文明行方とエンジニアリングの係わりを探ってゆきたいと思う。
平成26年3月 勝又一郎
第2版のまえがき
本書は、2年前に第1版を纏めた。それから今日まで、様々な事故や災害を見聞きした。その度に思うことは、現代の工学(エンジニアリング)が、「人のために役に立つもの・ことを創造する」とした時に、あまりにも視野が狭い」ということだった。エンジニアリングの視野を、工学と自然科学から広げると、社会科学・人文科学から遂には、哲学に至る。その考え方に基づくと、メタエンジニアリングは多くの方面に発展することが分かってきた。例えば、21世紀には地球と人類社会の持続的な維持と発展のためには、新たな文明が求められているが、その実現のためのプロセス。また、一般社会と先端科学との距離感を縮める接着剤の役目。社会に想定外の事故や災害を起こさないための真に正しい設計、などが挙げられる。
第2版では、これらのことを概説するために全体を見直し、加筆訂正をした。また、新たな章を設けてより具体的な説明を試みることにした。
平成28年 正月 勝又一郎
今後は、このシリーズでの投稿を続けるつもりです。興味のある方には冊子をお分けします。
連絡先は、下記のホームページから申し込みができます。
https://meta-engineering.com/